FRP水槽

FRP水槽とは

FRP水槽とは、FRP (ガラス繊維強化プラスチック) で製造された水槽です。

FRPは、エポキシ樹脂などのマトリックス樹脂にガラス繊維などの強化材を混ぜて作られる複合材料です。軽量で丈夫であるという特徴があり、丸型・角形をはじめとした様々な形状に成型することが可能です。オールアクリル、オールガラス水槽に比べても本体重量が非常に軽くなります。

他のプラスチック素材と比較すると、FRPは特に屋外での耐久性に優れています。耐熱性や耐薬性、断熱性や耐腐食性を有することが特徴です。不透明な素材ですが、自由に着色することができます。仕切板や底上板を設けるなどの柔軟なカスタマイズが可能であるため、ろ過槽、曝気槽、沈殿槽など、様々な用途で製作することもできます。

FRP水槽の使用用途

FRP水槽の使用用途は主に以下の通りです。

1. 水産

FRP水槽は、水産業分野において様々な用途で活用されています。水産市場用のセリ用、漁港の畜養水槽、アワビなどの貝類稚魚の種苗生産、陸上養殖などの用途があります。特に陸上養殖用水槽には大型のものが利用され、チョウザメなどの養殖も可能です。

角型大型水槽、長楕円型レースウェイ水槽など、製品によって形状・大きさは様々です。設置場所や用途に合ったものが活用されています。

2. 観賞用・展示水槽

魚などの鑑賞・展示・飼育もFRP水槽の主要な用途の一つです。FRP水槽は基本的に不透明ですが、アクリルなどで窓をつけることも可能です。特に屋外での耐候性と耐久性に優れており、池に近い意匠を施して錦鯉やメダカなどの屋外飼育を行うことにも向いています。一般的な用途には、水族館の飼育水槽、生物管理用の水槽、飲食店などにおける展示用のいけす水槽、アクアリウムなどが多いです。

3. 研究・工業

FRP水槽は、その他研究施設における実験用や、水産研究施設における飼育用水槽として利用可能です。それ以外に工業分野などにおける一般的な用途には、FRP高架水槽、受水槽、貯水槽、排水槽などがあります。