すべり軸受

すべり軸受とは

すべり軸受

すべり軸受(別名:平軸受、スライドベアリング)とは、回転軸を支持し、より滑らかに回転することを助ける部品である軸受のうち、直接軸と面で接するもののことをいいます。構造が単純かつ小型で、高速回転や荷重への耐性にも優れています。

代表的な軸受のうち、他には転がり軸受とよばれる部品が存在しますが、こちらは軸受の内に玉やころと呼ばれる丸棒が備わっています。玉やころの転がりによって摩擦の抵抗を低減するという仕組みとなっています。

すべり軸受の使用用途

軸受は、車輪や歯車、タービンなどを取り付け、回転している軸を支持するために使用されます。

中でもすべり軸受は、自動車・船舶・機械などのエンジン用の軸受としてよく使われています。理由としては、玉やころを含む転がり軸受に比べて機械的接触が少ないため運転音が静かで、許容荷重が大きく、構造が簡単であることなどが挙げられます。また、潤滑や手入れを行うことで半永久的に使い続けることができる寿命の長さをも併せ持っています。

すべり軸受の原理

すべり軸受と軸の間には潤滑油による油膜が張られています。この潤滑油が、以下2種類の圧力を生じさせることによって軸を支えています。

  • くさび油膜圧力
    潤滑油が、回転している軸と軸受の間に生じるくさび型の隙間に連れ込まれることによって油膜圧力が生じ、軸の回転と荷重を支え、摩耗を防止しています。これをくさび油膜圧力といいます。
  • しぼり油膜圧力
    また、軸が半径方向に移動し、軸と軸受の間が急激に狭くなると、粘性により潤滑油が逃げ出すことができず、油の中に圧力が生じます。これをしぼり油膜圧力と言います。

潤滑には主にオイルが使用されますが、構造の簡素化を理由にグリースが用いられるものや、無潤滑な製品も存在しています。

すべり軸受には、潤滑剤が連れ込まれる隙間が狭くなるため熱が生じてしまいやすい分、焼きつかない材質で作ることが最も重要となります。またその中でも、摩擦や摩耗の少なさ、疲れ強さ、耐食性の高さなどと勘案しながら製品を選択する必要があります。

 

参考文献
https://www.jbia.or.jp
https://www.monotaro.com/s/pages/productinfo/bearing_comparison/
https://www.sumico.co.jp/qa/qa_u_bg_j.html
https://www.jsa.or.jp/datas/media/10000/md_2554.pdf
http://www.jalos.jp/jalos/qa/articles/012-S34.htm

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