治具部品とは
治具とは工作機械などで、大量に同じ品質の製品を作るために使用される位置決め装置です。
また製品を固定するのための器具が用意されています。
治具に製品をセットして固定すると、製品が常に同じ位置にセットされて、穴あけ加工などの位置が安定します。
その治具には、製品の位置を決めるために幾つかの部品が取り付けられています。
具体的には、位置決めピンや、基準座ブロック、クランパー、ラフガイドといった部品です。
治具部品の使用用途
治具部品には以下のような使用例があります。
- 加工用治具
マシニングセンタや旋盤、フライス盤などの工作機械で、治具を活用すると作業者が製品ごとに位置だし調整をする必要が無くなります。 - 組み立て用治具
組み立て工程では産業用ロボットなどを使用して、ボルトの組付けなどの部品の取り付けなどを行います。
作業者と違い、必ず同じ位置に製品がセットされていなければ、産業用ロボットの場合、組付け不良を起こしてしまいます。 - 検査用治具
検査工程では画像処理を使用した検査の場合、登録された画像データと照合して判定をするため、製品の位置決めが安定していないと、問題が無い製品でも異常判定されてしまいます。
治具部品の特徴
治具部品の特徴について各治具部品ごとに説明します。
- 位置決めピン
製品の加工基準となる素材穴に入れるピンです。
通常は2本で一対となっており、1本は先端が丸型、もう一本がダイヤ型になっています。
丸型ピンで製品の位置を決めて、ダイヤ型で位相を決めます。
片側のピンがダイヤ型になっている理由は、両方が丸ピンだと製品のセットが難しくなるためです。 - 基準座ブロック
製品の平行を確保するために、治具に取り付けられている部品です。
製品の基準座と呼ばれる位置を受けるように、用意されています。
通常は3点で受けることが多く、その理由は4点以上になると当たらない基準座が出てしまうからです。
製品のセットが間違っていないか、毎回確認するために、基準座にはエアー穴がついていて、基準座内部の圧力を確認しているものもあります。 - クランパー
製品が加工中の負荷で動かないように固定する部品です。
バネやエアー、油圧など色々な動力源で固定をしますが、加工中の負荷に耐えられるクランプ力を確保できるものを選定します。