クーラントポンプとは
クーラントポンプとは、さまざまな産業用機械においてクーラント液や切削油などの液体を機械装置内で循環させるためのポンプです。
金属の切削加工機械では、クーラント液や切削油によって、切削部の冷却、潤滑、洗浄を行わなければなりません。また、車のエンジンでもエンジンで発生した熱を冷却するために、冷却水を循環させています。これら液体を循環させるのが、クーラントポンプです。
工作機械で使われるクーラントポンプは、本体部分を直接液面に沈めて使用することから、液体に対する耐久性に優れています。また、ポンプとしては比較的小型軽量で、耐環境性にも優れており、工場内で発生するミストなどにも強いという特徴もあります。
クーラントポンプの使用用途
クーラントポンプは主に、金属の切削加工を行う工作機械において使われています。具体的には旋盤、研削盤やフライス盤など、切削加工が行われる工作機械などです。
クーラント液は切削工具とワークの冷却、潤滑、洗浄を行った後に濾過して循環しなければなりません、そこでクーラントポンプは、洗浄装置 としても使用されています。
工作機械以外ではエンジンが挙げられます。自動車用のエンジンではウォーターポンプとも呼ばれていますが、エンジンで発生した熱をラジエーターで冷却するため、クーラントポンプがLLCと呼ばれるクーラント液を循環させています。
クーラントポンプの原理
一般的にポンプには、液体を吸い込む吸込能力と、吸い込んで取り入れた液体を目的とする場所まで押し出す吐出能力という2つの能力が求められます。
吸込能力は真空状態を作ることと大気の圧力を利用して生み出しており、吐出能力は液体に圧力を加えることによって作り出しています。この2つの能力を生み出すために、クーラントポンプには自吸型と浸漬型という構造があります。
1. 自吸型
自吸型は、ポンプと駆動部分のモーターが一体になっていることで、小型かつ軽量を実現しています。そのため、小型の工作機械などに組み込まれて用いられている場合が多いです。
2. 浸漬型
浸漬型は、ポンプと駆動部分のモーターが分離しており、ポンプを液面に直接沈めて用います。切削加工などで使用される旋盤、研削盤やフライス盤などで使用されています。
クーラントポンプのその他情報
クーラントポンプの内部リリーフ
ポンプは液体を供給、循環させるために、液体の循環経路は全て密閉されていることが基本です。しかし、クーラントポンプには、ノンシール構造と呼ばれるものがあります。
ノンシール構造とは、あえてメカニカルシールを用いず、微小な隙間から内部の液を流出させ、圧力が減少したことで内部リリーフしている構造です。シール部品が無いことで、部品代や組み立てコストも抑えることができます。
参考文献
https://www.teral.net/products/search/type?kishu=549620
https://www.teral.net/classification/coolant_pump/
https://www.goo-net.com/pit/magazine/30111.html
https://www.hitachi-ies.co.jp/products/pump/other/coolant/index.htm
https://www.monotaro.com/s/c-22683/
https://faq.teral.net/
https://www.mohno-pump.co.jp/learning/manabiya/a2.html