来客カウンター

監修:企業警備保障株式会社

来客カウンターとは

来客カウンターの原理

来客カウンターとは、施設の出入り口などに設置して人数を計測することに利用される計器です。

商業施設や店舗を始め、様々な施設における来客者数の把握は、店舗運営や施設運営の上で重要です。来客カウンターは、非接触センサー (3Dセンサー、赤外線センサーなど) やカメラを利用した画像処理システムなどを用いて、出入り口などの特定のエリアを通過した人の人数計測や動きを観測し、分析します。多くの装置において、データはクラウドで管理が可能です。センサーやカメラを設置してインターネット経由で管理を行うだけで管理が可能であり、導入にあたって大掛かりな工事は不要です。

来客カウンターは、別名では、「ピープルカウンター」「トラフィックカウンター」「来店計測システム」「客数情報システム」「人数カウントシステム」などと呼ばれることもあります。

来客カウンターの使用用途

来客カウンターの利用シーンには、商業施設や店舗、公共施設、交通機関、駅、空港など様々なものがあります。

1. 店舗・商業施設

店舗では、来店・来場客数を計測し、効果的な売上向上施策へ繋げる目的で来客カウンターが利用されています。

入口付近へ設置した来客カウンターは入店・退店数を把握することに用いられ、フロア内の計測により方向別通行量・回遊動線・滞留分析が可能です。また、店前通行量と入店数をあわせて計測することによって、入店率を算出することもできます。顔画像認識を行うことのできるシステムでは、来店者の年代・性別の把握を行うことも可能です。

また、混雑する時間帯を把握することで、適切な人員配置に役立てることができます。混雑する時間帯のみ応援人数を増やし、少ない時間帯は逆に減らすなどして、人的コストを最適化することができます。

2. 大型施設における混雑状況の把握

様々な施設において、来客カウンターは混雑状況の把握に利用されています。混雑状況は、イベントや天候などとの相関関係の分析、時間毎の人の流れの分析のほか、リアルタイムでの混雑状況配信などに活用されています。

利用されている主な施設の例には下記のようなものがあります。

  • 図書館・博物館・展覧会・動物園・観光施設
  • 旅館・ホテル・温泉
  • スポーツジム
  • ショッピングセンター・商業ビル

3. 公共施設

駅・空港・自治体施設などの公共施設・公共機関では、来客カウンターを用いて人の流れ・利用状況の把握が行われています。得られたデータは、施設の有効利用や災害時対応の検討など、幅広い用途で活用がなされています。

本記事は来客カウンターを製造・販売する企業警備保障株式会社様に監修を頂きました。

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インクタグ

監修:企業警備保障株式会社

インクタグとは

インクタグの原理

インクタグとは、商品などの持ち去りを防ぐために取り付けられる防犯タグのうちの一種です。

不正にタグを外そうとする場合にインクが漏れて商品を汚損する仕組みです。インクは水性の場合が多いですが、洗濯をしてもシミとして残ってしまう可能性もあり、完全に洗い落とせることを保証するものではありません。

また、取り付け機構がピン針になっているものが主流で、衣料品であれば取り付けが簡単で汎用性が高く、こちらも無理に外そうとすると商品が破れたり、穴が広がったりして、商品価値をなくしてしまいます。防犯タグの中でも特に単体での威嚇効果が高いタグであるといえます。近年では、より多くの商品への取り付けに適合するよう様々な形状のものが開発されており、年々進化し続けています。

インクタグは、持ち出しを感知するための防犯ゲートとセットで導入されることがあります。インクタグがついている物をそのまま外へ持ち出そうとすると、出入り口に設置した防犯ゲートで警報音が鳴る仕組みです。

インクタグの原理

インクタグには、センサー入りとそうでないものがあり、低コスト運用であればセンサーなしの方が確かに安価ですが、たとえ防犯ゲートと併用しない場合でも、基本的にはセンサー入りタグの使用が推奨されます。その理由としては、会計時にタグを外し忘れてしまい、タグが付いたままの商品を持ち帰った購入者とのトラブルを避けるためです。タグを取り付けする担当と会計時にタグを外す担当はそれぞれ別の場合が多いため、タグが誤って複数個取り付けされていた場合やタグが商品の目立ちにくい部分に取り付けされていた場合、目視での確認だけだと見逃してしまう場合が多く、常にタグ外し忘れのリスクを伴います。そのような状況を生まないように、センサー入りのインクタグとタグチェッカー(センサータグ信号を検知し発報する小型の機械)を導入し、会計時には一度商品をタグチェッカーに通すプロセスを挟むことで、タグ外し忘れを防止することが可能です。

