混練機

混練機とは

混練機

混練機とは、異なる材料同士に対し混ぜる、練る、潰す、つくなどの作業を同時に行うことで均一に混ざった材料を作る装置です。

化学工業では、さまざまな物質を適切に混ぜ合わせることが必要です。それらを効率よく、均一に混ぜるために混練機が使われます。混練機は、混ぜる物質や目的によって設計や形状が異なります。

混練機の使用用途

混練機は化学工業だけでなく、食品工業や製薬業界など、さまざまな場所で使用されています。食品工業では、パン生地を混ぜたり、ソースを均一に混ぜたりするために使用されます。

製薬業界では、薬の成分を均一に混ぜるために有用です。建設業界では、セメントを混ぜるためにも使用されます。

混練機の原理

混練機は、一般的には「攪拌」、「分散」、「混練」の3つの原理によって物質を混ぜます。「攪拌」は、物質をかき混ぜることで均一に混ぜる原理です。「分散」は、物質を細かく分割しながら混ぜる原理で、ペイントのような粒子を含む物質を混ぜる際に使用されます。「混練」は、物質を押し込む力で混ぜる原理で、粘性のある物質を混ぜるときに特に効果的です。

なお、混練機には様々な種類のものがありますが、混錬は混合したい複数の材料に強いせん断力をかけることで、先述の3つの攪拌、分散、混錬を行います。強いせん断は、材料を高速で動かすような回転速度の非常に速い羽根であったり、遅い速度であったりしても非常に狭い隙間に材料を流し込むことで得られます。このため、混練機は多種多様なものが存在します。

また、混練時は装置や周囲環境により材料の温度が変化していきます。温度変化により材料が硬くなったり、柔らかくなったり変質する可能性があります。このような変化を防ぐため、混練機は加熱・冷却機能を有しており、最初に温度設定を行うことで混練中は常に一定の温度を保っています。

混練機の種類

混練機には、バッチ式混練機と連続式の混練機があります。

1. バッチ式

バッチ式は、容器に混錬したい材料を入れて比較的長時間かけて混錬を行います。一度に大量の安定した品質の製品を得られるのが特徴です。

2. 連続式

連続式は管内に材料を流し、その中にあるスクリューと管壁との間や複数スクリューをもつ混練機の場合は、スクリュー同士の間の狭い空間に材料を強制的に押し込むことで強いせん断をかけて混錬します。バッチ式に比較して圧倒的に短時間で処理できるのが特徴ですが、予め材料は別の混合機である程度均一にしておく必要があります。

その他、混練機には同量の固体と液体を混練するタイプ、多量の固体に少量の液体を混練するタイプ、流動性のあるペースト材料を混練するタイプなど、その用途に合わせたタイプがあります。それぞれの用途に合わせてブレードの大きさや形、混練時の回転時間、ブレードの上下動作、容器中を真空状態とする機能などが異なってきます。

混練機の選び方

混練機を選択する際には、混ぜる物質の性質、必要な混合の程度、製品の規模などを考慮する必要があります。例えば、粘度が高い物質を混ぜる場合や大量の物質を混ぜる必要がある場合は、強力な混練機が必要です。

また、粉末状の物質を混ぜる場合は、粉末が飛び散らないように封じ込める機能を持つ混練機が適しています。

混練機のその他情報

混練機の重要性

混練機は、物質を混ぜるシンプルな作業を行いますが、その裏には複雑な物理的、化学的原理が働いています。例えば、物質の粒子サイズや分布、粘度、温度などが混合の結果に大きく影響を与えます。これらの要素を適切にコントロールして、混練機は物質を効率良く、均一に混ぜることが可能です。

また、混練機は、製品の品質を一定に保つためにも重要です。例えば、食品工業や製薬業界では、製品の一貫性と品質が求められます。混練機の使用によって、製品のロット間の品質のブレを抑えることが可能です。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/gomu1944/73/5/73_5_240/_pdf/-char/ja
https://www.inouemfg.com/konrenki/
http://www.kurimoto.co.jp/technology/data/42/200003_10.pdf

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