半固定抵抗器

半固定抵抗器とは

半固定抵抗器

半固定抵抗器は、抵抗値を変更することができる可変抵抗器の一種で、一度抵抗値を設定した後は長期間固定される抵抗器です。

電子機器内で回路の抵抗値を調節し、他の電子部品の個体差によるばらつきを調整する(トリムする)役割を持つことから、トリマ抵抗器またはトリマポテンショメータとも呼ばれます。

半固定抵抗器の抵抗値の調節は、ドライバでつまみを回転させて行います。上から回すタイプと横から回すタイプがあり、また単回転と多回転のつまみがあります。

半固定抵抗器の使用用途

半固定抵抗器は、通信機器、計測器、医療用機器、オーディオビジュアル機器、オフィス用事務機器、一般的な電子機器などさまざまな製品で、機器製造後のタイミング調整、温度調整、ディスプレイの明るさ調整などの用途に使われています。

通常は、一度設定した後はエンドユーザの目に触れることなく、固定抵抗器として動作しますが、メンテナンスの際に再調整が必要になることもあります。

半固定抵抗器は、回路基板の微調整に有効であることから、趣味の電子工作などでもよく使われます。 

半固定抵抗器の原理

半固定抵抗器の原理は単純です。抵抗体の両端の端子(1番端子と3番端子)に電圧をかけたとき、抵抗体上を移動する接点(摺動子またはワイパ)の物理的な位置によって、摺動子につながる2番端子と1番端子(または3番端子)との間の抵抗を変化させます。

半固定抵抗器には、大きい電圧を下げて必要な電圧を得る電圧調整の役割と、抵抗値を調整して電流値を変える電流調整の役割があります。

電圧調整に使うときは、半固定抵抗器を3端子素子として使用します。1番端子と3番端子の間に電圧をかけ、2番端子から分圧した電圧を取り出します。

電流調整の使うときは、半固定抵抗器を2端子素子のように使い、1番端子と2番端子の間に電圧をかけて電流を調整します。ただし、使用しない3番端子はオープンにせず、2番端子と接続するのが安全な使い方です。

半固定抵抗器の両端間の抵抗と全抵抗値と呼びます。全抵抗値が小さいと、可変範囲が狭くなります。一方、全抵抗値が大きいと、可変範囲が大きくなる反面、設定精度が甘くなります。一般的には、全抵抗の半分の可変範囲で調整ができるように、半固定抵抗器を選定します。 

参考文献
https://go.alpsalpine.jp/l/506151/2020-02-20/33dk7t
https://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=ideas-and-advice/trimmer-resistors-guide

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