ケーブルロケーター

ケーブルロケーターとは

ケーブルロケーターとは、地中や壁面内に埋設されたケーブルの位置を三次元的に探索できる装置です。

地面の上や壁の外側からケーブルの位置を探索できるため、不必要な開削工事を必要としません。工事の前の検査やケーブルの破損箇所を調べるのが主な利用方法です。ケーブルロケーターは、主に送信機と受信機により構成されています。

地中や壁面内に埋設されているケーブルの位置を非接触で探索する際には、送信機から磁界を発生させ、この磁界によってケーブルに発生する二次磁界を受信機で検出して位置や深さを三次元的に検出します。

ケーブルロケーターの使用用途

ケーブルロケーターは、以下のような用途で使用されています。

1. ケーブルの探索

ケーブルロケーターは、例えば掘削工事を安全におこなうために、地中の埋設物の位置と深さを確認するのに利用されています。ただし、地中の金属の二次磁界を検出するため、ケーブルのように金属を含むものしか検出できません。また、二次磁界の変化を検出してケーブルの故障や断線箇所を特定するのにも利用されています。

探索するケーブルは、電力ケーブルおよび通信ケーブルが挙げられます。高圧および低圧の電力ケーブルの探知は、送電網の整備や保守、故障対応などの点から非常に重要です。また、電話線や同軸線、LANケーブルなど通信ケーブルの探知は、通信網の整備や保守、故障対応などに欠かせません。

2. 水道管やガス管の探索

ケーブルロケーターは金属を含むものであれば、探索可能なため金属製の水道管やガス管の探知にも使用されています。水道管やガス管の位置や深度、漏水箇所などを調べるのに使用され、配管網の整備や保守、漏水対応などに非常に役立っています。

ケーブルロケーターの原理

ケーブルロケーターは、電磁誘導法を利用した装置です。電流や磁界を発生させる送信機と磁界の変化を受信する受信機よりなります。いずれも埋設されたケーブルに磁界を起こして、受信機で受信して位置や深さを検出しています。埋設されたケーブルに磁界を生じさせる方法は、直接電流を流す方法である「直接法」と非接触で磁界を加え二次磁界を発生させる「間接法」です。

1. 直接法

直接法は、埋設されているケーブルの一部が露出している場合に使用される方法です。この方法は、埋設物の種類や位置がある程度分かっている場合に適しています。

2. 間接法

間接法は、埋設されているケーブルの露出がなく直接接続が困難な場合や埋設物の種類や位置が分からない場合に適しています。また、ケーブルロケーターは金属を含む水道管やガス管の探索にも使用可能です。この場合も「直接法」および「間接法」で探索できます。

ケーブルロケーターのその他情報

ケーブルロケーターの使い方

ケーブルロケーターを使う方法は、その機種や送信方法によって異なりますが、一般的には以下の手順です。

    1. 送信機と受信機の電源を入れて、バッテリーの残量や動作状態を確認します。
    2. 送信機を地上に設置し、送信周波数と出力を選択します。予め目的の管やケーブルの大体の埋設位置が分かっている場合には、なるべく近くに送信機を置いて下さい。なお、周波数は埋設物の種類や深さ、周囲の環境などに応じて適切な周波数を選択します。一般的には、周波数が高いほど磁界は強くなりますが、減衰も早くなります。周波数が低いほど磁界は弱くなりますが、減衰も遅くなります。この周波数の特性も考慮した周波数の選択が必要です。
    3. 受信機の電源を入れ、送信機と同じ周波数に合わせます。受信機は、一般的に液晶表示器や音声信号で受信感度や埋設物の方向を示すような設計です。
    4. 受信機を持って、送信機から離れながら埋設物の上を歩きます。受信感度が最大になる位置が埋設物の位置です。この位置をマーキングします。
  1. 埋設物の位置が特定されたら、受信機の深度測定ボタンを押して、次は埋設物の深さの測定です。深さは、液晶表示器に表示されます。
  2. 埋設物の位置と深さを測定したら送信機と受信機の電源を切り、作業は終了です。

参考文献
https://www.takachiho-sc.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/MPL-H11S_manual.pdf
https://www.espar.org/products/product7
https://www.techeyesonline.com/glossary/detail/%E3%83%AD%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC/#:~:text=%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E4%BD%8D%E7%BD%AE%E6%B8%AC%E5%AE%9A%E5%99%A8,%E7%89%B9%E5%AE%9A%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%82%E3%81%AE%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E6%84%8F%E5%91%B3%E3%80%82
https://www.eg.aktio.co.jp/wp-content/uploads/R3D50000_PL-G_tori.pdf

カテゴリー
製造業マーケティングガイド

【事例紹介】株式会社オプトン様

 

Webマーケティングに対して反対意見が多かった社内を説得し、掲載した結果ホームページ流入率10%アップに繋がった

 

株式会社オプトンは、創業62年の歴史を持つ企業で、パイプベンダー、ロボットベンダー、制御版設計などを手掛けています。国内で初めてパイプベンダーの製造を始めただけでなく、ロボットベンダーを世界で唯一提供する企業として、ニッチな分野での技術革新を目指しています。今回、お話をお伺いした坂入様は営業を担当しており、日々メトリーを活用いただいております。競合企業の台頭など厳しい競争の中、Web上での認知度拡大や新規顧客獲得が課題となっておりました。