インクタグの使用用途

インクタグは、不正な持ち出しを検出したい、あるいはゲートなしでの防犯をしたい小売店向けに様々なシーンで利用されています。

インクタグの原理

インクタグ取付例

1. 防犯ゲートを使用する衣料品店

小売店では、デパートの衣料品コーナーやアパレルショップを中心に導入が進んでいます。近年では中古品市場の拡大に伴い、商品点数が多い古着店などにおける需要が高まっています。また、昨今は衣料品の大量窃盗事件が多発しており、様々な衣料品取扱店が防犯体制の強化に取り組む中で、最も有効かつ経済的な防犯対策のひとつとして再注目されています。商品タグを会計の際にレジで取り外すことにより、警報音が鳴らなくなります。このようにして正規の手続きを踏んだ持ち帰りと不正な持出しとを区別することが可能です。

また、セルフレジの導入が進んでいる店舗では、防犯タグを活用することで会計漏れ・意図的な未会計商品の持ち出しを防ぐことが可能です。セルフレジ向けのハードタグの開発導入も進んでいます。

2. 防犯ゲートを使用しない小売店

一部の小売店では、防犯ゲートを設置するほど十分なスペースが確保できない、あるいは防犯ゲートの持つ威圧感によって店舗に近づきにくい印象を与えてしまう、といった防犯ゲートのデメリットを考慮した結果、あえて防犯ゲートなしでの運用が採用されています。

また、防犯対策に多くの予算を割けない小売店にとっては、インクタグの「無理矢理外そうとすると商品を汚損したり傷つけたりして商品価値をなくす特性」で万引き犯や窃盗犯の心理を突くことで、インクタグ単体での運用も低コストでの有効な手立てのひとつとして考えられます。

本記事はインクタグを製造・販売する企業警備保障株式会社様に監修を頂きました。

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自鳴タグ

監修:企業警備保障株式会社

自鳴タグとは

自鳴タグの原理

自鳴タグとは、防犯タグの一種で、タグ自体に警報音を発する仕組みが備わっている製品です。

自鳴タグは、他の防犯タグと同様に、持ち出しを感知するための防犯ゲートとセットで導入されることが多いです。自鳴タグは、無効化処理や取り外しを行わずに不正に持ち出そうとすると、出入り口に設置した防犯ゲートで警報音が鳴ります。この際、自鳴タグは、タグ自体とゲートの両方から音が鳴ります。大きな警報効果が得られるとともに、タグ自体から音が出るため、人混みの中でも対象者を絞りやすいことが特徴です。

また、自鳴タグを無理やり外そうとした場合もタグから警告音が発せられます。ラベルタグなどとは異なり、基本的に店舗で回収して再度利用する方法が一般的です。ただし、基本的には電池駆動のため、バッテリー切れすると防犯性能が半減してしまいます。その際、電池交換が可能な機種かどうかはランニングコストを抑える上で大事な指標になります。

自鳴タグは一般的に3段階のセキュリティレベルが設けられており、それぞれ下記の通り定められています。

1アラーム目:防犯ゲート通過時にゲートが発報
2アラーム目:不正にタグが外されるとタグ本体が発報
3アラーム目:防犯ゲート通過時にタグ本体が発報

1の機能は通常の防犯タグと共通で、これは電池が切れていても機能します。
ゲート非対応の自鳴タグは2の機能のみ持っています。
1,2の機能を持つ自鳴タグを「2アラーム方式」あるいは「デュアルアラーム」と呼び、1,2,3全ての機能を持つ自鳴タグを「3アラーム方式」あるいは「トリプルアラーム」と呼びます。より多くの発報トリガーを有する自鳴タグの方がハイセキュリティかつ高価となります。

