超伝導コイル

監修:日本ユニバーサル電気株式会社

超伝導コイルとは

超伝導コイルとは、超伝導体の線材で作られたコイルを指します。

超伝導体とは、特定の温度以下になると電気抵抗がゼロになり、物質内部から磁場が排除されるマイスナー効果を示す、特殊な電気伝導性物質です。この現象は「超伝導」と呼ばれ、電気抵抗がゼロになるため、電流を流してもエネルギー損失が起こりません。

超伝導コイルには、液体ヘリウム (-269 ℃ ) で冷却されるNbTi (ニオブチタン) や Nb3Sn (ニオブスズ) などの線材が主に用いられていますが、液体窒素 (-196 ℃ ) で超伝導状態になる高温超伝導体の実用化も進んでいます。

通常の電磁石では、電気抵抗による発熱が必ず生じ、その発熱によって抵抗値がさらに上昇するため、流せる電流には限界があります。一方、超伝導コイルは電気抵抗がないため、発熱なく大きな電流を流すことができ、いったん電流を流して回路を閉じれば、電圧降下なく電流が流れ続けることが特徴です。

超伝導コイルの使用用途

超伝導コイルは、強力な磁場を発生する超伝導電磁石として様々な用途で活用されています。下記の主な用途の他にも、シリコン単結晶製造装置、重粒子線がん治療、発電機など、様々な分野で超伝導コイルが利用されています。

1. NMRとMRI

化学・物理分野の分析機器である核磁気共鳴分光法 (NMR spectroscopy) や医療分野の画像診断に利用される磁気共鳴映像法 (MRI) は、超伝導コイルの代表的な応用例です。これらの装置は、磁場内に置かれた原子核が固有の周波数の電磁波と相互作用することを利用したものであり、超伝導コイルは非常に強い磁場を発生させる電磁石として利用されています。

2. 核融合

磁場閉じ込め方式の核融合炉は、強力な磁場を作り出した中に超高温プラズマを閉じ込めて核融合反応を起こす仕組みです。超伝導コイルは、核融合炉においてこの非常に強力な磁場を作り出す役割を担います。

核融合炉に使用される超伝導コイルには、超伝導トロイダルコイル、超伝導中心ソレノイド、超伝導ヘリカルコイル、超伝導ポロイダルコイルなどの種類があり、核融合炉の形状によって異なっています。

3. リニアモーター

リニアモーターカーでは機動力として車両に超伝導コイルが配置されます。この超伝導コイルはN極、S極が交互に配置され、地上側にもN極とS極が交互となるように配置された推進用コイル (通常の電磁石) や浮上用コイルが配置されます。

車両の推進には、推進用コイルと超伝導コイルとの間で引き合ったり反発したりする力が用いられる仕組みです。また、超電導磁石が通過することで浮上用コイルに電流が流れて磁場が発生し、車両側の超伝導コイルとの間に磁力が働いて車両を浮上させることができます。

本記事は超伝導コイルを製造・販売する日本ユニバーサル電気株式会社様に監修を頂きました。

日本ユニバーサル電気株式会社の会社概要はこちら

中空アンカー

監修:株式会社大里

中空アンカー

中空アンカーとは、ねじや釘を使うことができない中空壁に対して、取り付けができるようにするための金物です。

中空壁とは、中心が空洞になっている壁です。主には、間隔の空いた木材の下地の上に石膏ボードを貼り合わせ、内側が空洞になっている構造の壁を指します。石膏ボードは石膏と紙でできていることから、そのままねじや釘を打ち込むとボードが粉々になってしまい、固定することができません。

中空アンカーは、石膏ボードへ打ち込むとボードの裏側で部品が広がる・垂直に立ち上がる・傘が開くなどの機構を有しており、石膏ボードからの抜け止め作用が働く構造になっています。ボードの表側は、ネジ穴となっており、このネジ穴を利用して所望の取付物を設置することが可能です。