そのような流れから、メトリー掲載までの経緯や掲載後の効果などを坂入様に伺いました。

 

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国内初のパイプベンダーの企業

ーはじめに、御社の事業について教えてください。

坂入さん(以降、坂入):弊社は、62年の歴史を持つ製造業の企業です。現在は、パイプベンダー、ロボットベンダー、制御版設計などを手掛けており、特にパイプベンダーは国内で初めて製造した企業でありますし、ロボットベンダーは全世界でも唯一の取扱企業となっております。

ニッチながらも新しい顧客目線での発展を図り、世の中の役に立つことを目指しております。

現在、従業員数は85名です。営業は8名、設計、組み立て、加工試作サービス、メンテナンスサービスなど、幅広い分野で日々スタッフが活躍しております。

 

ー坂入さんご自身のことも教えてください。

坂入:私は4年前にオプトン株式会社に入社しました。その前も製造業の現場で生産管理と営業を兼任していました。

現在は営業メンバーの一員として活動しており、メトリー導入を社内に推進し、現在も社員の中心となってメトリーを活用しております。

競合との戦いにおいてWebマーケティングに活路を見出した

 

ーメトリー導入に至った背景を教えてください。

坂入:弊社はパイプベンダー、ロボットベンダーなどのニッチな領域で戦っています。その中で、競合の台頭、特に価格競争において苦戦を強いられておりました。そんな中、従来の営業手法だけではなく、Webマーケティングの活用が必要ではないかと感じておりました。

 

ー過去にWebマーケティングを行っていましたか?

坂入:私が入社する前にメディアへの掲載など少しWebマーケティングを行っていたようですが、思ったような成果が出なかったようです。個人的には、自分たち自身でサービスやツールを主体的に使いこなしていかないとWebマーケティングの成功はないのかなと思っております。

 

ーメトリーを知ったきっかけを教えてください。

坂入:メトリーからの問い合わせメールを受け、その価値を感じ、一度話を聞いてみた上で、掲載を決定しました。

 

ーメトリーへの掲載を決めた要因を教えてください。

坂入:一番魅力を感じたところは、新たなカテゴリーへの掲載は【監修企業】として企業名が契約中はずっと残っていくことです。競合との競争に苦戦している今だからこそ、見ていただいた方に安心感を与えられるのではないかと思いました。ほかにも、地元愛知県の企業であることも決め手の一つになりました。

 

ーメトリー掲載のプランについて教えてください。

坂入:現在は一番おすすめのプランであったスタンダードプランを利用しています。ただ、効果を実感できており、製品も多いので、プレミアムプランも検討しているところです。

 

ーメトリーへの掲載にあたって課題はありましたか?

坂入:Webマーケティングの必要性や会社としてWebマーケティングに注力していく必要性を説明しました。しかし、「お金を払ってまでやる価値があるのか」「メトリーのようなサイトを過去にやって効果がなかった」と反対意見も多く聞かれました。そのため、HPアクセスがどの程度伸ばせるかなど掲載後の効果について仮説を立てて社内に提案しました。

HP流入が10%増加し、社員も納得する成果を上げている

 

ーメトリー掲載後の効果について教えてください。

坂入:メトリー掲載前、弊社HPはGoogle検索の4〜5ページ目に表示されていたため、なかなか見てもらうことができませんでした。しかし、メトリー掲載以降はGoogle検索の上位に表示されるようになり、HPへの流入は約10%増加しました。

また、メトリーからの流入顧客は6割が既存顧客、4割が新規顧客となっており、新旧両方のニーズに応えることができています。

メトリーからのHP流入であることが一目でわかるので、そこが1番わかりやすい効果です。メトリーへの掲載について反対意見もありましたが、現在は社員が納得できるような成果をあげることができています。

 

ーHPの流入数以外の効果はありますか?

坂入:メトリーは質の高いプラットフォームとして原則24時間以内に問い合わせに対応していくことを目指しているので、問い合わせは24時間以内にするようにしております。ある意味、それが良いプレッシャー・動機づけとなり、問い合わせ対応へのモチベーションに繋がっています。

製品の方向性も判断できるツールで、経営陣にも使ってほしい

 

ーメトリーを使う際に意識されていることはありますか?

坂入:サイト訪問者の導線を分析することで、今後どの製品に注力していけば良いか判断材料にすることができています。

 

ーどんな方にメトリーの利用をおすすめしますか?

坂入:営業部門にとっては役立つツールであることはもちろんですが、経営陣にも積極的に利用してほしいと思っております。

 

ー現状、メトリーに対する要望はありますか?

坂入:顧客への問い合わせの際に、似たような名称の企業が多いので、都道府県などのレベルで絞り込みできる機能があれば嬉しいです。

 

ーそのほか、要望はありますか?

坂入:特にありません。使い勝手が悪いと思ったことはありませんし、定期的にミーティングで効果測定や今後の対策について案内してくれるので、非常に良いサービスだと思っております。

 

ー今後、メトリーに期待することは?