自鳴タグの原理

自鳴タグの使用用途

自鳴タグは一般の防犯タグと同様に、不正な持ち出しを検出したい様々なシーンで利用されています。

自鳴タグの原理

自鳴タグ取付例

1. 小売店

自鳴タグは、比較的小売単価の高い、高額商品の盗難防止として小売店で利用されています。取り付けられる主な商品は、電化製品、パソコン・タブレット・スマートフォンなどの高額情報機器、ハイブランド品、アパレル品、スポーツ用品、工具、カー用品、プレミア付き中古品取引 (玩具・フィギュアなど) などです。販売する商品だけでなく、家電量販店に展示されるデモ機の盗難防止などにも利用されています。

また、自鳴タグの利点の一つに警報音の原因となっている対象者を判別しやすいという特徴があります。そのため、出入り口付近が混雑しやすい百貨店、もしくは店舗の広さゆえに従業員が声掛けしにくいホームセンターなどの郊外型大型店舗でも十分な効果を期待することが可能です。

2. ボトル

自鳴タグの中には、ボトル製品専用の自鳴タグ製品が存在します。ボトル専用自鳴タグは、ボトルの不正な開封を防止し、中身のみの盗難を防ぐことが可能です。特にウイスキー・ワインなどの高額ボトルに使用されることが多い傾向にあります。

3. ショーケース

自鳴タグの中には、ショーケースの防犯に特化した製品が存在します。ショーケースのスライド扉を開けようとすると発報する仕組みになっており、ショーケースの不正な開閉を防止し、ショーケースの中の商品の盗難を防ぐことが可能です。ショーケースは特に高額商品を仕舞っておくことが多いため、重要な防犯対象のひとつとなっています。

本記事は自鳴タグを製造・販売する企業警備保障株式会社様に監修を頂きました。

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防犯タグ

監修:企業警備保障株式会社

防犯タグとは

防犯タグの原理

防犯タグとは、商品などの持ち去りを防ぐために取り付けられるセンサータグです。

防犯タグは、持ち出しを感知するための防犯ゲートとセットで導入されることがあります。防犯タグがついている物をそのまま外へ持ち出そうとすると、出入り口に設置した防犯ゲートで警報音が鳴る仕組みです。

防犯タグの原理

防犯タグには、ラベルタグ (紙やフィルム製) 、自鳴式タグ (タグ自体に警報音を発する仕組みが備わっている防犯タグ) 、インク式タグ、ボトル用タグ、メガネフレームタグなどの種類があります。その中でも特に高額商品の防犯は特に需要が多い為、その商品に特化した専用のタグが優先して開発される傾向があります。

特に、自鳴式タグやインク式タグはタグの不正な取り外しに対しても対策がされています。自鳴式タグはタグを無理やり外そうとするとタグから警告音が発せられ、また、インク式タグは不正にタグを外そうとする場合にインクが漏れて商品を汚損する仕組みです。

また、近年ではフリマアプリの発展に伴って、一般の消費者間でも取引が頻繁に行われるようになりました。便利である一方、中には盗品がまぎれるケースもあり、とりわけ防犯タグがついたまま出回っている商品などは盗品である可能性が疑われます。デジタル社会の発展に伴い、アナログな防犯タグの重要性は今後ますます高まっていくことが予想されます。

防犯タグの使用用途

防犯タグは、不正な持ち出しを検出したい様々なシーンで利用されています。

防犯タグの原理

防犯タグ取付例

1. 小売店

小売店では、アパレルショップ、ホームセンターや家電量販店、CDショップ、本屋、ドラッグストアなどで導入が進んでいます。商品タグを会計の際にレジで取り外す、もしくは無効化処理を行うことにより、警報音が鳴らなくなります。このようにして正規の手続きを踏んだ持ち帰りと不正な持出しとを区別することが可能です。

万引きが多発しやすい業種の小売店や、家電量販店などのように一点あたりの商品金額が高額になりやすい店舗で特に利用されます。

また、セルフレジの導入が進んでいる店舗では、防犯タグを活用することで会計漏れ・意図的な未会計商品の持ち出しを防ぐことが可能です。セルフレジ向けのハードタグの開発導入も進んでいます。