大きく分けてねじ込みタイプと挟み込みタイプがあり、挟み込みタイプは下穴が必要となります。

中空アンカーの使用用途

中空アンカーの使用用途は、主に以下の通りです。

1. 配管・装置取り付け

中空アンカーは、給排水工事、ガス工事、電気工事、冷暖房工事など、各種インフラ系工事において利用されています。具体的な例には、衛生器具・ガス給油管配管、メーター盤や配電盤などの各種計器、照明器具、エアコンやダクトなどの取り付けがあります。

2. 家具・装飾の取り付け 

中空アンカーは、時計・飾り棚・絵画・カーテンレールなどの室内装飾や壁付け家具の取り付けにも利用されています。特に、家具類をビスで壁に留めることで、地震対策としても効果的です。

また、内装間仕切り、階段手すりなど、建築工事において造作材などの取り付けにも利用される場合があります。

3. コンクリート壁への固定

中空アンカーは石膏ボードのほか、コンクリート壁やALC、ブロック、レンガにも利用することが可能なものがあります。金物や配管、設備機器の取り付けなどに利用されることが多いです。

中空アンカーには、鉄製・アルミ製・ステンレス製・プラスチック製など、様々な材質の製品があります。壁の厚みや、固定したいものの耐荷重に合わせて製品を選ぶことが必要です。

本記事は中空アンカーを製造・販売する株式会社大里様に監修を頂きました。

株式会社大里の会社概要はこちら

カタログ制作

監修:TOPPANクロレ株式会社

カタログ制作とは

カタログ制作とは、企業の製品やサービスを紹介するためのカタログを制作するサービスです。

カタログは、製品やサービスを顧客に分かりやすく訴求するための重要なツールです。ターゲットに合わせた魅力的なデザイン、一目でわかるコピー文、読みやすく見やすいレイアウトにする必要があるため、制作には専門的な知見と技術を必要とします。

基本的に、豊富な実績・ノウハウ・知識を持った専門の事業者であれば、企画・デザイン、編集、制作、印刷、配送まで一括したサービスの提供が可能です。また、従来型の紙のカタログのみでなく、デジタルブックに対応している事業者も多くあります。

カタログ制作の使用用途

カタログ制作の使用用途は、主に以下の通りです。

1. 商品カタログ

商品カタログには、一般消費者用の商品・サービスカタログ (BtoC) と、業務販売用カタログ (BtoB) があります。一般消費者用カタログが使用される業種には、雑貨店や洋品店、飲食店、商業施設などがあり多種多様です。

業務販売で使用されるカタログには、小売店向け卸販売、工場などで使用する部品・機器の総合カタログ、オフィスで継続的に利用する事務用品のカタログなどがあります。企業・法人をターゲットとした様々な用途で利用されます。

2. 営業用カタログ

営業用カタログは商談の際や、展示会や販促イベントなどで設置、配布される際に使用されます。

特定の商品を売り込みたい場合には、商品単品でのカタログが制作・利用されることが多いです。一方、展示会やショールームなどで新規顧客に会社全体の魅力を端的にアピールする場合には、キャッチコピーや魅力的なビジュアルを多用した種類のカタログが重宝されています。

3. 通販カタログ

通販カタログは、通信販売に使われるカタログです。カタログの情報だけでそのまま商品が注文できるよう、わかりやすく制作されています。商品の比較検討がしやすいようにレイアウトされることが多いのも特徴です。

通販カタログは一般消費者向けが多いですが、オフィス用品など業務用の通販カタログも制作されています。

本記事はカタログ制作を提供するTOPPANクロレ株式会社様に監修を頂きました。

TOPPANクロレ株式会社の会社概要はこちら

スライドレール

監修:WUXI SAIBO INDUSTRY CO LTD

スライドレールとは

スライドレールとは、家具・什器の扉や引き出しなどの動作をスムーズにするために取り付けられる金物部品です。

スライドレールがなくても引き出しを動かすことは可能ですが、スライドレールを引き出しの側面や底面に取り付けることで、小さい力で重い引き出しを動かせるようになります。主な部品機構は、引き出し側に取り付けるインナーレールと、家具・什器本体側に取り付けるアウターレール、その他動作をスムーズにするための部品から構成されます。

