ハンドバルブとは
工作機械や搬送装置、検査装置など様々な生産設備では、圧縮エアーが動力源として使われています。
圧縮エアーが生産設備に送られて、それによりエアーシリンダーが駆動して製品が搬送されたり、ロボットが製品をクランプしたり、製品の清掃用にエアブローを当てたりします。
ハンドバルブは切り替え用のレバーやハンドルを使用して、作業者が手動で配管やエアーチューブ内のエアーの流れる方向を変えたり、止めたり、流量を調整するための装置です。
ハンドバルブの使用用途
ハンドバルブは以下のような使用例があります。
- 搬送装置の速度制御
工作機械から製品を取り出して、後工程に搬送する装置(ローダーやシフターなど)は移動速度が速すぎると、製品が振動で落下したり、位置がずれたりします。
ハンドバルブでエアー流量を調整して、問題の無い速度に変えることができます。 - 交換式治具の切り替えバルブ
多品種を流動する設備で、機種変更する時に治具を交換することがあります。
エアーシリンダーのクランパーがついている治具では、エアーホースを一度外して、付け替える作業があります。
切り替えバルブで治具に供給するエアーを止めてから、ホースを外せばエアー漏れが防げます。
ハンドバルブの特徴
ハンドバルブにはさまざまな種類があり、それぞれの特徴を説明します。
- 残圧抜きバルブ
生産設備が異常で途中停止したときなどに、設備内にエアー圧が残った状態で異常処置すると、非常に危険です。
何かの拍子でシリンダの引っ掛かりが外れて、突然反動で動いて作業者が挟まれる恐れがあります。
そのために残圧抜きハンドバルブを配管経路につけておけば、残圧を抜いてから異常処置ができます。 - 方向切換え弁
エアーの流れる方向を変えて、設備の動作を変えます。
弁本体についているレバーハンドルに、エアーが流れる方向が図示されています。
例えばクリーンエアーを供給する検査装置では、エアー配管にフィルターを設置します。
フィルターは定期清掃が必要ですが、清掃中に設備を動かせなくなると生産がストップしてしまいます。
そこでフィルターを2つ並列回路で用意しておき、方向切換え弁で清掃しない側の回路を選択すれば、生産をストップせずに清掃が可能になります。 - 流量調整弁
弁本体にネジ式のつまみがついていて、つまみを絞っていくと弁内部のエアー流路が徐々に塞がれていくようになっていて、通過するエアーの流量が絞ります。
参考文献
https://jp.misumi-ec.com/vona2/mech/M1900000000/M1908000000/M1908010000/