ハンドバルブ

ハンドバルブとは

工作機械や搬送装置、検査装置など様々な生産設備では、圧縮エアーが動力源として使われています。

圧縮エアーが生産設備に送られて、それによりエアーシリンダーが駆動して製品が搬送されたり、ロボットが製品をクランプしたり、製品の清掃用にエアブローを当てたりします。

ハンドバルブは切り替え用のレバーやハンドルを使用して、作業者が手動で配管やエアーチューブ内のエアーの流れる方向を変えたり、止めたり、流量を調整するための装置です。

ハンドバルブの使用用途

ハンドバルブは以下のような使用例があります。

  1. 搬送装置の速度制御
    工作機械から製品を取り出して、後工程に搬送する装置(ローダーやシフターなど)は移動速度が速すぎると、製品が振動で落下したり、位置がずれたりします。
    ハンドバルブでエアー流量を調整して、問題の無い速度に変えることができます。
  2. 交換式治具の切り替えバルブ
    多品種を流動する設備で、機種変更する時に治具を交換することがあります。
    エアーシリンダーのクランパーがついている治具では、エアーホースを一度外して、付け替える作業があります。
    切り替えバルブで治具に供給するエアーを止めてから、ホースを外せばエアー漏れが防げます。

ハンドバルブの特徴

ハンドバルブにはさまざまな種類があり、それぞれの特徴を説明します。

  • 残圧抜きバルブ
    生産設備が異常で途中停止したときなどに、設備内にエアー圧が残った状態で異常処置すると、非常に危険です。
    何かの拍子でシリンダの引っ掛かりが外れて、突然反動で動いて作業者が挟まれる恐れがあります。
    そのために残圧抜きハンドバルブを配管経路につけておけば、残圧を抜いてから異常処置ができます。
  • 方向切換え弁
    エアーの流れる方向を変えて、設備の動作を変えます。
    弁本体についているレバーハンドルに、エアーが流れる方向が図示されています。
    例えばクリーンエアーを供給する検査装置では、エアー配管にフィルターを設置します。
    フィルターは定期清掃が必要ですが、清掃中に設備を動かせなくなると生産がストップしてしまいます。
    そこでフィルターを2つ並列回路で用意しておき、方向切換え弁で清掃しない側の回路を選択すれば、生産をストップせずに清掃が可能になります。
  • 流量調整弁
    弁本体にネジ式のつまみがついていて、つまみを絞っていくと弁内部のエアー流路が徐々に塞がれていくようになっていて、通過するエアーの流量が絞ります。

参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/mech/M1900000000/M1908000000/M1908010000/

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