スライドレールの種類は動作機構によって区分され、主なものはローラータイプとベアリングタイプです。また、引き出すことのできるインナーレールの長さでも区分されることがあり、3/4スライド、全長スライドなどの種類が一般的です。その他にも小型・薄型、重量用 (耐荷重が高い) など様々なものがあります。

スライドレールの使用用途

スライドレールの使用用途は、主に以下の通りです。

1. 家庭用家具

スライドレールは、家庭用の家具製品に多く使用されています。システムキッチン、ガスコンロ、収納家具、机など、引き出しを有するあらゆる製品に利用されています。DIYにも活用可能です。

スライドレールの中には、ロック機構、セルフクロージング機構、ソフトクロージング機構などの機能性を付加した製品もあります。このような機能性の高いスライドレールは、家具製品をより安全で利便性の高いものにする効果があります。

2. オフィス・店舗

スライドレールは、店舗の陳列什器、オフィスのキャビネットやデスクなど、業務用にも利用されています。オフィスで利用する引き出しは書類などで重くなりやすく、また店舗什器などは頻繁に利用するため高い耐久性が求められることも多いです。このような用途では引き出しの耐久性を向上させるため、耐荷重の高いスライドレールが活用されています。

3. 業務用・産業用機器

スライドレールは、引き出し状の直動機構を必要とする様々な機器において利用されています。主な用途は、飛行機などの座面シートや様々な車両内装、ATMの内部装置、サーバーラック、工作機械などの産業用機器などです。多くの製品で、ベアリングタイプのスライドレールが利用されます。

本記事はスライドレールを製造・販売するWUXI SAIBO INDUSTRY CO LTD様に監修を頂きました。

WUXI SAIBO INDUSTRY CO LTDの会社概要はこちら

梱包サービス

梱包サービスとは

梱包サービスとは、様々な製品や商品を製造元や販売元に代わって梱包を行うサービスです。

一般的な販売を目的とする商業包装の他、工業シーンにおいては輸送や保管を目的とする梱包など、様々な種類のサービスがあります。梱包を専門とする事業者の多くは、豊富な資材を用意して梱包サービスを提供しているため、依頼すれば自社梱包よりも高品質な仕上がりを期待することが可能です。

サービスの形態には、出張して客先で梱包を行うパターンと、梱包事業者側で商品・製品を預かるパターンがあります。多くのサービスは小ロットからの対応を可能としています。自社商品の特性に合わせて、梱包サービスの業者を選ぶことが大切です。

梱包サービスの使用用途

梱包サービスの使用用途は、主に以下の通りです。

1. 商業包装

商業包装は、販売する商品に対して行われる梱包です。特に、EC事業者向けに梱包を行うサービスが盛んであり、多くのサービスで梱包から発送までを1本化して対応しています。

製品に応じてオリジナルラッピングやギフト用ラッピングもできるサービスや、ポスターやPOP、カレンダーなどの紙製販促物に特化して対応しているサービスなどがあります。

2. 工業製品

工業製品のなかには、販売用の包装とは別に、輸送・輸出や保管の際に梱包を必要とするものがあります。主に、自動車関連部品や製造機器、精密機器、機械部品、大型設備などの梱包が中心です。例えば、自動車産業では海外の組立工場へ日本からエンジン部品が送られることが多いです。

このような工業製品の梱包を専門にしている事業者は、専用の木箱・木枠・強化ダンボールなど工業用の梱包資材やノウハウを持っています。クレーンやフォークリフトによる大型機械や重量物の取り扱いが行われることもあります。

