RFフィルタ

RFフィルタとは

フィルタとは、周波数を弁別して必要な周波数帯域の信号のみ通過させて、それ以外の信号を阻止する働きの素子もしくは回路を言いローパスフィルタ(LPF)、バンドパスフィルタ(BPF)、ハイパスフィルタ(HPF)に分類されます。

RFフィルタとはRadio Frequency:高周波を用いた放送波や無線通信信号のためのフィルタです。

地上デジタル放送の場合、80~800MHzの周波数帯の信号が使用されます。スマートフォンなどの携帯電話の場合800~3500MHzの周波数帯の信号が使用されます。従って、RFフィルタはの使用例としては、これらの放送や通信の周波数帯以外の信号が混入されてきた場合にこれを阻止するためなどに使われます。

RFフィルタの使用用途

放送や通信で使用する周波数は国の有限な資産として位置づけられており、これらを有効に活用するために夫々のサービスでは使用する周波数帯が取り決められています。

夫々のサービス間で干渉したりして、互いのサービスに悪影響を与えないような対応が必要です。この様な目的からRFフィルタは有効な手段となります。

例えば地上デジタル放送を受信する場合に使用されるRFフィルタはがあります。80~800MHzの放送電波のみを通し、この範囲以外の電波を遮断する目的で使用されます。

アンテナケーブルと同等な太さとコンパクトなイサイズで、アンテナケーブルに縦続接続して取り付けて使用するRFフィルタが販売されています。

RFフィルタの原理

RFフィルタは、前述のようにテレビ受信用や携帯電話用、更にその他、産業用機器などにおいても使用されています。

テレビの放送周波数は80~800MHzである一方、携帯電話の通信周波数は、その上側である800~3500MHzを使用しています。基本的に両者で使用している周波数帯は、分離されていますので、問題が起きることはないはずです。

しかし、何らかのトラブルや機器設計上の問題で例えば、携帯電話の内部回路で扱う周波数がテレビの周波数帯まで踏み込んできた場合にテレビ側の映像や音声にノイズとして影響を及ぼす可能性がありえます。

この様な際にテレビ側に自身の放送周波数帯の信号のみを通過させるRFフィルタを挿入しておくことにより対策が可能です。

テレビを一般家庭で視聴する場合にはここまでの対応は不要かもしれませんが、業務用途でテレビを使用する場合に視聴途中でノイズの混入によるトラブルを回避するためには安全策としては十分に考えられます。

産業用機器の場合、民生用機器以上に精度の高い動作が要求され誤動作の原因となりうる不要な電波の受信は可能な限り排除する必要があります。

特殊な例で言うと半導体製造装置などでは、その製品の特性から13.6MHz、27.1MHz、
40.7MHz付近の周波数帯の信号のみを通過させるためのRFフィルタが使用されます。

この様な理由から多様なRFフィルタが用意されています。特定の周波数帯のみを取り出すことのできるタイプ、取り出すことのできる周波数帯を設定により変更することができるタイプなどもあります。

参考文献

https://corporate.murata.com/ja-jp/about/newsroom/techmag/metamorphosis20/productsmarket/ihp-saw
https://www.globetech.co.jp/products/import/rf-filter/
https://www.pasternack.jp/rf-%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%82%BF-category.aspx
https://www.st.com/ja/emi-filtering-and-signal-conditioning/rf-filters.html
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/review/1225018.html

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