坂入:今後さらに、この業界のサービスといえば「メトリー」と認知されるようになっていただければと思っております。

 

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空間デザインサービス

監修:Primal Design.Labo合同会社

空間デザインサービスとは

空間デザインサービスとは、住宅、オフィス、商業施設、展示施設や複合施設など様々な場で総合的な空間演出・空間提案を行うサービスです。

家具や内装施工などをトータルでデザインし、室内外を問わず幅広く手掛けます。提供企業によっては、デザインにとどまらず内装工事までをワンストップで完結させることが可能です。また、近年のオンライン会議、展示会などのトレンドにより、オンラインスペースも空間デザインサービスの対象になる場合があります。オフラインスペースにおいても、必要な場合はDXやICT、メタバースなど、最新のテクノロジーを取り入れた領域横断的な空間設計が効果的に行われます。

空間デザインサービスの使用用途

空間デザインは、社会の中の様々な施設において活用されているサービスです。イメージに合わせた意匠性を実現するだけでなく、施設・使用空間の機能に合わせた機能性と両立するデザイン演出が行われます。空間デザインサービスが利用される主な施設等には下記のようなものがあります。

  • オフィススペースや商談スペースなど、オフィスにおける業務空間
  • 店舗やショーウィンドウの外装や内装など商業施設における空間
  • 美術館や博物館など公共の展示施設
  • ホテルのロビーなど公共空間
  • 居住空間、モデルルーム
  • 各種施設におけるキッズスペース
  • 企業等のPR施設 (ショールームやミュージアム、工場の見学施設など)
  • 学校などにおけるICTを備えた機能的な学習空間
  • 展示会、ポップアップストアなどをはじめとする各種イベント
  • ライブ配信やバーチャル展示会などのオンラインイベント

空間デザインサービスは、これらにおいて、人や組織が十分に能力を発揮できるような効果的な空間を実現することを目的として活用されます。

空間デザインサービスの原理

1. 概要

空間デザインは、空間の各要素である形・素材・光・色彩を決定し、空間設計をトータルに行うサービスです。具体的には、

  • 照明
  • カラーコーディネート
  • 家具
  • 内装 (場合によっては外装)
  • 配置

などの要素があります。顧客の希望を聞き取り、最適なデザインを提案し、制作・施工を行います。また、DX技術やサステナブル視点など、新しい技術・視点をクロスオーバーさせて設計されることも盛んになっています。

2. サービスの流れ

空間デザインサービスは、様々なサービスがありますが、主な流れは下記の通りです。

  1. ヒアリング・調査: 顧客から基本構想やイメージ、コンセプトなどをヒアリングし、現地の状況や各種設備の確認を行います。また、店舗の場合は、地域や業態のマーケティングを行う場合もあります。
  2. デザイン・設計・図面作成: 顧客イメージや予算とのすり合わせを行いながらデザイン・設計図を完成させる段階です。分かりやすいようにパースが作成されることもあり、基本計画・コンテンツ設計・照明・演出など全てが計画されます。
  3. 制作・施工: 内装・外装施工や、コンテンツ制作が行われます。
  4. アフターフォロー: 保守・メンテナンスだけでなく、イベントなどの場合は運営・管理なども含まれます。

空間デザインサービスの種類

空間デザインサービスは、様々な企業より提供されており、それぞれの特色を生かした空間実現が行われています。

例えば、企業によっては、デジタルコンテンツとの融合的な空間提案を得意としている場合があります。例えば、

  • センシング、AR、AIなどのDX技術
  • メタバース
  • 没入型体験演出
  • ライブストリーミング
  • ICT技術を機能的に配した空間実現

などを効果的に活用し、オフラインとオンラインが融合する機能的な空間実現が可能です。

一方、また別の企業では、通常のオフライン空間の設計において、家具メーカーとのコラボレーションにより、効果的に家具選定・配置を行っている場合もあります。SDGsの考え方は、近年多くの企業で内装マテリアルの選定やUD (ユニバーサルデザイン) 設計などに導入されている視点です。それぞれの特性を理解して選定することが必要と言えます。

本記事は空間デザインサービスを提供するPrimal Design.Labo合同会社様に監修を頂きました。

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プレキャストコンクリート製品

プレキャストコンクリート製品とは

プレキャストコンクリート製品とは、工場で事前に成形されたコンクリート製品です。

例えば、道路工事などに使用される側溝や管、ビルやマンション建築などに使用される建物の資材が挙げられます。プレキャストコンクリート製品は、工場内の管理された環境下で製造されるため、強度や耐久性などの品質が安定しています。

工場で製造されることから、サイズの精度が高いのも特徴です。また、現場での施工時間やコストを削減し、騒音や廃棄物などの環境負荷も削減できます。

プレキャストコンクリート製品の使用用途

プレキャストコンクリート製品は、道路工事や橋梁工事、建築工事の資材として使用されています。代表的な用途は以下のとおりです。

1. カルバート

カルバートは、函渠 (かんきょ) とも呼ばれる資材で、道路や鉄道および堤防などの下に埋設されて中に下水路や用水路を形成する資材です。角筒状のボックスカルバートやアーチを持つ筒状の形状のものがあります。その形状と強度から、水管以外に、人道や横断ボックス小型橋梁などの用途にも好適です。

