ワイヤレススキャナ

ワイヤレススキャナとは

ワイヤレススキャナとは、ケーブルなしでバーコードやQRコードを読み取る装置です。

動作原理は、光学センサーでバーコードやQRコードを読み取り、そのデータをエンコードして無線で受信装置に送信します。受信装置はデータを受信し、処理します。ワイヤレススキャナは物流、製造業、小売店、医療機関、図書館、イベント会場などで広く使用されています。構成要素にはスキャナ本体、受信装置、無線通信モジュール、電源、筐体が含まれます。

種類としてはハンディタイプ、固定タイプ、ウェアラブルタイプがあります。特徴としては、ケーブルレスで移動が自由なこと、多様なバーコード/QRコードに対応すること、耐久性が高いことが挙げられます。

ネットワークインターフェースカード

ネットワークインターフェースカードとは

ネットワークインターフェースカード (NIC) とは、別名LANカードやネットワークアダプタ、イーサネットアダプタとも呼ばれ、コンピュータをネットワークに接続する拡張カードです。

NICは、他のコンピュータとの通信に必要な物理層の処理を担当します。主要なNICのタイプには、イーサネットNICとワイヤレスNICがあります。イーサネットNICは有線LANに接続し、ワイヤレスNICはWi-Fiなどの無線LANに接続します。

NICは、コンピュータから送信されるデータパケットをネットワークで送信可能な電気信号に変換し、また、ネットワークから受信した電気信号をコンピュータが理解できるデータパケットに変換します。

照明コネクタ

照明コネクタとは

照明コネクタとは、照明器具を電源や制御装置に接続するための部品です。

照明器具は電気配線と接続され、それによって電力が供給されます。照明コネクタはこの配線と照明器具の間に取り付けられ、信頼性の高い接続となります。照明コネクタには、プラグとソケットがあります。プラグは配線に取り付けられ、ソケットは照明器具に取り付けられます。これにより、照明器具を簡単に取り外したり交換したりすることができます。

照明コネクタの利点は、取り付けと取り外しが容易であることです。これにより、照明器具の交換やメンテナンスが簡単に行えます。また、コネクタを使用することで、照明器具の配線を修理したり、交換したりする際にも作業が容易になります。

ヘラ絞り加工

監修:株式会社天吉

ヘラ絞り加工とは

ヘラ絞り加工とは、素材となる金属板を回転させながらへらと呼ばれる棒を押し当てて変形させる加工手法で、塑性加工の一つです。

金属を回転させながら加工することに由来して別名ではスピニング加工と呼ばれたり、ヘラ押しと呼ばれることもあります。アルミニウム・鉄・ステンレス・銅・真鍮など幅広い金属素材で加工が可能です。金型が安価で済む、なめらかで均一な加工が可能、対応範囲が広い (深絞りや大型製品など) などのメリットがあります。また、他の加工方法と組み合わせて、複雑な造形を製作することも可能です。

ヘラ絞り加工の使用用途

ヘラ絞り加工は、金属製のシェル状製品の製造一般に広く使用されている加工法です。ヘラ絞り加工によって製造される製品の一部には下記のようなものが有ります。

  • 家庭用容器 (洗面器、洗い桶などの各種家庭用金物)
  • 調理器具 (ケトル、フライパン、ボールなど)
  • 照明器具 (店舗用照明、スポットライト、ダウンライトや、新幹線ライトなど)
  • 装飾工芸品
  • 車・バイク部品 (エンジン部品、タイヤホイールなど)
  • 通信機器 (パラボラアンテナなど)
  • ボイラ、タンク、ノズル
  • 産業用部品
  • 研究用部品
  • 楽器 (シンバル)
  • 医療機器 (レントゲン、消毒機、医療品調合器、検査用皿)

