盤用キャビネットとは
盤用キャビネットとは、産業用制御盤に用いられる収納箱のことを指します。
産業用制御盤は、内部に電磁開閉器や遮断器などの機器を収納した制御装置です。産業用制御盤内には電気回路や電子機器を収納するため、一般的に水や粉塵、直射日光に弱く、不要な箇所に人が触れると感電する恐れもあります。盤用キャビネットはこれらの外的環境から制御用機器を保護しつつ、メンテナンス性を向上させるために制御機器を整理して並べる役割を果たします。
盤用キャビネットの使用用途
盤用キャビネットは、産業用の制御機器がある箇所には至る所で使用されます。
商業施設を見渡すと、人通りが少ない場所に金属製の制御盤が設置されています。商業施設の給電と制御を担う盤のキャビネットであり、注意すると見つけることが出来ます。また、電柱の下には信号機制御用盤のキャビネットが設置されていたり、学校や駅舎でもキャビネットを発見することが出来ます。
盤用キャビネットは一般的な生活にも密接していますが、目立たない場所に設置されることが一般的です。
盤用キャビネットの原理
盤用キャビネットは、鉄製のものが主流です。堅牢、安価で加工性に優れるためです。海岸沿いや腐食環境下ではステンレスやプラスチックが使用されることもあります。また、盤用キャビネットには塗装も施されます。周囲の色に合わせて目立たなくする目的です。その為、塗装色は需要に合わせて選定可能な場合がほとんどです。耐塩・耐酸塗装を施してキャビネットの腐食防止を目的とする場合もあります。
盤用キャビネットの取っ手部分は一般的に錠前が付属します。盤用キャビネットの目的の一つは、関係者以外に触れられないようにするためであり、鍵を掛けることで不用意に部外者が触れて怪我をすることを防ぎます。
盤用キャビネットの内部には制御機器を整列させるための鉄板や木板が設置されます。この板は基板と呼ばれ、キャビネットの盤裏に縫い付けられます。
盤用キャビネットは屋外に設置することも多くあります。屋外仕様の盤用キャビネットには水切り用の屋根が付いています。また、粉塵や水滴が内部に侵入しない構造となっており、保護等級としてはIP44またはIP45以上を担保されます。