2. 擁壁・法面保護工関連用品

土砂崩れや地すべりを防止するために、地面を覆うプレキャストコンクリート製品も多くあります。例えば、地面からの土砂が道路に流出しないようにせき止めるL型擁壁や、地面全体を覆う格子状の法面ブロックなどがあります。

3. 道路関連用品

車両の走行や歩行者の安全を確保するための側溝を形成するU字溝や側溝の蓋、車道と歩道の区分などに使用されるエプロンブロックなどがあります。また、高速道路の防護柵や高欄などもプレキャストコンクリート製品です。

4. 貯水池遊水池関連用品

地下に雨水や災害時の水を貯留する遊水池を形成するブロックや、上部が開口しているオープン型貯水槽やオープン調整池などを形成するブロックがあります。

5. 通信関連用品

高速道路などに設置される監視カメラや標識などの施設に関する機器を地中に埋設するための枡、ハンドホールなどがあります。

6. 建築関連製品

プレキャストコンクリート製品は、建物の構造や外観を形成する床板や壁板などにも使用されています。

プレキャストコンクリート製品の原理

プレキャストコンクリート製品は、生コンクリートで作られています。生コンクリートは、セメントと水、骨材および混和剤を混ぜて製造されます。プレキャストコンクリート製品の製造手順は以下のとおりです。

  1. 生コンクリートの材料を混練する
  2. 作成する製品に合わせた型枠に鉄筋などの必要部材を設置する
  3. 型枠に生コンクリートを流し込み、打設した上で、振動を与えて生コンクリート中の空気を抜く
  4. コンクリートの上面をならす
  5. 環境がコントロールされた養生室で蒸気養生してコンクリートを固める
  6. 型枠から抜き出す

この工程を工場内でおこない、事前に所定の形状に成形しています。

プレキャストコンクリート製品の特徴

プレキャストコンクリート製品は工場内の管理された環境下で混練、打設されます。さらに、製品の特性に大きく影響する養生を一定の環境下でおこないます。そのため、強度や耐久性、サイズの精度など製品品質の安定化が可能です。

また、工場であらかじめ形を作ってから現場で組み立てるため、現場での施工時間やコストが削減されます。工事による騒音も低減され、廃棄物も出にくく、環境にも優しいです。

プレキャストコンクリート製品のその他情報

プレキャストコンクリート製品の接合方法

プレキャストコンクリート製品の接合方法には、以下のような方法があります。

1.  接着剤を用いる方法
プレキャストコンクリート製品接合部にエポキシ樹脂などの接着剤を塗布して、製品間や製品と現場打設したコンクリートを接着する方法です。接着剤の硬化時間が短く、施工性に優れますが、接着剤の耐久性や防水性に注意が必要です。

2. モルタルやコンクリートを用いる方法
プレキャストコンクリート製品の接合部にモルタルやコンクリートを配して、製品間や製品と現場打設したコンクリートを接着する方法です。モルタルやコンクリートの強度や充填性によって接合性能が左右されますが、耐久性や防水性に優れます。

3. 機械式鉄筋継手を用いる方法
プレキャストコンクリート製品同士、プレキャストコンクリート製品と現場打設したコンクリート部材を機械的に継手する方法です。プレキャストコンクリート製品の接合には機械式鉄筋継手の中でも、ねじ節鉄筋継手や充填式継手が使用されます。

参考文献
https://www.zencon.org/about-precon#:~:text=%E5%B7%A5%E5%A0%B4%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%89%E3%81%8B%E3%81%98%E3%82%81%E8%A3%BD%E9%80%A0%E3%81%97%E3%81%9F,%E3%81%93%E3%81%A8%E3%82%92%E6%84%8F%E5%91%B3%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
https://www.nippon-c.co.jp/products/searchlist?q=%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%82%B9%E3%83%88
https://product.kcon.co.jp/products/
https://www.kooge.jp/topics/110.html
https://www.mlit.go.jp/common/001268313.pdf

折りたたみゲート

折りたたみゲート

折りたたみゲートは、折り畳むことでコンパクトに収納できるゲートです。

現場の仮囲いや工事現場の入退場口、イベント会場の入場口などに使用されます。

以下が主なメリットとして挙げられます。

  • コンパクトに収納できるため、運搬や保管が容易
  • 組み立て・解体が簡単
  • 軽量で持ち運びやすい
  • 金属性のものは耐久性が高い

素材には、主にアルミやスチール、木材などがあります。アルミ製は軽量で耐久性に優れ、スチール製は強度が高く、木製は温かみのある雰囲気を演出できます。

折りたたみゲートは、現場の安全性や利便性を高める便利な資材です。用途や予算に合わせて、最適な折りたたみゲートを選ぶことが重要です。

真鍮溶接

真鍮溶接とは

真鍮溶接とは、真鍮を溶接すること、またはその技術のことです。

真鍮は亜鉛と銅の合金であり、電気伝導率の高さや酸化しやすさなどの特性を持ちます。このため、電流を多く要したり、空洞や割れが生じたり、酸化皮膜による溶接不良が起きたりしやすく、溶接に高度の技術と資源を要します。

