中空アンカー

中空アンカー

中空アンカーとは、ねじや釘を使うことができない中空壁に対して、取り付けができるようにするための金物です。

中空壁とは、中心が空洞になっている壁です。主には、間隔の空いた木材の下地の上に石膏ボードを貼り合わせ、内側が空洞になっている構造の壁を指します。石膏ボードは石膏と紙でできていることから、そのままねじや釘を打ち込むとボードが粉々になってしまい、固定することができません。中空アンカーは、石膏ボードへ打ち込むとボードの裏側で部品が広がる・垂直に立ち上がる・傘が開くなどの機構を有しており、石膏ボードからの抜け止め作用が働く構造になっています。ボードの表側は、ネジ穴となっており、このネジ穴を利用して所望の取付物を設置することが可能です。

大きく分けてねじ込みタイプと挟み込みタイプがあり、挟み込みタイプは下穴が必要となります。様々な種類の製品があるため、壁の厚みに合ったもの、固定したいものの耐荷重に合ったものを選ぶことが必要です。鉄製・アルミ製・ステンレス製・プラスチック製など、様々な材質の製品が提供されています。

中空アンカーの使用用途

1. 配管・装置取り付け

中空アンカーは、給排水工事、ガス工事、電気工事、冷暖房工事など、各種インフラ系工事において利用されています。具体的な例には、衛生器具・ガス給油管配管、メーター盤や配電盤などの各種計器、照明器具、エアコンやダクトなどの取り付けがあります。

2. 家具・装飾の取り付け 

中空アンカーは、時計・飾り棚・絵画・カーテンレールなどの室内装飾や壁付け家具の取り付けにも利用されています。特に、家具類をビスで壁に留めることで、地震対策としても効果的です。

また、内装間仕切り、階段手すりなど、建築工事において造作材などの取り付けにも利用される場合があります。

3. コンクリート壁への固定

中空アンカーは石膏ボードのほか、コンクリート壁やALC、ブロック、レンガにも利用することが可能なものがあります。金物や配管、設備機器の取り付けなどに利用されることが多いです。