ウレタン断熱材

ウレタン断熱材とは

ウレタン断熱材

ウレタン断熱材とは、ポリウレタン樹脂を主成分とした断熱材です。

ウレタン断熱材は、ポリウレタン樹脂をフォーミング (発泡) したもので、その内部には多数の独立した気泡が形成されています。この各々の気泡内には、熱を伝えにくいガスが封入されていることから、高い断熱性を持ちます。

ウレタン断熱材の使用用途

ウレタン断熱材は様々な建築物に用いられており、高い断熱性だけでなく、防音効果も持ち合わせているため、防音材としても好適です。

このことから、農業や畜産の施設の屋根・壁・天井、高温かつ長時間乾燥を必要とするたばこ乾燥の恒温室などでも使用されています。そのほか、船舶、プラントや家具などにも使用されています。

ウレタン断熱材の原理

ウレタン断熱材の原料であるポリウレタン樹脂においては、原料のポリイソシアネートとポリオールがウレタン結合し、高分子となります。ウレタン断熱材では、発泡剤を添加しており、イソシアネートとポリオールの反応熱熱により発泡剤が気化して独立した小さな泡を多数作ります。

そして、この各泡に発泡剤由来のガスが充填されるため、高い断熱効果を得ることが可能です。また、ガスが充填された気泡が多数あることから音を吸収する効果も高く、防音効果も得られます。

ウレタン断熱材のその他情報

1. ウレタン断熱材のメリット

ウレタン断熱材のメリットは、自己接着力に富み、発泡状の素材であることから施工部分の凹凸部分などの複雑な形状や構造物に対しても隙間なく入り込み、断熱層を形成することです。また、劣化が少なく、初期の断熱性能と経年劣化後の断熱性能の差が小さいのもメリットで、古い状態になっても断熱効果を保持します。

ウレタン断熱材は高い防水性も持ちます。これは、ウレタン断熱材内部の気泡はおのおの独立している構造であり、ウレタン断熱材内部に水分を通しにくいからです。このため、ウレタン断熱材は水に濡れても断熱効果が低下しません。

2. ウレタン断熱材のデメリット

ウレタン断熱材の最大のデメリットは高価格なことです。断熱材としては、ウレタン断熱材のような発泡系断熱材のほか、グラスウールのような繊維系断熱材があります。ウレタン断熱材の価格は、吹付けタイプで1㎡あたり1,900円から2,700円程度、天井だと1㎡あたり3,000円から4,000円程度で、グラスウールの2倍以上の価格です。

ウレタン断熱材は自己接着性が高く隙間なく施工されていることから、一度施工してしまうと剥離が困難という点もデメリットとして挙げられます。さらに、剥離をおこなった後の復元にもコストがかかります。

3. ウレタン断熱材と火災の関係性

ウレタン断熱材には防火性能が低いという性質があるため、近年では燃えにくい基準をクリアした断熱材を施工することが定められています。「発泡ウレタン断熱材が燃えやすい」という面はありますが、「発泡ウレタン断熱材が火災の原因になる」のは非常に稀です。

実際の火災例では、ウレタン断熱材からの火災は施工現場で起こることがほとんどです。建築、リフォーム、解体などの際に、さまざまな作業者の出入りする際、ウレタン断熱材の作業中にもかかわらず、火花や溶接バーナーを使用したため引火した例もあります。

ウレタン断熱材が関わる火災を未然に防ぐためには住む人だけでなく、現場でのしっかりした注意喚起が必要です。「断熱材であり耐熱材ではない」「難燃性でも燃える」など、正しい知識をもち安全に扱いましょう。

参考文献
http://www.jufa-urethane.org/koshitsu_polyurethanefoam/primary_use/
http://www.urethane-jp.org/qa/koushitsu/k-1.htm
https://myhome-juku.com/dannetsu-hapouuretan/
https://gaihekitosou-hotline.com/urethane-dannnetsuzai/

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