真鍮の溶接には、電極で挟み電流を利用する抵抗溶接、ロウ材を利用するロウ付け溶接、不活性ガスを利用し酸化を防ぐTIG溶接、レーザー光を利用するレーザー溶接が主に用いられます。ただし、レーザー溶接は機器により真鍮対応可能かどうかが異なるため、仕様の確認が必要です。また、抵抗溶接では溶けた部材の飛散が発生しやすいため、十分に出力を管理する必要があります。

FCC300

FC300とは

FC300とは、鋳鉄の材質を示す記号です。

鋳鉄は主に鉄と炭素からなる合金で、その他にもシリコンやマンガンなどの元素を含むことがあります。FC300はその中でも特定の成分比率を持つ鋳鉄の一種です。

日本工業規格 (JIS) に由来し、FCは”Ferro-Cast Iron” (鋳造鉄) の略です。また、300は引張強さを示しており、300N/m2以上の引張強度を有していることを示します。

FC300は硬くて耐久性があり、摩耗に対して優れた耐性をゆうするため、摩擦や圧力の多い環境で使用される部品に適しています。また、高温に耐えることができるため、エンジン部品や発熱機械などの高温環境下に有利です。比較的鋳造が容易で、成形の際に割れにくいため、複雑な形状の部品を製造することができます。

FC300の使用用途

FC300は様々な産業で使用されます。以下はその一例です。

1. 機構部品

FC300は機械部品の製造に広く用いられます。歯車やベアリング、シャフトなどがその一例です。耐摩耗性や耐久性が求められる部品に適しています。

2. エンジン部品

エンジンブロックはエンジンの基本構造を形成する部品であり、シリンダーを収容しています。FC300は高温下での強度を維持し、シリンダー内の圧力や振動に耐えることができます。したがって、エンジンブロックで使用されることも多いです。

また、クランクシャフトはエンジンの回転運動を直線的な運動に変換する部品です。FC300は高い剛性と強度を持つため、クランクシャフトにも使用されることがあります。これにより、エンジンの信頼性と性能を向上させます。

3. 車両部品

ブレーキディスクは車両の制動装置であり、高速での制動に耐える必要があります。FC300は高温下で安定した性能を有するため、ブレーキの効率的な運用を支援することが可能です。また、強度も高く、振動にも強いため、ホイールに使用される場合もあります。

4. 建機部品

FC300は堅牢で剛性が高いため、地盤や岩石などの固い材料との接触に適しています。したがって、土地の掘削や平坦化に使用されるブレードに活用されることも多いです。摩耗耐性も高いため、土砂や砂利などの掘削や運搬に使用されるバケットの材料ともなります。

FC300の原理

FC300は鋳造法によって製造されます。鋳造は金属を溶かして型に流し込み、冷却固化させて形状を作るプロセスです。鋳造には砂型鋳造や金属型鋳造などの様々な方法がありますが、FC300は一般的に砂型鋳造が用いられます。

砂型鋳造では砂で作られた鋳型に金属を流し込んで鋳造します。金属が型内で冷却し、固まった後、型から取り出す仕組みです。組成や冷却速度などを制御することで、望ましい物性を得ることが可能です。

主に鉄と炭素からなる合金であり、その他にもシリコンやマンガン、硫黄、リンなどの成分が含まれます。これらの元素の組成がFC300の物理的・機械的特性に影響を与えます。

FC300の選び方

FC300はJISによって品質基準が決まっているため、安定した製品を購入することが可能です。ただし、以下の選定要素を考慮することも重要です。

1. 要件

使用する環境を考慮し、FC300が適しているのかを再確認します。FC300は耐摩耗性や耐久性に優れている点が特徴です。高温環境や耐摩耗性が必要な環境で使用するのに適してます。

2. 寸法・形状

使用する部品や製品の寸法や形状に合わせて、適切なFC300の形状やサイズを選択します。部品の要件に応じて、鋳造プロセスによって特定の形状に製造することが可能です。

3. 信頼性

供給するメーカーやサプライヤーの信頼性や技術サポート、納期なども考慮します。信頼できる供給元から購入することで、製品の品質やサポートの質を確保することが可能です。

4. コスト

FC300の品質と性能に対する価格を考慮し、コスト効率の良いメーカーを選定することが重要です。安価な材料であった場合は必要な性能や耐久性を確保できない場合があるため、バランスを考慮する必要があります。

船舶照明

監修:大阪電機工業株式会社

船舶照明とは

船舶照明とは、船舶内、船外の作業スペース、周囲を照らすための照明です。

船舶は水上を運航するため、船舶照明には防水性が求められます。したがって、照明部品や配線に水がかかっても故障などが生じないように設計されていることが多いです。船の振動や風雨などの厳しい自然環境にも耐えるように設計されています。

船内、船外周囲の環境を明るく照らすことで、船員や乗客の安全を確保します。暗い場所や障害物が見えにくい場所でも、適切な照明があれば事故のリスクを減少させることが可能です。また、明るい照明の下では船員が作業を効率的に行うことができるため、作業の品質や速度、安全性を向上させることができます。

近年はLED技術の進歩により、従来の白熱電球や蛍光灯からLED照明に移行する傾向があります。LED照明は消費電力が少なく、寿命も長いため、船舶のエネルギー効率を向上させることが可能です。