また、ヘラ絞り加工は、高度なものづくりの技能としても注目されており、例えばH2ロケットの先端カバーもこの加工法によって製作されました。

ヘラ絞り加工の原理

1. 概要

ヘラ絞り加工は、マンドレルと呼ばれる回転する成形型に、板状や管状の金属素材 (ブランク・ワーク)を、ヘラで押し付けて成形を行う加工方法です。加工の際は、熟練工によって、手作業でヘラに加える力を加減しながら加工されます。回転中心から外側へ向かって、型に沿って少しずつ変形させます。

2. ヘラ絞り加工と職人の技能

ヘラ絞り加工は、ヘラから手に伝わる感触で素材の変形状態を確認しながら微妙な力加減の下で作業する加工法です。職人の技術や経験、感覚などに左右される加工法であるとも言えます。大型製品の加工においては、5-6名の熟練工が一緒にヘラを操作することもあります。

3. ヘラと加工素材の材質

ヘラ絞り加工で一般に使用されるヘラの材質は工具鋼です。先端部には焼入れが施され、素材とへらとの接点はグリース等で潤滑させます。形状によっては表裏から2つのヘラを当てることもあります。

加工する金属材の板厚が大きい場合や、難加工素材 (モリブデンやチタンなど) を加工する場合には板を加熱しながら加工する場合もあります。 大きく変形させる加工を行うためには複数回にわたって少しずつ変形させる必要があり、必要な場合は焼きなましが施されます。

4. ヘラ絞り加工の特性

ヘラ絞り加工には、下記のような特色があります。

  • プレス加工と比べ、金型コストが安く、製作期間の短縮化が可能
    局部変形の繰り返しのため、他の加工法よりも加工力が小さく、設備がコンパクト

プレス加工は金属をプレスするための上下の金型が必要です (オス型とメス型) 。設計から金型製作、金型組み立て、プレス加工まで、短くても10日程度の納期を要します。一方、ヘラ絞りの場合、オス型の金型のみで金属加工ができるため、金型コストも低く、短納期での製作が可能です。

ヘラ絞り加工の種類

前述の通り、ヘラ絞りは数mm単位の極めて小さい製品から、数m規模の大きい製品の製造まで幅広く使用されている加工手法です。そのため、ヘラ絞り用の装置は小型のものから大型のものまで幅広くあります。

また、ヘラ絞り加工の応用事例には、下記のようなものがあります。

  • ネッキング: 円筒、円錐筒および各種のパイプ状の金属を部分的に細くする加工
  • バルジング: 肉厚パイプ等の押し延しやスエージングを行う加工
  • カーリング: 成形製品の縁を巻き込む加工
  • ビーディング: 成形された製品の外周及び底部に絞目を入れる加工

本記事はヘラ絞り加工を提供する株式会社天吉様に監修を頂きました。

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スライドソー

スライドソーとは

スライドソーとは、円盤状の刃によって板材を切断・加工する電動工具です。

刃を素材に対して直線的に移動させるスライド機構を備えている点が特徴です。この機構により、大きな幅の素材を切断できるだけでなく、正確な切断が可能です。主に木材や金属板を切断するために使用されます。

大きく厚い素材を切断することが可能であり、切断深度や切断角度は調節可能であることが多いです。これにより、様々な要件で板材を加工することができます。また、刃のガードや誤作動を防止するためのロック機構などを備えていることが多く、安全に作業を実施することが可能です。

スライドソーの使用用途

素材の切断において効率性と精度が高いことから、加工業からDIYまで幅広い用途で使用されます。以下はその使用用途の一例です。

1. 加工業

加工業では、スライドソーが様々な素材の切断に幅広く利用されます。木材加工においては、テーブルや椅子、キャビネットなどの家具の製造に使用されます。金属加工工場では、金属パイプやアングルなどの金属素材を切断するのに使用されることが多いです。

2. 建設業

建設現場では、様々な種類の材料を正確に切断する必要があります。木材や金属をはじめとする建材の切断にスライドソーが使われます。これにより、必要な寸法や形状に材料を加工することが可能です。

また、木造建築において、フレーミング作業は重要な作業です。柱や梁などの構造材を正確に切断し、建物の骨組みを組み立てます。スライドソーはこれらの構造材の切断に広く使用されます。