3. 化粧品・医薬部外品

化粧品や医薬部外品の製造には各製造許可が必須ですが、包装や保管業務の取り扱いにおいても製造許可の取得が必要です。このような化粧品・医薬部外品の製造許可を取得している梱包事業者は、化粧品や医薬部外品の取り扱いに特化している場合があります。衛生的な作業環境と徹底した品質管理の下、専門的な梱包サービスを提供します。

来客カウンター

監修:企業警備保障株式会社

来客カウンターとは

来客カウンターの原理

来客カウンターとは、施設の出入り口などに設置して人数を計測することに利用される計器です。

商業施設や店舗を始め、様々な施設における来客者数の把握は、店舗運営や施設運営の上で重要です。来客カウンターは、非接触センサー (3Dセンサー、赤外線センサーなど) やカメラを利用した画像処理システムなどを用いて、出入り口などの特定のエリアを通過した人の人数計測や動きを観測し、分析します。多くの装置において、データはクラウドで管理が可能です。センサーやカメラを設置してインターネット経由で管理を行うだけで管理が可能であり、導入にあたって大掛かりな工事は不要です。

来客カウンターは、別名では、「ピープルカウンター」「トラフィックカウンター」「来店計測システム」「客数情報システム」「人数カウントシステム」などと呼ばれることもあります。

来客カウンターの使用用途

来客カウンターの利用シーンには、商業施設や店舗、公共施設、交通機関、駅、空港など様々なものがあります。

1. 店舗・商業施設

店舗では、来店・来場客数を計測し、効果的な売上向上施策へ繋げる目的で来客カウンターが利用されています。

入口付近へ設置した来客カウンターは入店・退店数を把握することに用いられ、フロア内の計測により方向別通行量・回遊動線・滞留分析が可能です。また、店前通行量と入店数をあわせて計測することによって、入店率を算出することもできます。顔画像認識を行うことのできるシステムでは、来店者の年代・性別の把握を行うことも可能です。

また、混雑する時間帯を把握することで、適切な人員配置に役立てることができます。混雑する時間帯のみ応援人数を増やし、少ない時間帯は逆に減らすなどして、人的コストを最適化することができます。

2. 大型施設における混雑状況の把握

様々な施設において、来客カウンターは混雑状況の把握に利用されています。混雑状況は、イベントや天候などとの相関関係の分析、時間毎の人の流れの分析のほか、リアルタイムでの混雑状況配信などに活用されています。

利用されている主な施設の例には下記のようなものがあります。

  • 図書館・博物館・展覧会・動物園・観光施設
  • 旅館・ホテル・温泉
  • スポーツジム
  • ショッピングセンター・商業ビル

3. 公共施設

駅・空港・自治体施設などの公共施設・公共機関では、来客カウンターを用いて人の流れ・利用状況の把握が行われています。得られたデータは、施設の有効利用や災害時対応の検討など、幅広い用途で活用がなされています。

本記事は来客カウンターを製造・販売する企業警備保障株式会社様に監修を頂きました。

企業警備保障株式会社の会社概要はこちら

インクタグ

監修:企業警備保障株式会社

インクタグとは

インクタグの原理

インクタグとは、商品などの持ち去りを防ぐために取り付けられる防犯タグのうちの一種です。

不正にタグを外そうとする場合にインクが漏れて商品を汚損する仕組みです。インクは水性の場合が多いですが、洗濯をしてもシミとして残ってしまう可能性もあり、完全に洗い落とせることを保証するものではありません。

また、取り付け機構がピン針になっているものが主流で、衣料品であれば取り付けが簡単で汎用性が高く、こちらも無理に外そうとすると商品が破れたり、穴が広がったりして、商品価値をなくしてしまいます。防犯タグの中でも特に単体での威嚇効果が高いタグであるといえます。近年では、より多くの商品への取り付けに適合するよう様々な形状のものが開発されており、年々進化し続けています。

インクタグは、持ち出しを感知するための防犯ゲートとセットで導入されることがあります。インクタグがついている物をそのまま外へ持ち出そうとすると、出入り口に設置した防犯ゲートで警報音が鳴る仕組みです。