船舶照明の使用用途

船舶照明は主に船舶での使用に特化した製品です。船舶内外の様々な用途で使用されます。

船内照明は船内の様々なエリアを照らすために使用されます。客室や食堂などの乗客区画を照らしたり、エンジンルームや船倉などの作業用照明となったりします。船内の安全性と快適性を確保するために重要です。

船外照明は船の外部を照らす照明です。暗闇や悪天候の中で、船外での作業時や船の周りを照らすことで他の船舶や障害物を識別するのに役立ちます。

その他にも船燈や信号灯なども船舶照明の一つです。船舶では他の船舶との安全な航行を確保するために、航法規則に従って船舶信号灯を使用します。船の位置や方向および航行状態を示すための表示灯の役割をにないます。

船舶照明の原理

船舶照明の動作原理は一般的な照明と同様です。ただし、船舶の特殊な環境での使用に適した特性を付与されています。以下のような構造の製品が多いです。

1. 灯具本体

照明器具の本体は光源や電気配線を保護し、適切な方向に光を放射する部品です。一般的に金属やプラスチックなどの耐久性が高い材料で作られており、海洋環境に耐えるように設計されています。防水性や防爆性が必要な場合は、その要件に応じた設計が施されます。

2. 光源

光源は照明器具が光を発生させる部分です。船舶照明には様々なタイプの光源が使用され、一般的には白熱電球や蛍光灯、ハロゲンランプ、LEDなどがあります。近年では特に耐久性があり、省エネルギーであるLEDが広く利用されています。

また、一部の照明器具には反射板や拡散版が取り付けられています。これにより、光を均一に拡散させたり、特定の方向に向けたりすることが可能です。光利用の効率性や照明の均一性を向上させます。

3. 配線

船舶照明には船の電気系統に接続するために配線が必要です。配線によって船舶照明に電力を供給し、ON/OFFなどの制御を可能にします。また、使用箇所に応じて防水性の必要を判断し、防水が必要と判断された場所には船用貫通金物の構造に応じた防水性の配線やコネクタが使用され、船舶の厳しい環境に対応します。

船舶照明の選び方

船舶照明を選ぶ際は、下記のような選定要素を考慮することが重要です。

1. 光束

光束は照明器具が放射する光の明るさを示す指標です。使用に適した適切な光束を選ぶことが重要であり、船の大きさや用途などに応じて選択します。作業エリアや通路では明るい光が必要ですが、リラックスや就寝のためのエリアでは柔らかい光が好まれる場合も多いです。

LED製品は従来の白熱電球、蛍光灯、ハロゲンランプ、水銀ランプと異なる光の広がりをする特性もあり、使用場所や灯具の性能によっては、同様の使用方法であっても、同じ明るさに感じられない場合もあり注意が必要です。

2. 本体材質

船舶照明の本体材質は耐久性や防水性に影響します。船舶照明は船の厳しい環境に耐えなければならないため、防水性や耐久性のある材料を選ぶことが重要です。一般的には、腐食に強い金属や耐候性プラスチックなどが好まれます。

3. 電圧

船舶照明の電圧は船の電源システムと合致していることが必要です。船の電源は一般的にDC24Vなどの直流電源や海外で運行する船ではAC220~240Vが使用され、これに合わせた照明器具を選択する必要があります。誤った電圧の照明を使用すると、短絡や火災の危険性が高まります。

4. LED製品の注意事例

LED製品が船で採用されるケースが増える一方で、陸上のLED製品が採用されるケースが増えています。

しかし、船用にカスタマイズされていない製品を使用することで、防水性能の不十分にともなう故障、腐食による破損、製品落下によるケガ、ノイズによる他の器具への悪影響、短絡の原因、火災事故の原因などトラブルが発生しています。

船は振動、塩害、荒波など一般のLED製品では想定されていない特殊な環境が多くあり、LEDメーカー・使用者ともに当初予想をしていないトラブルに繋がるケースも多くあります。
船での使用を想定したLED製品を選択するなどの、使用製品の選定する側の注意も必要です。

造船業界では、船でのLEDトラブル例を受け、JIS規格を更新し、LED照明器具に求められる性能を細かく定めています。これらの規格に適合しているかと言う点も重要な観点になります。

本記事は船舶照明を製造・販売する大阪電機工業株式会社様に監修を頂きました。

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貫通金物

監修:大阪電機工業株式会社

貫通金物とは

貫通金物とは、船舶の船体や防水を必要とする機械装置の筐体に穴を開ける際に使用される金属製の部品です。

一般的には装置側に穴を開け、その穴を通してケーブル、パイプ、または他の装置を通すために使用されます。適切に設置すると、水が漏れ出す・水の外部からの侵入を防ぐ役割を果たします。これにより、安全性が向上し、水の浸入による損害や沈没のリスクを軽減されることが可能です。

また、正しく設計された貫通金物は強度を保持し、穴を通るケーブルなどの安定性を確保します。耐久性が高く、長期間にわたって信頼性が高い点も特徴の一つです。

貫通金物の使用用途

貫通金物は主に船舶に対して適用されることが多いです。ケーブルや配管、排気口などを貫通させる際に使用します。

1. ケーブル

船舶では多くの電気ケーブルや通信ケーブルが船体を貫通し、船内の様々な部分に配線されています。貫通金物はこれらのケーブルを船体に通す際に使用されます。また、船舶の外部に線が行き来やセンサーを取り付ける場合、貫通金物を使用して船体を貫通しながら取り付けることが多いです。