2. 貸出施設

小売店以外では、図書館、レンタルビデオ店などにおいて不正な館外持ち出しを防ぐために使用されています。

このような貸出施設では、商品を包装する小売店よりもさらに不正持ち出しを見つけることが難しいですが、防犯タグを導入することで、容易に不正持ち出しを防ぐことが可能です。

本記事は防犯タグを製造・販売する企業警備保障株式会社様に監修を頂きました。

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スマートメーター

監修:Unabiz Japan株式会社

スマートメーターとは

スマートメーターとは、デジタル方式で電力量、ガスの使用量、水道の使用量などを計測し、通信機能を搭載したメーターのことです。

またデジタル式メーターのデータを外付けのNCU (Network Control Unit) で通信する方式もあります。従来式のアナログ式メーターと異なり、スマートメーターは検針員による現地での目視検針が不要です。通信機能を用いて、リアルタイムの電力使用量データが電力・ガス・水道会社へ送信されます。LPガスなどでは配送の最適化のデータとしても活用できます。

一般に検針データには大きな転送量は求められず、リアルタイム性も高くない一方で、各需要家のメーター毎に設置するため大規模に展開される傾向にあり、費用対効果の高いデバイスや通信方式が求められます。またバッテリー寿命の長いデバイスが求められます。

スマートメーターの使用用途

スマートメーターの使用用途は主に以下の通りです。

1. ブレーカー機能

スマートメーターはブレーカーの機能を有しています。一時的に使用電力量が過剰になってブレーカーが落ちた場合、約10秒後に自動で復旧が可能です。従来の分電盤のように手動でブレーカーを上げて復旧させる作業は不要です。スマートメーターをHEMS (Home Energy Management System) と接続して連動させることにより検診データは自動的に電力・ガス・水道会社へ送信されるため、目視による検針業務は不要になり、コストカットにつながり、利用者側でも電力量を細かく可視化することができます。

2. 安否確認

例えば、高齢者や在宅患者の世帯の電力使用量をモニタリングして、遠隔で見守ることが可能です。離れた家族に対して使用電力量のデータをリアルタイムに配信することで、生活リズムによる電力消費の変化を利用した安否確認ができます。

3. 30分単位の計測

スマートメーターは30分単位で電力使用量を計測できるため、時間帯によって電力量料金が変わるプランなど、電力会社が様々なプランを提供しやすくなっています。日中と夜間で電力量料金単価の設定が異なる料金プランなどが提供されており、消費者にとって利便性高く電気を使用することが可能です。特にLPガスなど配送が必要な業界においては、スマートメーターにて取得したデータを活用して、需要家への配送タイミングや配送ルートを最適化することが可能です。配送効率を向上させることで配送コストの削減につながります。

本記事はスマートメーター製造・販売するUnabiz Japan株式会社社様に監修を頂きました。

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歯科用研磨剤

歯科用研磨剤とは

歯科用研磨剤とは、歯のプラーク・着色の除去や歯面研磨、人工歯・義歯床などの研磨を目的として歯科医院などで使用されている研磨剤です。

成分や用途によって、ペースト状・固形・粉状などの製品があります。

ペースト状の研磨剤の成分は、ダイヤモンド砥粒、無水ケイ酸、ハイドロキシアパタイトなどが中心です。研磨対象物 (天然歯、セラミックス、金属、レジンなど) によって種類が分けられている他、用途に応じて研磨剤粒径の違いや、フッ素添加、殺菌効果の有無などがあります。

粉末状の研磨剤には、アルミナやガラスビーズがあり、歯科用サンドブラストなどと共に使用されることが多いです。固形研磨剤は、研磨対象の天然歯や歯冠修復材、補綴物などに塗布して使用されます。それ以外に、レジン用バレル研磨機用の研磨剤ストーンなどもあります。

歯科用研磨剤の使用用途

歯科用研磨剤の使用用途は主に以下の通りです。

1. 清掃

歯科用研磨剤は、口腔内クリーニングに使用されています。歯科用研磨剤を用いて清掃を行うことにより、歯の表面に付着するプラーク (歯垢) や着色汚れ (ステイン) を除去する事が可能です。ペースト状研磨剤が用いられることが多く、しばしば虫歯予防のためにフッ素や殺菌成分が含有されている製品が選択されます。

