ベルトヒーター

ベルトヒーターとは 

ベルトヒーターとは、加熱を目的としたベルト形状のヒーターであり、対象物の周囲を覆いながら加熱する装置です。

加熱対象物の形状に左右されず加熱が可能で、複雑な形状をしたものや直火での加熱が困難である物の加熱に使用されます。ベルトの材質により、人間の生活温度域から200℃前後までの加熱を得意とし、さまざまな分野で使用されているヒーターです。

電気を熱に変えて対象物を加温するため、電気さえあれば加熱することができます。他の道具もほとんど必要としないため、使用難易度が低く使いやすいヒーターです。

ベルトヒーターの使用用途

ベルトヒーターは、保温や加熱を目的とするさまざまな用途に用いられます。医療機器や健康器具、理化学機器など、使用用途の分野は非常に幅広いです。寒冷地の冬季では、水道管などの配管凍結防止目的でも使用されており、生活する上でも重要なヒーターです。

発熱時は面で均一に加熱できるため、解凍時など破損の原因となる局所的な温度変化を嫌う用途でも使用されます。ベルトヒーターを使用する際は、ベルト部分が切断、破損されないように、カッターのような鋭利な道具を近くで使用する際は十分に気を付けましょう。

特に、ベルトヒーターを取り外す際、ヒーターと加熱対象を固定している補助治具 (ヒモやラップ等) と一緒にベルト部分も破損させてしまうケースが多いです。また、ベルトヒーターがどのように取り付けられているのか、取り外しの際はしっかり確認しましょう。

ベルトヒーターの原理

電気を熱に変えて対象物を加熱するヒーターですが、電圧と電気容量でヒーターとしての性能がグレード分けされています。また、加熱部分となるベルトは、加熱対象物のさまざまな形状に追従するためにフレキシブル性を十分に確保していることが大事です。使用の際は、ベルトの稼働域以上の極端な形状変化を起こさせないように取り扱いましょう。

電気が流れるヒーター部分の回路が断裂してしまうと、加熱するところが局所的、又は加熱が止まってしまったり、不具合の原因にもなったりするので取り扱いの際には十分に注意が必要です。

ベルトヒーターの構造

ベルトヒーターは、加熱するための電源を取るリード線と加熱部分であるベルトの大きく2つの構成となっています。加熱部分に使用される材質によって、対応可能な温度域は異なります。

類似製品として、コードヒーターやテープヒーターと呼ばれる製品もありますが、加熱部分がベルト形状であるかその他かの違いであり、加熱原理や構造はほとんど同じです。使用目的に応じた形状を選択して使用することをおすすめします。

ベルトヒーターの選び方

1. 材質

シリコン系のゴム状材質を使うことが多いですが、加熱温度が高い領域では耐熱繊維 (ポリアミドやポリエステル等の耐熱性高分子繊維) を編み込んで作られたベルトも使用され、使用が想定される温度域によって材質はさまざまです。

形状の加熱対象にしっかりと追従することが大切であるため、剛直な材料をベルトの素材に使用するのは不向きです。その他、電気絶縁性や耐熱性、薬品耐性など、用途に応じて必要な耐性を持つ材質を必要に応じて選択する必要があります。

2. 形状

加熱対象となる物の大きさや形状によって、細いものから太いもの、短いものから長いものとさまざまな形状のベルトヒーターがマーケットに展開されています。また、小径の加熱対象物を覆うためには、ベルトの厚さが薄いものでないと上手く覆うことができません。

使用したい形状はどのようなものなのか、長さや対象物への追従性をしっかりと確認してベルトヒーターの形状を選択しましょう。 新規にベルトヒーターを導入する場合、使用用途に合わせたヒーター長、電圧/容量、リード線長を組み合わせて、ベストな選定、設計をすることが大切です。

場合によっては専門業者に依頼して、特注にてカスタム仕様のベルトヒーターを製作してもらうのも1つの手です。さまざまな材質や形状のベルトヒーターを用いて、加熱を少しでも効率的に行えるよう計画的な導入をおすすめします。

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