2. 配管 

船舶内において水道や排水、空調などの配管も必要です。これらの配管が船体を通過する際には、貫通金物が使用されます。漏れが発生しないように適切なシールと共に設置されることが多いです。

3. 通気孔・排気口

船舶内部は密閉された空間であり、適切な換気が行われないと湿気や臭い、さらには有害なガスが蓄積される可能性があります。通気孔や排気口は船内外の空気の循環を促進し、新鮮な空気を取り入れることで換気を改善するために設置されます。通気孔や排気口は船舶の適切な運用に不可欠であり、貫通金物を利用して開口する場合も多いです。

貫通金物の原理

貫通金物は一般的に金属製の円筒形部品です。船体や機械装置の筐体を通る穴に適合するように設計されており、内外の接続を可能にします。接続にはねじ込み方式やフランジ方式、溶接して接続する方式の製品が多いです。

フランジ方式の場合は、フランジを船体に固定するために使用されるボルトやナットも必要です。フランジの穴に挿入され、船体の内側と外側でボルト・ナットで締め付けます。これにより、貫通金物を船体にしっかりと取り付けることが可能です。

また、多くの場合、貫通金物が船体を貫通する穴周囲に防水・防漏のためのシールを設置することが多いです。シールはゴム製やシリコーン製の柔らかい素材で作られており、穴を通る装置と船体との間の水密性を確保します。

まとめると、貫通金物の原理は船体を貫通する穴を適切にシールし、装置を船内外で接続することで船舶の機能性や安全性を維持することにあります。正しく設置された貫通金物は水密性を確保し、船舶の構造の強度を維持しながら、必要な装置を効果的に取り付けることが可能です。

貫通金物の選び方

貫通金物を選ぶ際は、下記の選定要素を考量することが重要です。

1. 口径

貫通金物の口径は船体に開ける穴のサイズに対応している必要があります。適切な口径を選択することで、船体への貫通が適切に行われ、装置の取り付けをスムーズに行うことが可能です。口径は一般的にミリメートル単位で表されます。

2. 材質

貫通金物の材質は耐久性や耐食性、強度などに影響を与えます。一般的にはステンレス鋼や真鍮、アルミニウムなどの金属が使用されます。

真鍮は加工のしやすさ、入手のしやすさから主に使用され、さびにくい材質の一つとして良く使用される材質です。

ステンレス鋼は真鍮よりもさらに耐食性に優れており、海水環境下でも長期間使用可能です。アルミニウムは軽量で取り扱いが容易ですが、強度が低く圧力、応力がかかる場所での使用時には注意が必要です。また、他の金属との接触箇所では電位差から錆が進みやすくなるため、注意がより必要になります。

3. 取付方法

貫通金物の取付方法は、船体の材質や使用状況によって異なります。一般的な取付方法には、溶接やフランジ方式、ねじ込み方式などがあります。

溶接は船体と貫通金物を一体化させるため、強固な取り付けが可能ですが、交換が必要となる場合には修理作業が進めにくくなります。フランジ方式は貫通金物をボルトで固定する方法であり、取り外しや交換が比較的容易です。ねじ込み方式は貫通金物に施されたネジによって取り付ける方法であり、小口径の場合に適用されることが多いです。

貫通金物のその他情報

電線貫通金物の種類の一つに、JIS F 8801の舶用電線貫通金物 (英語名:ケーブルグランド) があげられます。

ねじ込み方式や溶接方式の貫通金物の一種ですが、規格が定められており、船以外でも使用される事が多いです。特に、一般的なのが舶用箱用電線貫通金物 (A形ケーブルグランド) と呼ばれるねじ込み式の貫通金物です。

船内の制御盤などの筐体にあけられたケーブル取込口 (接続用穴) に取り付け、筐体壁面を貫通しケーブルを貫通させるために使用され、防水機能の補完器具として使用されます。

これら船用電線貫通金物を使用することで制御盤や操作盤の筐体、機器内へ粉塵や水を侵入させることなく、また振動や引っ張られることでの抜け防止の役割も果たし、ケーブルを確実に固定し引き込みことができます。

JIS規格上で形状・サイズが定められており、7φから96φまで幅広い太さのケーブルに対応出来るようにサイズ規格が定められている。陸上用電線から船舶用電線まで大小様々な電線に対応出来ることも特徴の1つです。

名前の通り、船用の製品ですが、一般の電気製品で防水が求められる製品に使用されるケースもあり、制御盤以外にモーター、電車、発電所、海水が直接かかりうる機械装置のケーブル取り込み口にも採用実績があります。

