ラジアスゲージとは
ラジアスゲージはワークの隅R(半径の丸み)を検査する検査機器です。
ゲージ先端Rをワークの測定部に沿わせることで、基準のR寸法に出来上がっているかを確認します。
ゲージと該当部を比較し、目視等での確認になるため、測定値は出力できません。測定値が必要な場合は、輪郭形状測定機等で形状測定を行い、該当部形状の測定・解析を行うことで測定値を出力することができますが、ラジアスゲージの方が作業時間が短く、安価に確認することができます。
ラジアスゲージの使用用途
ワークの隅R寸法を比較的手軽に確認することができます。
例えば、旋削加工において、1本の軸に複数の外径面を有し、各外径面のつなぎ目にR面が有る場合、該当部の加工を終えた後、ワークを取り外す前に、規定のR面に沿っているかを確認することができます。
その他、すでに設置されているパイプ等、被検査物を移動させることができなく、比較的入り組んだ内部にある場合でも、ゲージを沿わせることで、該当の外径R寸法がどの程度であるか確認することができます。
ラジアスゲージの原理
ラジアスゲージは薄膜プレートの先端に所定のR形状が成形されています。R形状は凸形状と凹形状、および様々な寸法があります。該当寸法がプレートに表示されています。
先端のR形状を、ワークの測定部に沿わせることで、規定のR寸法に成っているかが確認可能です。
場合によっては、ブリューペースト等のすり合わせ材を使用し、ゲージとワークの合致具合を確認することもあります。ただし、検査後にすり合わせ材を除去する必要の有無、及びブリューペーストの塗布加減(ペーストの膜厚)で確認結果にばらつきが生じることがあるので、実施には必要性の検討と標準作業ルール化の検討が必要です。
ゲージと比較測定をするため、ゲージに表示されている所定のR寸法確認が必要で、同一ゲージを何度も使用することで、ゲージの摩耗や変形が無いかを確認したうえでの検査が必要です。ブリューペーストを使用する際は、未使用時より摩耗が早いことにも注意が必要です。
輪郭形状測定機は精度よく、測定値も出力可能ですが、ラジアルゲージは形状が非常にシンプルで、使用方法も簡単なので、どのような結果が必要であるかを検討したうえでの使用が望ましいです。
参考文献
https://www.fujitool.co.jp/products/measuring_tools.html
https://www.fujitool.co.jp/pdf/products/catalogue-1.pdf
https://www.fujitool.co.jp/pdf/products/catalogue-2N.pdf
https://www.shinwasokutei.co.jp/products/73767/
https://www.shinwasokutei.co.jp/products/73768/
https://www.orange-book.com/ja/c/search/result.html?category=&q=%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%82%B8