インクタグの原理

インクタグには、センサー入りとそうでないものがあり、低コスト運用であればセンサーなしの方が確かに安価ですが、たとえ防犯ゲートと併用しない場合でも、基本的にはセンサー入りタグの使用が推奨されます。その理由としては、会計時にタグを外し忘れてしまい、タグが付いたままの商品を持ち帰った購入者とのトラブルを避けるためです。タグを取り付けする担当と会計時にタグを外す担当はそれぞれ別の場合が多いため、タグが誤って複数個取り付けされていた場合やタグが商品の目立ちにくい部分に取り付けされていた場合、目視での確認だけだと見逃してしまう場合が多く、常にタグ外し忘れのリスクを伴います。そのような状況を生まないように、センサー入りのインクタグとタグチェッカー(センサータグ信号を検知し発報する小型の機械)を導入し、会計時には一度商品をタグチェッカーに通すプロセスを挟むことで、タグ外し忘れを防止することが可能です。

インクタグの使用用途

インクタグは、不正な持ち出しを検出したい、あるいはゲートなしでの防犯をしたい小売店向けに様々なシーンで利用されています。

インクタグの原理

インクタグ取付例

1. 防犯ゲートを使用する衣料品店

小売店では、デパートの衣料品コーナーやアパレルショップを中心に導入が進んでいます。近年では中古品市場の拡大に伴い、商品点数が多い古着店などにおける需要が高まっています。また、昨今は衣料品の大量窃盗事件が多発しており、様々な衣料品取扱店が防犯体制の強化に取り組む中で、最も有効かつ経済的な防犯対策のひとつとして再注目されています。商品タグを会計の際にレジで取り外すことにより、警報音が鳴らなくなります。このようにして正規の手続きを踏んだ持ち帰りと不正な持出しとを区別することが可能です。

また、セルフレジの導入が進んでいる店舗では、防犯タグを活用することで会計漏れ・意図的な未会計商品の持ち出しを防ぐことが可能です。セルフレジ向けのハードタグの開発導入も進んでいます。

2. 防犯ゲートを使用しない小売店

一部の小売店では、防犯ゲートを設置するほど十分なスペースが確保できない、あるいは防犯ゲートの持つ威圧感によって店舗に近づきにくい印象を与えてしまう、といった防犯ゲートのデメリットを考慮した結果、あえて防犯ゲートなしでの運用が採用されています。

また、防犯対策に多くの予算を割けない小売店にとっては、インクタグの「無理矢理外そうとすると商品を汚損したり傷つけたりして商品価値をなくす特性」で万引き犯や窃盗犯の心理を突くことで、インクタグ単体での運用も低コストでの有効な手立てのひとつとして考えられます。

本記事はインクタグを製造・販売する企業警備保障株式会社様に監修を頂きました。

企業警備保障株式会社の会社概要はこちら

自鳴タグ

監修:企業警備保障株式会社

自鳴タグとは

自鳴タグの原理

自鳴タグとは、防犯タグの一種で、タグ自体に警報音を発する仕組みが備わっている製品です。

自鳴タグは、他の防犯タグと同様に、持ち出しを感知するための防犯ゲートとセットで導入されることが多いです。自鳴タグは、無効化処理や取り外しを行わずに不正に持ち出そうとすると、出入り口に設置した防犯ゲートで警報音が鳴ります。この際、自鳴タグは、タグ自体とゲートの両方から音が鳴ります。大きな警報効果が得られるとともに、タグ自体から音が出るため、人混みの中でも対象者を絞りやすいことが特徴です。

また、自鳴タグを無理やり外そうとした場合もタグから警告音が発せられます。ラベルタグなどとは異なり、基本的に店舗で回収して再度利用する方法が一般的です。ただし、基本的には電池駆動のため、バッテリー切れすると防犯性能が半減してしまいます。その際、電池交換が可能な機種かどうかはランニングコストを抑える上で大事な指標になります。