3. DIY

DIYによってスライドソーを使用して家屋内の修理や改修作業を実施する場合があります。家具の修理や壁板の切断などに使用されることが多いです。本棚や棚などの小さな家具を作製する際にもスライドソーが利用されます。

4. その他

スライドソーはその他にも、舞台演出や造船などにも使用されます。舞台や映画の製作において、大きな素材を切断するために使用され、舞台背景やプロップを製作することが可能です。造船所では船体構造の材料を切断するのに使用されます。

スライドソーの原理

スライドソーは円盤状の刃を使用して素材を切断するという基本的な仕組みです。以下のような要素で構成されます。

1. モーター

スライドソーのモーターは、刃を回転させるための動力源です。一般的には、直流モーターや誘導モーターが使用されます。電力を回転エネルギーに変換し、刃を効率的に回転させます。

2. 刃

刃は切断を行う部品です。一般的に円盤状の形状をしており、素材や用途に応じて様々な形状や材質の刃が販売されています。高品質の刃を使用することで、長期間の使用に耐えるだけでなく、正確に材料を切断することが可能です。

3. スライドレール

スライドレールは刃を素材に対して直線的に移動させるための重要な部品です。一般的には、アルミニウムや鉄などの耐久性のある材料で作られています。切断深度や切断角度を調整するための目盛りやロック機構が付属していることが多いです。

4. 操作ハンドル

操作ハンドルは、スライドソーを操作するためのインターフェイス部品です。一般的にはスイッチやトリガーなどが付いており、押し下すことでスライドソーを回転させることができます。

スライドソーの選び方

スライドソーを選ぶ際は、以下の選定要素を考慮することが重要です。

1. 切断能力

スライドソーが切断できる素材の種類や厚さを選定します。木材や金属、プラスチックなど様々な材料を切断できるスライドソーが販売されています。また、切断深度や切断角度も重要な要素であり、切断対象物の厚さなどに応じて選定します。

2. 安全性

安全機能は、操作者や周囲の人々の安全を確保するための機能です。刃のガードやブレーキシステムなどの安全機能が適切に備わっているかを確認します。これにより、人身災害などを未然に防ぐことが可能です。

3. ポータビリティ

スライドソーのポータビリティは、移動や持ち運びが必要な場合に重要です。軽量でコンパクトな設計のスライドソーは、現場作業や屋外作業に便利です。収納が容易であることが重要であり、重量なども考慮しながら機器を選定します。

エッジバンダー

エッジバンダーとは

エッジバンダーとは、材料の端に対して縁取りなどを実施する機械です。

主に木材の板などの縁を処理するために使用されます。縁を保護したりするための素材を自動で貼り付けたり、レーザーで面取りなどを実施します。これにより、木製部品や家具などの外観を向上させつつ、安全性を向上させることが可能です。

エッジバンダーは手作業で行うよりもはるかに迅速で効率的な縁処理プロセスを提供します。自動化された機械が素材の端に縁処理するため、作業時間が大幅に短縮されます。また、機械が正確に作業を実施するため、一貫性のある高品質な仕上がりとすることが可能です。

エッジバンダーの使用用途

エッジバンダーは主に木材や合板などの素材に対して使用されることが多いです。以下はその用途一例です。

1. 家具

家具製造業界では、エッジバンダーは欠かせない道具です。家具の部品やパネルの縁に処理を施すことで、製品の外観を向上させるだけでなく、耐久性も向上させます。例えば、テーブルや椅子の端を処理することで、木材の割れや傷を防ぎ、長期間の使用に耐える丈夫な家具を製造することが可能です。

2. パネル材料

パネル材料の製造において、エッジバンダーが重要な役割を果たします。これらのパネルは建築やインテリアデザインで使用され、見栄えの良い仕上がりが必要です。エッジバンダーを適用することで、パネルの縁が保護され、より美しい外観を実現すると同時に、耐久性も向上します。