このような目的で使用される歯科用研磨剤は、歯科医院などの医療機関のみでなく、家庭用に患者に提供される場合もあります。

2. 歯面研磨

歯科用研磨剤は、歯面につやを出したり滑沢化を図る目的でも使用されています。スケーリング後の一次研磨、二次研磨、フィッシャーシーラント前の歯面研磨など、様々なシーンでの用途があります。天然歯と詰め物などの修復材とでは硬さが異なるため、用途に合った製品を選択することが必要です。

また、シーラントなどにおいては、フッ素が接着効果を弱める性質を持つため、歯面研磨の用途ではフッ素が含まれない歯科用研磨剤が用いられることが多いです。

3. 歯科技工用

義歯、入れ歯、被せ物、詰め物など、様々な修復材・補綴物は、患者に適合するよう適切に研磨を施す必要があります。咬合調整、接着面の研磨、つや出しなど、様々な用途の研磨剤が利用されています。

圧電センサー

監修:富士紡ホールディングス株式会社

圧電センサーとは

圧電センサーの原理

圧電センサーとは、圧電効果を用いて力を検出するセンサーのことです。

圧電効果は、水晶やトルマリン、強誘電性セラミックス、有機強誘電体のような一部の誘電体 (圧電体) に見られます。これらの素材に圧力が加わると電荷を生成します。すなわち、圧電効果とは機械的応力 (圧力) に比例して電圧が発生する現象です。

圧電センサーは計測範囲が非常に大きいという特徴があり、センサーの小型化も可能です。構造は、圧電体を電極で挟み込んだシンプルな構造です。有機強誘電体を使用した場合は非常に柔軟性があり、厚みの小さいセンサーを製作することも可能です。高温・低温や過負荷に対する耐性がある物も多く、長寿命で、疲労耐久性と長期安定性にも優れています。

圧電センサーの使用用途

圧電センサーは、様々な動的圧力、振動などの測定に使用されています。

1. 工業用途

工業用途では、主に構造部材の表面に入ったひずみの変化を測定することに使用されています。構造物のひずみは加えられた負荷に比例して生じることから、ひずみを圧電センサーで測定することにより、間接的に荷重の測定を行うことが可能です。

活用されている分野には、プレス加工、圧着加工、圧入加工、溶接加工、切削・研削加工における機械的自動化、組立設備の自動化などがあります。圧電センサーを用いてプロセスの監視や制御が行われています。

製品検査では、スイッチやバネに掛かる力、コネクタの挿抜力を圧電センサーで測定することによって良否を判定することがあります。これ以外にも、機構部品の故障検知、インフラのトラブル検知、ロボットの指先センサなどの用途、振動センサーとしての用途も一般的です。

2. 対人センサー

圧電センサーは対人用途において様々な場面で活用されています。医療分野では、脈波形、脈間隔、脈拍数などのウエアラブル生体センサとして使用されます。

また、居眠りや疲労を検知するための車両シート、体調の長期モニタリング用の測定寝具、高齢者の見守りマットシートなど、各種対人検知用のセンサーとしても使用可能です。圧電センサーを使用したタッチセンサは、静電容量式タッチスイッチと異なり、手袋装着時や指先や操作面が水などに濡れている際も確実に操作できることから、デジタルデバイスなどの用途として注目されています。

本記事は圧電センサーを製造・販売する富士紡ホールディングス株式会社様に監修を頂きました。

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ホットランナーシステム

監修:富士紡ホールディングス株式会社

ホットランナーシステムとは

ホットランナーシステムの原理

ホットランナーシステムとは、プラスチックの射出成形において、溶融樹脂を送り込む金型の流路 (ランナー部) を加熱保持し、製品部分のみを固化させる技術、及びその機構です。

ホットランナーではない、一般的な流路部分が非加熱の構造はコールドランナーと呼ばれています。コールドランナーの場合、樹脂を流す流路であるスプルー・ランナーも金型内で冷却され、スプルー・ランナー内の樹脂も成形品と共に取り出され、成形後に取り除く処理が必要です。

