導通検査機とは
各種ケーブルやハーネス、コネクタを導通試験機に接続し、ケーブル等がその両端のピン位置において電気的に期待通り接続されていることを短時間で自動的にテストすることができる試験機のことを導通試験機と呼んでいます。
一般的に比較的コンパクトな筐体に納まっており、前面にはLCDパネル、試験結果を表示するランプに加えスタートボタン、試験項目等を設定するボタンなどから構成されています。
背面には接続するケーブル用のコネクタ端子が複数並べられています。試験結果をプリンタに印刷することができる試験機もあります。
他方で、テスターも導通検査機と言うことも可能ですが、ここでは前述のタイプの検査機について説明します。
導通検査機の使用用途
導通検査機は事前の準備を容易にするためにPCから制御可能なタイプもあります。PCから試験項目および試験内容を詳細に設定し、制御を行うことにより、全体の試験時間の短縮化を図ります。
また試験対象となるケーブルやハーネス、コネクタは100ピン以上のものを一気にテストできるタイプもそろっています。
導通検査機は、端子間に比較的小さな電圧をかけ電流を流すことにより両端子間がケーブルおよびコネクタを含め正しく配線されていることをテストします。
導通検査機の原理
導通検査機は前述の導通試験に加え、耐圧試験、絶縁抵抗試験、瞬間断線試験などの機能を有するタイプもあります。
耐圧試験は異なる端子間に降圧を印加して端子間でスパークなどの発生がないかを確認することで端子間の絶縁状態をチェックします。
絶縁抵抗試験では端子間の絶縁抵抗値がケーブルやコネクタで定める仕様を満足しているかを確認します。
瞬間断線試験では、通常の導通試験ではケーブルおよびコネクタを特定の場所に置いた状態で試験します。従って、コネクタ内のピンのはんだ付け不良やケーブルが部分的に切れかかった状態でも問題なしと判断されてしまう可能性があります。
このため、ケーブルやコネクタに振動を加えたりしながら試験を行うことにより瞬間的な断線などを見つけ出すことが可能となります。これを瞬間断線試験と呼んでいます。
以上の説明の通り、導通検査機によっては導通試験に加え、耐圧試験、絶縁抵抗試験、瞬間断線試験を組み合わせこれらの試験を順次自動的に行うためにPC側でプログラムを設定します。
PCで設定した試験手順を機器側に送り込み、設定完了後、被測定対象のケーブルおよびコネクタ等を導通検査機に接続し順次試験を繰り返すという使い方をします。
参考文献
https://ushiyama.co.jp/shop/user_data/wp
https://www.monotaro.com/p/7609/6946/
http://www.nextcorp.co.jp/original/download.html
http://www.nextcorp.co.jp/original/pdf/MTP-1000W190214.pdf