3. 建築資材

建築資材の製造においても、エッジバンダーは重要な役割を果たします。一例として、フローリングなどの製品はエッジバンダーによって耐久性や外観の向上が可能です。これにより、建築物の内装や外装に使用される製品が、高品質で長持ちする仕上がりとなります。

4. その他

その他には、木製船舶や木製玩具に適用されることもあります。木製玩具は安全性が非常に重要であり、木材の縁を丸くすることで子供たちの安全を確保します。船舶においては木製部品に縁処理を施すことで見栄えを良くし、耐久性を向上させます。

エッジバンダーの原理

エッジバンダーの主な役割は、板材などの縁を処理することです。様々な処理方法がありますが、一般的には縁材を板材に貼り付けることで実施します。縁材はエッジバンディングとも呼ばれ、通常は木製のテープなどがロール状となって装着されています。

エッジバンダーには、エッジバンディングを材料に接着するための加熱装置が搭載されていることが多いです。エッジバンディングに接着剤を溶かし、木材のエッジにしっかりと接着する役割を果たします。一般的には加熱装置にローラーや加熱プレートが使用されます。

加熱されたエッジバンディングは、プレスローラーを介して木材のエッジに適用されます。プレスローラーはエッジバンディングを木材の縁に押し付けて接着する機械です。エッジバンディングが適用される際には、エッジバンディングと木材の間に十分な圧力が加えることが重要です。

エッジバンディングが材料に適用された後に冷却されます。この段階で接着剤が固まり、エッジバンディングが木材のエッジに確実に固定される仕組みです。冷却により、エッジバンディングが材料にしっかりと密着し、耐久性が向上します。

エッジバンダーの選び方

エッジバンダーを選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。

1. 対応材質

エッジバンダーを選ぶ際には、その機械が対応する材質を確認することが重要です。一般的には木材や合板、プラスチックなどの材料に対応したエッジバンダーがありますが、一部の機種は金属などにも対応しています。自分が使用する材質に適したエッジバンダーを選ぶ必要があります。

2. 対応サイズ

エッジバンダーを選ぶ際には、その機械が対応する材料のサイズや厚さを考慮する必要があります。作業範囲や最大加工幅、最大加工厚などの仕様を確認し、自分が扱う材料のサイズに適したエッジバンダーを選ぶことが重要です。また、材料の形状や曲面加工の必要性も考慮する必要があります。

3. 作業速度

エッジバンダーの作業速度は、加工効率に直接影響します。作業速度は一般にm/minで表され、高速なエッジバンダーは同じ作業量を短時間で処理することが可能です。ただし、高速なエッジバンダーは高価なことが多く、精度や品質に影響を及ぼすことがあるため注意が必要です。

4. 精度

エッジバンダーの精度と品質は、仕上がりに大きく影響します。高品質なエッジバンダーは一貫した仕上がりを実現します。信頼性の高いメーカーから製造された製品を選ぶことが重要です。

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Gold Solder

What Is a Gold Solder?

Gold-tin (AuSn) alloy paste is a form of gold (Au) and tin (Sn) alloy primarily used as solder material, provided in paste form.

Essentially, it comprises a mixture of gold-tin alloy powder and a binding material called flux. Gold-tin alloys have a higher melting point (217°C and above) compared to common lead-free solders, and they excel in heat conductivity and post-bonding reliability. They are used for joining and sealing precision components such as high-frequency devices, optical devices, and for applications requiring heat resistance during subsequent low-temperature reflow, as well as for soldering applications needing tensile strength and corrosion resistance.

Applications of Gold-Tin (AuSn) Alloy Pastes

Gold-tin (AuSn) alloy paste is primarily used for bonding and sealing precision components such as:
Die bonding for high-brightness LEDs, Peltier elements, power semiconductors
Sealing materials for crystal devices, SAW devices
The former is used in automotive, lighting, and thermoelectric module applications, while the latter is used in mobile communications, base stations, MEMS sensors, among others. It is a solder material used for bonding high-frequency devices and optical communication devices.
Moreover, gold-tin (AuSn) alloy paste’s paste form allows for high adaptability to various bonding methods such as screen printing, dispenser coating, and pin transfer, making it suitable for various joint shapes.