ホットランナーは、スプルー・ランナーが溶融状態に保たれて成形品のみが得られる事から、原料費や廃棄物の削減が可能です。
また、樹脂を流動性が高い状態で製品部に充填できるため、製品の反りやウエルドが抑えられたり、ホットランナーシステムの一種であるバルブゲートシステムを使用すると、大型成型品のウエルド位置を変えたりする事ができます。

ホットランナーシステムは、成形のノズルが当たるノズルタッチ、金型に樹脂を流すためのホットランナーノズル、ノズルタッチとホットランナーノズルまでのランナーの役割をするマニホールドで構成されています。これらの部品には、温度を昇温・保温するためのヒーターとセンサーが取り付けられています。
バルブゲートシステムでは、製品部への樹脂の入口であるゲートを開閉するバルブを備えており、バルブの開閉を制御するコントローラが加わります。

ホットランナーシステムの使用用途

ホットランナーシステムは、様々な業種のプラスチック射出成形で使用されています。ホットランナーシステムはコールドランナーシステムよりも初期費用は高くなる傾向にありますが、ランナーの廃棄がなくなるため、長期的にはコストダウンが見込めます。多数個取り金型などでは、スプルー・ランナーの冷却が不要のため、サイクルタイムが短縮され生産性向上につながります。

1. 自動車産業

自動車産業では、バンパー、インパネ、ドアトリム、ヘッドライト、テールレンズなど様々な部位に中・大型のプラスチック製品が使用されています。このようなプラスチック部品の製造にホットランナーシステムが活用可能です。それ以外にエンジン周りの部品でもプラスチック製品が使用されています。

2. 食品包装

食品包装では、カップ、ガムケース、ペットボトルのキャップ、バターケースなど、様々な形状の包装容器の製造が多数個取りの射出成形で行われています。ホットランナーシステムは、このようなプラスチック包装を効率的に製造することに活用されます。

3. 雑貨・化粧品・医療

日用品として使用される様々なプラスチック製品や、化粧品・シャンプーなどの容器も多数個取りの射出成形で製造されています。また、医療機器部品などの細かなプラスチックも射出成形の製造物です。これらの製品では、一つ一つが小さくなることが多く、廃棄ランナーが出ると材料効率が悪くなりやすい傾向にあります。また、製品に対してランナーが大型化する事で冷却効率が悪くなります。ホットランナーシステムを利用することで、これらの製品も廃棄率やサイクルタイムを抑えて製造することが可能です。

4. 電気・電子部品

電気・電子部品では、エンジニアリングプラスチック/スーパーエンジニアリングプラスチックといった、高価なプラスチックが使用される事が多くなっています。
また、製品が小さい場合が多く、スプルー及びランナーの方が製品より体積が大きく
なる場合もあり、よりコストメリットが高くなります。

本記事はホットランナーシステムを製造・販売する富士紡ホールディングス株式会社様に監修を頂きました。

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車両管理システム

監修:モバイルクリエイト株式会社

車両管理システムとは

車両管理システムとは、業務で使用する様々な車両を一元的に管理するためのシステムです。

物品輸送、顧客訪問、工事・メンテナンス、訪問診療など、自動車・トラックは様々な企業・業種において、幅広い用途で業務に使用されています。車両管理システムは、業務で使用する社用車両や運転するドライバー従業員を適切に管理し、安全確保を行うことが可能なシステムです。また、システムによっては鉄道車両の利用を目的として開発されているものもあります。

主に管理する項目には、各車両の基本情報、稼働率、位置情報・走行履歴、点検・メンテナンス・事故の履歴や、ドライバーの勤怠・健康状態・免許証情報・アルコールチェックの結果などがあります。

多くのシステムでは、車両にGPSなどの機器を取り付けて、自動的に走行データを収集することが可能です。車載端末には、シガーソケットに挿すタイプの小型デバイスや、ドライブレコーダーなどがあります。

また、業務用IP無線機とセットになった商品もあり、ドライバーへの業務指示など、必要な情報連携機能を備えているものもあります。

車両管理システムの使用用途

車両管理システムの使用用途は主に以下の通りです。

1. 物流・運送

物流・運送業では、管理する車両やドライバーの数も多くなる傾向にあります。通常の車両管理のほか、特に長距離トラックドライバーなどにおいてアルコールチェックに重点を置いた車両管理を目的として利用されていることも多いです。