JIS F8801 舶用電線貫通金物を構成する部品
 ( ) 内は通称を記載

JIS F 8801の規格番号 パーツ (JIS F 8801内の正式名称)  別名 主な材質
1 締付グランド 真鍮、アルミニウム、ステンレス、樹脂
2 ボディ 本体、体 真鍮、アルミニウム、ステンレス、鉄、樹脂
3 ナット   真鍮、アルミニウム、ステンレス、鉄。但し、C形グランド (溶接用) では使用されない
4 座金 リーフ、ワッシャー 鉄、真鍮、アルミニウム、ステンレス
5 ガスケット パッキン 合成ゴム、シリコン
6 ガスケット ハンプ 合成ゴム (黒色) 、貼り合わせ白布
8 保護板 盲板 鉄 (締付グランド、本体が他の材質であっても、保護板は鉄が使用されるケースが多い) ケーブルを通す際に捨てるパーツにあたる。

部品交換時に、JIS F 8801記載の番号で指定をされるケースもあります。

本記事は貫通金物を製造・販売する大阪電機工業株式会社様に監修を頂きました。

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Type-Cコントローラ

監修:株式会社エヌ・エム・アール

Type-Cコントローラとは

Type-Cコントローラは、USB Type-C規格に基づいて接続を制御するデバイスです。

USB Type-CはUSB接続規格の一種であり、従来のUSB規格と比較して多くの利点を有します。したがって、近年のUSB接続方式はType-Cが主流となりつつあります。Type-Cコントローラを使用することで、Type-C接続によって様々なデバイスを通信させることが可能です。

Type-Cコネクタは逆差し可能であり、USB Power Deliveryと呼ばれる規格を使用して、高出力の電力供給や急速充電が可能です。Type-Cコントローラはこれらの機能を管理し、適切な電力供給を実現します。また、USB 3.1やThunderbolt 3などの通信規格をサポートしているため、高速データ転送が可能です。

Type-Cコントローラの使用用途

Type-Cコントローラは、様々なデバイスやシステムで幅広い用途に使用されます。以下はその一例です。

1. モバイルデバイス

スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスにおいて、Type-Cコントローラは充電やデータ転送などの機能を制御します。特に、急速充電や高速データ転送が求められる場合には重要な役割を果たします。様々な利点より、Type-C接続が近年のモバイルデバイス接続の主流となりつつあります。

2. パソコン

ノートパソコンやデスクトップパソコンにおいても、Type-Cコントローラはデータ転送やディスプレイ出力などの機能を管理します。また、ノートパソコンではType-Cポートが唯一の充電ポートとして使用されることも多いです。Type-C接続により、快適なパソコン操作が可能となります。

3. 周辺機器

Type-Cコントローラは外付けハードドライブやキーボードなどの周辺機器にも使用されます。これにより、パソコンやタブレットなどを容易に拡張することが可能です。また、高速データ転送や電力供給を必要とする場合、Type-C接続によってこれらをサポートすることができます。

モニターやプロジェクターなどのディスプレイ機器においても、Type-Cコントローラはディスプレイ出力を制御します。特に、USB Type-Cを介したシングルケーブル接続により、単一のケーブルで映像信号と電力供給が行われるため、スマートな接続が可能です。ヘッドフォンやスピーカーなどのオーディオ機器においても使用される場合があります。

Type-Cコントローラの原理

Type-CコントローラはUSB PDやAltモードなどのプロトコルを処理するデバイスです。USB PDは電力供給の調整や最適化を行い、Altモードはデータ通信プロトコルを使用してデバイス間での情報を転送します。以下のような部品群によってこれらの機能を成立させています。

1. USB Type-Cコネクタ

機器同士を接続するインターフェイスとなるコネクタです。従来のUSBコネクタよりも小型で、挿し込み向きが上下どちらでも使用可能です。このコネクタがデバイスとケーブルを接続します。

2. コントローラチップ

USB Type-C規格を管理し、デバイスとの通信を処理するためのチップです。USB PDプロトコルやAltモードなどの機能をサポートします。これにより、USB Type-Cを高性能に活用することが可能です。

3. 周辺回路

内部にはコントローラチップを補助する回路要素があります。電圧レギュレータやスイッチング回路、保護回路などがその一例です。これにより、接続の安全性や信頼性を担保しています。

Type-Cコントローラの選び方

Type-Cコントローラを選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. 動作電圧範囲

デバイスが動作する電圧範囲に合わせて、Type-Cコントローラの動作電圧範囲を選択します。一般的にDC5V程度の電圧で動作する機器が多く、広い動作電圧範囲を持つコントローラが好まれます。これにより、様々な電源条件下での安定した動作を保証することが可能です。

2. 動作温度

デバイスが使用される環境の温度範囲に応じて、Type-Cコントローラの動作温度範囲を選択します。特に、極端な温度条件下で使用される場合は、広い動作温度範囲を持つコントローラが必要です。

3. Altモード・DBサポート

AltモードやDead battery機能をサポートしているかを確認し、適切なType-Cコントローラを選択します。DBサポートは充電が完全に切れた状態でデバイスを使用する場合に役立ちます。DBサポートがあるコントローラは、USB PD仕様を使用して、充電されたバッテリーがない状況でデバイスを起動し、動作させることが可能です。

4. パッケージ

デバイスの設計や配置に応じて、適切なパッケージを選択します。また、実装の容易さや製造コストも考慮する必要があります。

本記事はType-Cコントローラを製造・販売する株式会社エヌ・エム・アール様に監修を頂きました。

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