自鳴タグは一般的に3段階のセキュリティレベルが設けられており、それぞれ下記の通り定められています。

1アラーム目:防犯ゲート通過時にゲートが発報
2アラーム目:不正にタグが外されるとタグ本体が発報
3アラーム目:防犯ゲート通過時にタグ本体が発報

1の機能は通常の防犯タグと共通で、これは電池が切れていても機能します。
ゲート非対応の自鳴タグは2の機能のみ持っています。
1,2の機能を持つ自鳴タグを「2アラーム方式」あるいは「デュアルアラーム」と呼び、1,2,3全ての機能を持つ自鳴タグを「3アラーム方式」あるいは「トリプルアラーム」と呼びます。より多くの発報トリガーを有する自鳴タグの方がハイセキュリティかつ高価となります。

自鳴タグの原理

自鳴タグの使用用途

自鳴タグは一般の防犯タグと同様に、不正な持ち出しを検出したい様々なシーンで利用されています。

自鳴タグの原理

自鳴タグ取付例

1. 小売店

自鳴タグは、比較的小売単価の高い、高額商品の盗難防止として小売店で利用されています。取り付けられる主な商品は、電化製品、パソコン・タブレット・スマートフォンなどの高額情報機器、ハイブランド品、アパレル品、スポーツ用品、工具、カー用品、プレミア付き中古品取引 (玩具・フィギュアなど) などです。販売する商品だけでなく、家電量販店に展示されるデモ機の盗難防止などにも利用されています。

また、自鳴タグの利点の一つに警報音の原因となっている対象者を判別しやすいという特徴があります。そのため、出入り口付近が混雑しやすい百貨店、もしくは店舗の広さゆえに従業員が声掛けしにくいホームセンターなどの郊外型大型店舗でも十分な効果を期待することが可能です。

2. ボトル

自鳴タグの中には、ボトル製品専用の自鳴タグ製品が存在します。ボトル専用自鳴タグは、ボトルの不正な開封を防止し、中身のみの盗難を防ぐことが可能です。特にウイスキー・ワインなどの高額ボトルに使用されることが多い傾向にあります。

3. ショーケース

自鳴タグの中には、ショーケースの防犯に特化した製品が存在します。ショーケースのスライド扉を開けようとすると発報する仕組みになっており、ショーケースの不正な開閉を防止し、ショーケースの中の商品の盗難を防ぐことが可能です。ショーケースは特に高額商品を仕舞っておくことが多いため、重要な防犯対象のひとつとなっています。

本記事は自鳴タグを製造・販売する企業警備保障株式会社様に監修を頂きました。

企業警備保障株式会社の会社概要はこちら

防犯タグ

監修:企業警備保障株式会社

防犯タグとは

防犯タグの原理

防犯タグとは、商品などの持ち去りを防ぐために取り付けられるセンサータグです。

防犯タグは、持ち出しを感知するための防犯ゲートとセットで導入されることがあります。防犯タグがついている物をそのまま外へ持ち出そうとすると、出入り口に設置した防犯ゲートで警報音が鳴る仕組みです。

防犯タグの原理

防犯タグには、ラベルタグ (紙やフィルム製) 、自鳴式タグ (タグ自体に警報音を発する仕組みが備わっている防犯タグ) 、インク式タグ、ボトル用タグ、メガネフレームタグなどの種類があります。その中でも特に高額商品の防犯は特に需要が多い為、その商品に特化した専用のタグが優先して開発される傾向があります。

特に、自鳴式タグやインク式タグはタグの不正な取り外しに対しても対策がされています。自鳴式タグはタグを無理やり外そうとするとタグから警告音が発せられ、また、インク式タグは不正にタグを外そうとする場合にインクが漏れて商品を汚損する仕組みです。

また、近年ではフリマアプリの発展に伴って、一般の消費者間でも取引が頻繁に行われるようになりました。便利である一方、中には盗品がまぎれるケースもあり、とりわけ防犯タグがついたまま出回っている商品などは盗品である可能性が疑われます。デジタル社会の発展に伴い、アナログな防犯タグの重要性は今後ますます高まっていくことが予想されます。