2. 各種サービス・営業・建設施工

物流以外にも、車両を利用するあらゆる業種で車両管理システムを有効活用することが可能です。主なものには、各種送迎サービス (教育期間の生徒送迎、企業の従業員送迎、その他一般的な飲食・サービス業などにおける顧客送迎) や、配送サービス、電気工事やメンテナンスの際の技術者派遣、建設業における施工車両などがあります。法令遵守・安全管理を目的として利用されることが多いです。

また、小売・卸売をはじめとしてあらゆる業種の営業活動には社用車が使用されることが多く、車両管理システムが便利に活用されています。

3. 医療・介護・福祉

医療・介護・福祉の分野でも自動車が利用される局面が多くあり、車両管理システムが活用されます。訪問診療・訪問調剤や訪問介護では、医師・看護師・介護士などを派遣するために自動車を利用しています。医療機関で採取した検体を検査センターへ配送する際も自動車による運搬が行われており、迅速かつ複雑な配車管理をするのに有用です。

また、デイサービス型の介護施設では、自動車による利用者の送迎が行われることも多く、安全管理のために車両管理システムが取り入れられています。

本記事は車両管理システムを提供するモバイルクリエイト株式会社様に監修を頂きました。

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鉛フリーメッキ

監修:日本ミクロ工業株式会社

鉛フリーメッキとは

鉛フリーメッキとは、従来法のSn-Pbメッキに代わって、有害物質である鉛を含まないメッキのことです。

プリント配線板などにおける従来のはんだメッキでは、錫 (Sn) と鉛 (Pb) の混合物が古くから用いられてきました。Sn-Pbメッキは安価で導通性が高い優れた材質ですが、鉛の有毒性が高いため、現在では強い廃棄規制がかかっています。

鉛フリーメッキは、有毒物質である鉛を含まない、代替合金のメッキです。鉛フリーメッキとして使用される合金系の主な種類には、Sn、Sn-Cu、Sn-Bi、Sn-Ag、Ag、Pd、Ni-Pなどが挙げられます。 

鉛フリーの純粋なSnメッキでは、ウィスカー (皮膜中のSn粒子の内部応力により、結晶成分が針状に押し出されたもの) が発生しやすく、実装後の配線短絡の原因となることが指摘されてきました。現在実装されているSnメッキでは、提供各社固有の技術により皮膜状態や使用環境の管理によってウィスカーの発生を抑制する工夫がされています。

また、Sn-Cuをはじめとする様々な組成の合金系が開発されており、優れた実装効果を得ることが可能です。なお、はんだメッキの代替以外では、従来法の無電解ニッケルメッキにも安定化のために鉛が含まれており、こうしたメッキを鉛フリー化して提供する加工も鉛フリーメッキに含まれます。

鉛フリーメッキの使用用途

鉛フリーメッキは主に以下の用途で使用されます。

1. 接合・プリント基板

鉛フリーメッキは、電子部品とプリント配線板の接合をはじめとして、従来法のSn-Pbはんだを代替して様々な接合に使用されています。主な用途先としては、表面実装部品、リードピン、リードフレーム、コネクターなどがあり、フレキシブル基板、リジッド基板などの基板の種類を問わず使用されています。

基板製品に対しては、片面、両面、多層の各種メッキ、めっきレジスト、ワイヤーボンディング実装、部品実装など様々な実装・加工が可能です。

2. 皮膜

接合目的の部分メッキのほか、鉛フリーメッキは部品の表面に全体的に皮膜を形成する目的でも使用されています。下地素材の保護、装飾などさまざまな用途に使用可能です。鉛フリー無電解ニッケルメッキや、その他様々な鉛フリーメッキが利用されています。例えば、金メッキは 耐磨耗性を向上させる目的で電子部品のスイッチの接点部分など、動きの多いところに使用されることが多い傾向にあります。

本記事は鉛フリーメッキを提供する日本ミクロ工業株式会社様に監修を頂きました。

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