3D形状測定機

3D形状測定機とは3D形状測定機

3D形状測定機とは、表面形状をサブミクロンレベルで測定することができる機器です。

サブミクロンとは、ミクロン以下のレベルであり、ミクロンは1mmの1/1,000の大きさをいいます。3D形状測定機では、部品の形状を三次元でとらえて、さまざまな測定を行うことが可能です。

電子部品の基板や半導体などの表面粗さや高さ、厚みの測定などにも使用されます。高速、高分解能、高精度であることが特徴です。

また、3D形状測定機には設置方法や測定方式によって、さまざまな種類があります。設置方法では据え置き型、ポータブルタイプ、測定方法では接触型、非接触型、レーザートラッカー、レイアウトマシンなどがあります。

3D形状測定機の使用用途

3D形状測定機の使用用途は以下の通りです。

1. 線粗さ測定

3D形状測定機では、触針式の表面粗さ計と同様に、Ra, Rzなどの代表的な表面粗さのパラメータを測定することができます。

2. 面粗さ測定

3D形状測定機では面全体を測定することによって、うねりや面と面との段差などを高精度で測定可能です。具体例として、ワッシャーうねり評価、ブロックゲージ段差測定が挙げられます。

3. 平面測定

2点間の距離、直線、円心間の距離、その他さまざまな平面測定に使用されます。医療機器、考古学、成形、時計産業などあらゆる業界で使用されています。

3D形状測定機の原理

多くの3D形状測定機は、白色干渉方式を採用しています。白色干渉方式は、白色干渉計を使用した測定方式です。光の干渉とは、対象物表面からある点までの光の距離に差が生じることによって発生する現象です。光干渉計はこの現象を利用して、表面の凹凸の状態などを測定するのに用いられています。

光の干渉によって、試料表面の凹凸から発生する光路差により縞模様が出現します。この縞模様の本数が、試料表面の凹凸高さを表します。実際には干渉レンズと呼ばれる参照ミラーを内蔵した対物レンズを使用し、白色光を参照ミラーと対物レンズに照射し、対物レンズを上下に動かしながら、カメラで干渉信号を観察します。

また、高感度CMOSを搭載しているものもあります。CMOSとはレンズから入った光を電気信号に変換する半導体のことです。CMOSを用いた固体撮像素子により、形状と同時に外観写真を取り込むことができ、表面観察と測定が同時に行えます。解析内容は3Dモデルのようなデータ化し、CADで見ることができます。

3D形状測定機のその他情報

1. 3D形状測定機の機能

現在市販されている3D形状測定機には最新の技術が使われ、従来では不可能であった測定も自在にできるようになりました。仮想の原点から特定の点の3次元の座標は、ノギスマイクロメーターといった一般的な測定器では難しいとされています。

また、仮想点や仮想線を用いた測定や幾何公差も、他の測定機では測定することが到底困難ですが、3D形状測定機なら測定が可能です。最近では、試作品の形状を3次元で読み取り、それを3Dプリンターを用いて3次元のオブジェクトを作ることによって、実物と同じ要領で形状の確認も行えます。

2. 3D形状測定機の課題と解決策

3D形状測定機の高精度な測定技術や測定データの処理速が向上したことによって、測定作業の効率が飛躍的に改善されましたが、その一方で下記のような課題もあります。

  • 導入するための費用が高い
  • 設置スペースが広く、メンテナンスに負担がかかる
  • 3D形状測定機そのもののサイズに制限があることによって、測定できる対象物のサイズも制限されてしまう

これらの課題を解決すべく現れたのが、多関節アーム式の3D形状測定機です。本来は義手、義足のメーカー向けに開発された技術を用いて、運搬可能な3D形状測定機が使われるようになりました。

測定者の意のままにアームを動かすことが可能になったことによって、測定できる範囲がさらに広がりました。また、レーザーを用いて測定を行う非接触型が導入されたことによって、大型の対象物を測定も可能です。

参考文献
https://www.nidec-read.com/ja-JP/product/image_testing/nvr-e2000
http://www.3s-dc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2016/11/VR-3000_C_250071_JA_1096-1-1.pdf
https://www.keyence.co.jp/ss/3dprofiler/keijou/3d/info/
https://www.keyence.co.jp/ss/3dprofiler/keijou/3d/info/

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