防犯タグの使用用途

防犯タグは、不正な持ち出しを検出したい様々なシーンで利用されています。

防犯タグの原理

防犯タグ取付例

1. 小売店

小売店では、アパレルショップ、ホームセンターや家電量販店、CDショップ、本屋、ドラッグストアなどで導入が進んでいます。商品タグを会計の際にレジで取り外す、もしくは無効化処理を行うことにより、警報音が鳴らなくなります。このようにして正規の手続きを踏んだ持ち帰りと不正な持出しとを区別することが可能です。

万引きが多発しやすい業種の小売店や、家電量販店などのように一点あたりの商品金額が高額になりやすい店舗で特に利用されます。

また、セルフレジの導入が進んでいる店舗では、防犯タグを活用することで会計漏れ・意図的な未会計商品の持ち出しを防ぐことが可能です。セルフレジ向けのハードタグの開発導入も進んでいます。

2. 貸出施設

小売店以外では、図書館、レンタルビデオ店などにおいて不正な館外持ち出しを防ぐために使用されています。

このような貸出施設では、商品を包装する小売店よりもさらに不正持ち出しを見つけることが難しいですが、防犯タグを導入することで、容易に不正持ち出しを防ぐことが可能です。

本記事は防犯タグを製造・販売する企業警備保障株式会社様に監修を頂きました。

企業警備保障株式会社の会社概要はこちら

スマートメーター

監修:Unabiz Japan株式会社

スマートメーターとは

スマートメーターとは、デジタル方式で電力量、ガスの使用量、水道の使用量などを計測し、通信機能を搭載したメーターのことです。

またデジタル式メーターのデータを外付けのNCU (Network Control Unit) で通信する方式もあります。従来式のアナログ式メーターと異なり、スマートメーターは検針員による現地での目視検針が不要です。通信機能を用いて、リアルタイムの電力使用量データが電力・ガス・水道会社へ送信されます。LPガスなどでは配送の最適化のデータとしても活用できます。

一般に検針データには大きな転送量は求められず、リアルタイム性も高くない一方で、各需要家のメーター毎に設置するため大規模に展開される傾向にあり、費用対効果の高いデバイスや通信方式が求められます。またバッテリー寿命の長いデバイスが求められます。

スマートメーターの使用用途

スマートメーターの使用用途は主に以下の通りです。

1. ブレーカー機能

スマートメーターはブレーカーの機能を有しています。一時的に使用電力量が過剰になってブレーカーが落ちた場合、約10秒後に自動で復旧が可能です。従来の分電盤のように手動でブレーカーを上げて復旧させる作業は不要です。スマートメーターをHEMS (Home Energy Management System) と接続して連動させることにより検診データは自動的に電力・ガス・水道会社へ送信されるため、目視による検針業務は不要になり、コストカットにつながり、利用者側でも電力量を細かく可視化することができます。

2. 安否確認

例えば、高齢者や在宅患者の世帯の電力使用量をモニタリングして、遠隔で見守ることが可能です。離れた家族に対して使用電力量のデータをリアルタイムに配信することで、生活リズムによる電力消費の変化を利用した安否確認ができます。

3. 30分単位の計測

スマートメーターは30分単位で電力使用量を計測できるため、時間帯によって電力量料金が変わるプランなど、電力会社が様々なプランを提供しやすくなっています。日中と夜間で電力量料金単価の設定が異なる料金プランなどが提供されており、消費者にとって利便性高く電気を使用することが可能です。特にLPガスなど配送が必要な業界においては、スマートメーターにて取得したデータを活用して、需要家への配送タイミングや配送ルートを最適化することが可能です。配送効率を向上させることで配送コストの削減につながります。

本記事はスマートメーター製造・販売するUnabiz Japan株式会社社様に監修を頂きました。

Unabiz Japan株式会社の会社概要はこちら