キオスクプリンターとは
キオスクプリンターとは、キオスク端末を始めとした機械に組み込まれていて運用される業務専用プリンターのことです。
キオスク端末とはコンビニなどに設置されている利用者がタッチパネルやテンキーを操作しながら、セルフサービスでチケットなどを購入する機械です。キオスクプリンターの範囲には曖昧な部分があり、キオスク端末に組み込まれているプリンターのみがキオスクプリンターというわけではなく、一般的にはキオスク端末として扱われない産業機器も含む場合があります。
iPadのような汎用のPDAに特定業務専用のアプリケーションソフトウエアを載せて、セルフサービス機として扱う場合もPDAはキオスク端末の範疇とされ、付属の外付けプリンターをキオスクプリンターと呼ぶ場合もあります。
ここでは、特定の用途を持って使われる情報処理機械の中に格納されて、その業務のために使われる機械組み込み型の印刷装置にを中心に説明します。
キオスクプリンターの使用用途
社会の自動化、省力化の浸透と共に、利用者がセルフサービスでチケットの購入や受付処理をするキオスク端末は多種多様になりました。それに対応してキオスクプリンターの使用用途も対象物も多種多様になってきています。
代表的な例では、コンビニに設置してあるキオスク端末です。映画やコンサートのチケット、高速バスのチケット等を発券するほか、各種入金処理に適応した領収書などを発行します。空港に設置してある自動チェックイン機では搭乗券、病院の再診受付機からは受診票が印刷されます。広義の意味でのキオスク端末と言える銀行のATMにもキオスクプリンターが使われて、預金残高、入金/出金控え、振込控えなどが印刷されます。
情報機器に組み込まれて一体運用されるという意味では、商品のラベルを発光する機械に組み込まれているプリンターもキオスクプリンターに含まれます。
キオスクプリンターの原理
プリント方式は熱転写式が主であり、ロール形状の熱転写紙を取り付けるホルダーと、印刷した紙を切断するカッターを併せ持っています。キオスク端末の中にあるコンピュータとはUSBまたはLANケーブルを使って通信します。
キオスクプリンターは親機の位置づけにあるキオスク端末などの装置から送られてくる信号に従って印刷を行うため、利用者が直接触れるインターフェースはありません。通信ポートは殆どの機種がUSBやLAN (RJ45) コネクタなどを持っています。その一方で、古い産業用機械との利用も想定して、RS-232C規格のシリアル伝送ポートを備えたプリンターも数多くあります。
駐車券の発行機のように、店の従業員が近くにいない現場での使用も想定されるため、印字中のトラブルを発生させないための対策が施されています。例えば、印刷中に利用者が紙を引っ張ったり、押さえつけたりした場合に対応したシーケンスが組み込まれている機械があります。
さらに、印刷物を利用者が受け取らないで去っていった場合を想定して、一定時間の間に印刷物が受け取られなかった場合に、自動的に印刷物を回収するシーケンスと機構を設けたものもあります。
キオスクプリンターの構造
キオスクプリンターは装置の中に組み込まれて使用することを前提に作られているため、オフィスや家庭で使う汎用プリンターと違って見栄えを良くする外装はなく、金属ケースに覆われています。そして、ラックに取り付けるための金具等が付いています。
1. 印刷方式
印字方式は熱転写式が多く採用されています。熱転写方式では、印刷用のインクを使わいので、インクの補充の手間がかからないのが最大の利点です。その他には、駐車券の発券機のように厚紙を利用するプリンターなどではドッドインパクト式が利用されています。
2. プリント用紙
プリント用紙は、交換の頻度を減らし、交換時の手間を減らすためにロール紙が使われることが多く、プリンター後部の外側にホルダーがあって、長尺のロール紙をセットできるような形になっています。キオスクプリンターで使用できる用紙には、熱感応紙や厚紙の他、ラベル用紙、ライナーレス (ラベルの下紙が無い) ラベル用紙などがあります。
3. 排出口
印刷物はプリンターの排出口から出てきますが、排出口は組み込んだ装置の印刷物取り出し口と一体化していることが多く、その部分だけが利用者が直接目にする部分となります。
プリンターによっては排出口にLEDライトが付いていて、プリント物が出てくる際に点灯して、利用者に知らせるものもあります。また、排出口の直前にはオートカッターが設けられていて、印刷が終了すると同時に紙を自動で切断して、利用者が簡単に印刷物を受け取れるようになっています。