Principles of Gold-Tin (AuSn) Alloy Pastes

Gold-Tin (AuSn) Alloy Composition

Typically, gold-tin (AuSn) alloys with around 20% tin content are commonly used. The main compositions of gold-tin (AuSn) alloys along with their melting points and densities are as follows:
AuSn18: 278-360°C, Density 14.89
AuSn20: 278-300°C, Density 14.52
AuSn21: 278°C, Density 14.35
AuSn21.5: 278°C, Density 14.26
AuSn22: 278°C, Density 14.17
AuSn90: 217°C, Density 7.78

Gold-tin alloys have a higher melting point than common lead-free solders, excellent heat conductivity, post-bonding reliability, and good wetting properties. They offer superior thermal conductivity compared to thermosetting Ag epoxy resins, leading to high joint strength. They are particularly suitable for applications requiring heat resistance during low-temperature reflow, as well as for applications requiring tensile strength and corrosion resistance.

Comparison Between Foil Material and Paste Material

Besides paste materials, gold-tin (AuSn) solders are also available in foil form (preform solders). Using foil materials requires remaking molds when there are changes in bonding surface shape or size, incurring additional costs. Paste materials do not require molds, offering flexibility in supply for various sizes and shapes. Paste materials are also compatible with various supply methods like printing, dispensing, and pin transfer, making them versatile solder materials.

Types of Gold-Tin (AuSn) Alloy Paste

Gold-tin (AuSn) alloy paste comes in various compositions, mainly with around 20% tin content like AuSn18 or AuSn22. The powder size of the alloy in the paste varies depending on the intended application, with typical types including:
Printing: 16-53um, 16-32um, <32um, 5-16um
Dispensing: 5-16um, 16-32um
Pin transfer: <11um
Thin-film formation: <11um

Non-Cleaning Gold-Tin (AuSn) Alloy Pastes

Traditional gold-tin (AuSn) alloy pastes using nitrogen gas during reflow required a cleaning process due to residual flux after reflow. Recent developments using glycol reflow processes revealed that high-temperature-resistant rosin and activators, previously needed for oxide removal in traditional pastes, are unnecessary. This dramatic reduction in post-reflow flux residue has led to non-cleaning gold-tin (AuSn) alloy pastes, eliminating the need for cleaning processes.

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絶対に触らないでください(日本会社ニュース)

ゴールデンウィーク休業のお知らせです (2024年5月3日-2024年5月6日)

平素よりメトリーをご利用頂き、誠にありがとうございます。

2024年5月3日-2024年5月6日の間は、ゴールデンウィーク休業とさせて頂きます。

上記期間内にお問い合わせ頂いた内容に関しては、順次2024年5月7日以降に対応させていただきます。

研究者・エンジニア・購買担当者の方々のサポートを行うことで、世界の発展に少しでも貢献できるよう、メトリーの開発に邁進します。

作業着

作業着とは

作業着とは、作業や労働を行う際に着用される衣服一般を指します。

作業服と呼ばれる場合もあります。広義の意味では作業中に着用していればどんな衣服でも作業着とされますが、一般的に作業着として販売されている製品は、効率的かつ安全な作業を目的として動きやすさや機能性、生地の丈夫さなどが配慮されたウェアです。尚、業務内容に合わせて付加される機能性には、防寒性や難燃性、静電防止加工などがあります。作業者の衣服を統一するという制服的役割で使用する場合もあります。

作業着の使用用途

1. 概要

作業着は、工事現場や作業場などにおいて労働・作業時に着用されています。作業着を着用する主な目的は下記の通りです。

  • 危険から身を守り安全確保を行う
  • 動きやすく機能的な服装をすることで作業効率を上げる
  • ユニフォーム的な役割で統一感を持たせる

作業着は、伸縮性が有る適度な厚みの生地で作られており、引っかかりの原因となるような装飾を持たないシンプルな衣服です。そのため、作業中の怪我から身を守ることができ、動きやすさのために作業効率を上げることができます。服装を統一することで現場の士気を高める効果も期待できます。

