ブロックゲージとは
JIS規格によれば、ブロックゲージは「耐久性がある材料で作られ、長方形断面で並行な2つの測定面を持ち、その測定面は他のブロックゲージまたは補助体(基準平面)ともよく密着する性質を持っている端度器」と定義されます。
(端度器:平行な2面間の距離で寸法を表す基準となるもの)
一般的にブロックゲージは複数の直方体から構成されています。各直方体の縦横は同じ寸法で、厚みが異なり、それを重ね合わせることで厚み方向に好きな寸法を作り出すことができます。
ブロックゲージの使用用途
ブロックゲージは非常に厳密な寸法管理のもと製造されており、長さの基準を測定したいときに使用されます。
具体的には精密機器類の組み立て時の寸法測定基準として採用したり、ノギスやマイクロメータなどの精度測定に用いられます。
精密機器を組み立てる際、部材と部材の間に確保すべき隙間の指示がある場合があります。その時に、複数のブロックゲージを重ね合わせて隙間にあてがうことで所望の寸法を作ることが可能となります。
ブロックゲージの特徴
ブロックゲージには以下の特徴があります。
- 寸法が正確である
- 他のブロックゲージや補助体ともよく密着(リンギング)する性質を持つ
- 硬い素材を採用し、耐摩耗性に優れている
- 寸法の安定性に優れ、経年による寸法変化が少ない
- 熱膨張係数が明らかになっている
- 錆びにくい
- 直方体6面のうち、高精度に調整された2面が測定面として用いられる
上記の特徴からも厳密に作られていることがわかります。そのため、品質レベルによって以下の等級が決められています。
- 等級K(超精密):ブロックゲージの校正、研究用
- 等級0(精密):高精度測定器類の校正
- 等級1(検査用):測定機器類の校正
- 等級2(工作用):ノギスなどの校正
当然ですが、等級が上がるほど(精密になるほど)価格も高く、取扱いも慎重さが求められます。
ブロックゲージは精密に作られていますが、誤差を極力抑えるためにも、使用する際はできるだけ少ない数のブロックで所望の寸法を形成できるように考える必要があります。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe/79/8/79_743/_pdf