真空装置とは
真空装置とは、ある動力を用いて真空を作り出す機器のことです。
真空装置には大きく分けてエジェクター、真空ポンプ、真空ブロワの三種類が存在します。それぞれ用途によって使い分けます。真空の用途として、吸着パッドによる吸着・系内を減圧することによる脱気が大きな項目として挙げられます。
真空装置の中でもエジェクターは原動力をエアーとすることで危険物使用区域でも使用できる、非常に有用な機器となります。一方で真空ポンプや真空ブロワは電動のため効率よく真空をつくることができます。
真空装置の使用用途
真空状態の用途として、吸着パッドによる吸着が挙げられます。これはロボットなどで搬送する際にワークを吸着させて持ち上げるのに使用します。
また、系内を減圧することによる脱気にも使用されます。酸化しやすい物質に対して、空気 (酸素) を取り除くことで酸化を防ぎます。また混合液や薬品などから不要な水分を蒸発させることで液体を分離させたり濃縮させたりすることも可能です。
真空装置の中でもエジェクターはエアーを用いているため、小型でシンプルなところから安価に真空発生したい場合に用いられます。真空ポンプは高い真空度を得るのに、真空ブロワは通気性のあるワークの吸着に用いられます。
真空装置の原理
エジェクターはベンチュリ―効果を用いて真空発生させます。エジェクター内は部分的に絞られた構造で駆動流体であるエアーが通ると高速で通り抜けます。高速で通り抜けたところは部分的に真空になります。このような原理のため、駆動源は流体を用い、多様性があります。蒸気・空気・水・など様々な流体を使用できます。
真空ポンプはモーターの回転によりベーンが回り、ケーシング内の気体を密封しながら排出します。連続的に気体の排出を行い、動力としてモーターを使用できるため、高い真空度や排気速度を達成することができます。沸点を下げるための減圧機器としても用いられています。
真空ブロワはモーターを回すことで内蔵された羽を回転させます。羽が回転することで気体を取り込みます。気体を引き込むことで気体を圧縮して真空状態にします。吸い込み量が大きいことが特徴です。ただし、原理上吸着させるワークに通気性がある方が効率よく使用することができます。
真空装置の構造
真空装置には装置によって異なる機能を持っていますが共通するユニットとしては真空ポンプ(エジェクター、真空ブロア)、真空チャンバ、真空バルブ、真空計で構成されています。
1. 真空ポンプ
真空ポンプとは、真空チャンバな内の空気を外へ放出し残った大気圧以下の低圧すなわち真空を保持するために機械です。またどの程度の真空圧を必要とするか、また排気する気体の成分によって使用する真空ポンプの種類が異なります。真空ポンプの中で最も一般的なのは、ロータリーポンプと呼ばれるもので排気量や圧力の上限、コスト面で優れています。
2. 真空チャンバ
真空チャンバは真空の状態を作り出すための容器です。真空チャンバは真空ポンプによって空気を排出するため容器内の圧力が低下します。低下した場合、真空チャンバ内の気圧より外気圧のほうが大きくなるため、外側から圧力を受けることになります。そのため、発生した圧力に真空チャンバ自身が耐えられなくなると形状を保つことができなくなるので真空チャンバを選定する際は強度に注意しなければなりません。
3. 真空バルブ
真空バルブは、真空チャンバと真空ポンプの間に生じる、異なる圧力を遮断するユニットです。真空バルブにはゲートバブルやL形バルブ、ストレートバブルなどの種類があり、圧力によって使用する真空バルブを分ける必要があります。
4. 真空計
真空計は真空チャンバ内の圧力を計測する機器です。真空計は種類によって計測できる圧力の大きさが異なるため、使用する真空装置の圧力に見合った真空計を使用する必要があります。
参考文献
http://www.hokuto-mfg.com/product/item04.html
http://www.schmalz.co.jp/products/vacuum-components/vacuum-generators/ejector.html
http://www.schmalz.co.jp/products/vacuum-components/vacuum-generators/vacuum-pump.html
http://www.schmalz.co.jp/products/vacuum-components/vacuum-generators/vacuum-blower.html