2. 主な業種

作業着は、身体を動かして作業する様々な業界で使用されています。作業着が着用される業種には主に下記のようなものがあります。

  • 製造業一般
  • 自動車整備
  • 土木、建設、建築業
  • 溶接、鉄鋼、機械業
  • 運送業、配送業
  • 林業
  • 漁業
  • 造園業
  • 交通整理、線路整備
  • 清掃業
  • 飲食店

また、身体を動かして作業する職種以外でも、事務などにおいて服装の統一のため、作業着が着用される場合があります。

業務用以外にもタウンユースで使用できるデザインの製品が増えているため、アウトドアやスポーツなど、家庭用でも使用されることが多くなっている製品です。

作業着の原理

作業着は、作業中の安全を確保し、効率的な作業のために着用される衣服です。

  • 肌の露出を抑える
  • ほこりや汚れの侵入を防ぐ
  • ストレッチ性が高いため、様々な身体の動きに対応する
  • 作業に合わせた機能性 (防炎・撥水・防汚など) により快適に作業を行う

などの基本機能が挙げられます。また、大きなポケットが付いているカーゴパンツなどでは、工具などを収納・装着できるというメリットも挙げられます。

作業着の効果を適切に得るためには、正しく着用することが必要であり、主には

  • 身体にピッタリと合うサイズを選ぶ
  • ほころびは修繕する
  • 肌を露出しない

などに気をつけることが必要です。

作業着の選び方

作業着は用途が多岐に渡るため、付加される機能性にも下記のような様々な種類があります。用途に合わせて適切なものを選択することが必要です。

1.撥水・防水

撥水加工や防水加工付き作業着は、農作業や漁業などの水を扱う現場や造園業などの雨風にさらされやすい屋外作業などにおいて選択されます。

2.防炎

溶接や鉄鋼など、火花や電気光を使用する現場では、防炎加工された作業服を着用することが必要です。また、帯電防止機能付き作業着も静電気火災などの予防のために使用されます。

3.帯電防止

静電気の発生で引火や、システムに影響が起こりえる職場では、安全上の理由で静電気に強い作業着が求められることがあります。特定の職場では着用が義務付けられていることもあります。日本産業規格「JIS」によって標準化されたJIST8118という、「静電気帯電防止作業服」の規格があります。

4.防汚加工

防汚加工とは、汗、油、泥、皮脂、化粧品など様々な汚れをつきにくく、また、落ちやすくした加工です。フッ素樹脂コーティング、ポリマー樹脂加工、ソイルリリース加工などがあります。清掃業で特に重宝されます。

5.ファン付き

ファン付き作業着とは、服に取り付けた小型ファンで服の中に外気を取り込み、汗の気化熱で身体を冷やす仕組みを備えた作業着です。真夏や暑さの厳しい現場などの暑さ対策に着用され、その中でも上記のような撥水・防水・防炎などの機能を付加した様々な種類があります。

作業着のその他情報

様々な業界・作業において使用されることから、多様な種類があります。形状の種類は主に下記の通りです。

形状

  • つなぎ
  • ジャケット
  • シャツ
  • ワークパンツ

つなぎタイプは、上下がつながっていることから、ほこりや汚れの侵入を最も防ぐことができます。ベルトが不要となり、安全性もより高いです。一方、ジャケットタイプは着脱が容易で、脱ぎ着が多い現場などに適しています。

ファン付き作業着

ファン付き作業着とは

ファン付き作業着とは、服に取り付けた小型ファンで服の中に外気を取り込み、汗の気化熱で身体を冷やす仕組みを備えた作業着です。

ファン付き作業着は、ウェア・ファン・バッテリーの3つがセットになって使用されます。真夏や暑さの厳しい現場などの暑さ対策に着用される作業着です。風によって温度を下げるのではなく、風を取り込むことで汗の蒸発を促し、汗の蒸発によって身体の表面の温度を下げる仕組みとなっています。尚、一般的に知られている「空調服(R)」は、株式会社空調服の登録商標です。

