樹脂ナットとは
樹脂ナットとは、一般的な金属製のナットとは異なり、樹脂で成型加工されたナットです。
ナット (英: nut) とは、ボルトやねじなどと共に使用し、機械の固定や組み立ての際に使用する部品です。中心の穴にねじが切ってあり、ボルトが雄ねじと呼ばれるのに対し、ナットのねじは雌ねじと呼ばれます。
樹脂は通常軽量であるため、樹脂ナットも軽量です。これにより、重量を軽減する必要がある場所や振動が問題となる場所で使用されることがあります。一般的に電気絶縁性も高く、絶縁必要場所などで使用されることも多いです。
ただし、樹脂は金属よりも脆弱で耐久性が低いことが多くあります。そのため、高い力がかかる締結や固定に使用する場合は注意が必要です。
樹脂ナットの使用用途
樹脂ナットはその特性を活かして、さまざまな用途で使用されています。以下は樹脂ナットの使用用途一例です。
1. 電子機器
樹脂ナットは、電子機器や電気配線系統で使用されることがあります。金属ナットと比較して絶縁性が高いため、電子部品や配線を固定する際に使用される場合が多いです。
具体的には、コンピュータや家電製品などの内部組み立てです。金属ナットを使用すると短絡故障などが発生する可能性があるため、電気的な絶縁が重要な場所では樹脂ナットが有利となります。
2. 家具
家庭用具や家具の組み立てに使用されます。金属ナットよりも軽量でありながら十分な固定力があるため、DIYや家庭用品の製造に使用されることが多いです。家具の脚や取っ手、家庭用の小さな組み立て部品などに使用されることがあります。
3. 屋外照明
樹脂ナットは耐食性があり、屋外環境で使用される照明などの組み立てに有利です。金属ナットは腐食の可能性があるため、屋外環境での使用には不向きな場合があります。したがって、耐食性が求められる場所で使用されることがあります。
4. プラスチック製品
プラスチック部品同士を固定する際、金属ナットはプラスチックを傷つけるため注意が必要です。樹脂ナットはプラスチック部品を傷つけにくいため、特にプラスチック製の筐体やカバーなどの組み立てに使用されます。
樹脂ナットの特徴
樹脂ナットは樹脂材料を利用して、ボルトやねじと一緒に固定部品として使用されます。主な特徴は絶縁性と軽量性です。樹脂ナットは一般的な金属ナットとは異なり、電気を絶縁する性質を持ちます。
これにより、電気的な絶縁が必要な場所で使用される場合が多く、電子機器の内部組み立てなどがその一例です。また、軽量であるため、重量を軽減する必要がある場所や軽量機器の組み立てに適しています。金属よりも柔軟で、振動を吸収する能力が高い点も特徴の1つです。
樹脂ナットの種類
樹脂ナットは、さまざまな種類の樹脂材料から製造されます。以下は代表的な樹脂ナットの種類です。
1. ポリプロピレンナット
ポリプロピレンは軽量で耐薬品性に優れており、低い密度を持つため軽量構造に有利です。一般的に屋外の使用や湿度の多い環境にも耐える能力があります。家庭用品などで使用されることがあります。
2. ナイロンナット
ナイロンナットは、一般的な樹脂ナットの1つです。ナイロン製のナットは耐久性や耐薬品性、耐振動性などの特性を持ち、多くの場面で使用されています。絶縁性が求められる場面や、軽量な組み立てなどで有利です。
3. ポリカーボネートナット
ポリカーボネートは透明性が高く、高い耐衝撃性と耐熱性を持つ樹脂です。透明な部品や照明用途などに使用されることがあります。
4. ポリエチレンナット
ポリエチレンナットは耐久性と耐薬品性に優れており、化学的な腐食や腐敗に対して抵抗力があります。屋外や、化学物質の存在する環境において使用されることが多いです。
5. ポリ塩化ビニルナット
絶縁性や耐薬品性に優れたナットです。加工が容易かつ安価であるという利点森ます。ただし、高温や高負荷の環境では耐久性に限界があるため、強度の面で注意が必要です。
参考文献
https://wilco.jp/products/nut/resin/
https://www.monotaro.com/s/c-109008/
https://www.sanyu-seiki.com/product/plasticbis.html