フラッシュメモリとは
フラッシュメモリとは、データの読み出しや書き込みに使われる記憶装置のことです。
身近なデバイスとしては、SDカードやSSD,USBメモリなどがあります。電源を切っても記録が消えない不揮発性メモリで、現在様々なデバイスに利用されています。SSDとは、「Solid State Drive」の略で、ノートパソコンなどの内蔵ストレージなどに使用される場合が多いです。
フラッシュメモリは、主にNAND型とNOR型の2つに分けられます。それぞれ読み出し速度と書き出し速度に違いがあり、用途が異なります。
フラッシュメモリの使用用途
フラッシュメモリが使われている主な製品として、USBメモリやSSD、SDカードなどが挙げられます。SSDは、HDDなどと同じ記憶媒体ですが、HDDのようにディスクヘッドを用いてデータの読み書きは行わないため、HDDと比べSSDは処理が高速で、省電力、振動衝撃に強いのが特徴です。近年、ノートパソコンの内蔵ストレージとしてよく使われるようになってきています。
USBメモリは、USB端子がついていてUSBポートに接続することで、データの読み書きが行え、持ち運びが便利な外部ストレージです。SDカードは、カード型の記録媒体で、スマートフォンやデジタルカメラ、ゲーム機など様々な電子機器で使われています。
フラッシュメモリの原理
フラッシュメモリは、主にNAND型とNOR型の2つに分けられます。NAND型とNOR型では、基本的な記憶素子の構造は同一ですが、内部の配線が異なります。
配線の違いにより、NOR型とNAND型の特徴が異なります。
1. NOR型
NOR型は集積度が低くなりますがバイト単位でのアクセスが可能です。書き込みは遅いですがランダムアクセスは高速であるという特徴を持ちます。
2. NAND型
それに対してNAND型は、高集積化に向いており、書き込みが相対的に高速になります。アクセスはブロック単位で、ランダムアクセスは低速である特徴を持ちます。
NAND型フラッシュメモリはメモリセルを高密度に配置できるメリットを持っていますが、ビットエラーが発生しうるデメリットがあります。そのため、誤り訂正符号 (ECC:Error-Correction Code) 回路を搭載する必要があります。
誤り訂正符号とは、データの読み出し・書き込み時に付与される値です。読み出したデータが本当にフラッシュメモリに書き込まれた値かを誤り訂正符号の一致で確認します。
フラッシュメモリの種類
NAND型フラッシュメモリには、情報を記憶する単位であるセルの特徴で以下の種類に分類されます。
1. SLC NAND
セル当たりに1ビットの情報を保存することができるNAND型フラッシュメモリをSLC (シングルレベルセル) NANDと呼びます。耐久性が高い特徴を持つ一方で、容量が少ないデメリットがあります。
2. MLC NAND
セル当たりに2ビットの情報が保存できるNAND型フラッシュメモリをMLC (マルチレベルセル) NANDと呼びます。安価ではありますが、読み出しや書き込みの速度や耐久性はSLC NANDと比較して劣るデメリットがあります。
フラッシュメモリのその他情報
NAND型におけるデータの保存方法
フラッシュメモリにデータを保存する場合、記録する最小単位はセルと呼ばれます。NAND型フラッシュメモリのセルは、半導体上にトンネル参加絶縁膜とフローティングゲートが搭載した構造です。
フローティングゲートに電子を蓄えたり放出したりすることで、データを保存します。データを書き込んだり消したりする際に、電子がトンネル酸化膜を突き破り移動するため、トンネル酸化膜が劣化します。
このトンネル酸化膜が劣化してくると、正しくデータを記憶できずに寿命を迎えます。個々のセルの寿命の目安としては、書き込みと消去の回数が1,000~10,000回程度と言われています。