ファン付き作業着の使用用途

1. 使用にあたって期待される効果

ファン付き作業着は、暑さの厳しい現場や、炎天下での作業などにおいて暑さ対策に着用される作業着です。身体を冷やすことで快適に過ごすことができ、熱中症などの予防効果が期待されます。また、無駄な汗をかかなくなるため体力の消耗が抑えられる、汗臭が減る、あせもなどの皮膚疾患の予防ができるなどのメリットがあります。

また、エアコンと異なり、人体だけをピンポイントで冷却するため、エネルギーコストを抑えることが可能です。作業員一人あたりの作業効率が上昇すると考えられるため、作業人員のコストも下げられると考えられます。

2. 具体的な使用シーンの例

ファン付き作業着には様々な種類があることから、様々な業界・分野で使用されています。下記は具体的な例の一部です。

  • 建設現場
  • 建築業界
  • 道路工事
  • トンネル工事
  • 自動車整備
  • 林業
  • 漁業
  • 造園業
  • 溶接など火気を扱う製造現場
  • 高所作業
  • 交通整理、線路整備
  • 守衛業務、駐車場誘導
  • イベントスタッフ

また、業務用以外にもカジュアルで家庭用に普段使いできるようなデザインのファン付き作業着も多く販売されており、

  • 各種レジャーやアウトドア (キャンプ・ゴルフ・釣りなど)
  • DIYやガーデニング、犬の散歩などの趣味

などでも着用されることが多くなっています。

ファン付き作業着の原理

1. 冷却の仕組み

ファン付き作業着において、ファンにより取り込まれた空気は作業着と身体を平行に流れます。風が流れる過程で、身体にかいた汗を蒸発させ、身体が気化熱により冷える仕組みです。汗が気化して生じる、身体の表面の暖かく湿った空気は襟元と袖口より排出されます。かいた汗が瞬時に蒸発され続けている状態を保ち、身体の状態に応じた適切な冷却を行うことが可能です。汗 (水) 100mLが蒸発すると、氷800gが解けるときと同じ熱量を体から奪うことができます。

2. ファン付き作業着の構成

ファン付き作業着は、着用するウェアの他、専用バッテリーと、空気を取り込むファン2個、それらを繋ぐケーブルで構成されます。ウェアの洗濯時には簡単にファンの取り外しが可能です。

裾には風を逃さないよう、裾ゴムが入れられています。また、製品によっては襟の内側に調整紐があり、調製紐を留めることで、首元とウェアの間に空気の通り道が生まれ、より涼しくすることができます。

ファン付き作業着の種類

1. 形状

ファン付き作業着は、様々な現場で使用されることから、現場に合わせて、豊富な種類があります。

  • ベスト
  • 長袖ブルゾン
  • 半袖
  • つなぎ

などの基本的な形状のほか、

  • フード付き (ヘルメットを被ったまま着用可能)
  • フルハーネス対応 (高所作業用)
  • 防炎素材 (火気取扱)
  • 防水・撥水機能を持つレインウェアタイプ
  • 高視認証安全服 (交通整理など)

などの機能性を持った製品があります。現場の特性に合わせて最適なものを選択することが可能です。

2. 素材

ファン付き作業着には、主に、綿やポリエステルが使用されます。

綿100%のファン付き作業着は、火に強く、吸水性や吸湿性に優れています。ただし、洗濯によって、生地の緩みや、色落ちが発生する場合があります。

ポリエステル100%は、最も涼しく感じられる素材です。撥水や透湿、UVカットなどの加工がしやすい人工素材です。ただし、熱に弱いため火気を扱う現場では使えません。

綿とポリエステルの混紡は、綿の着心地のよさと、ポリエステルの優れた冷却性能を合わせ持った素材です。