監修:岡成株式会社
クロスロープとは
クロスロープとは、ストランドを2本ずつを1組にして非自転構造で撚って作られるロープです。
ストランド数によって8本撚り (8打ロープ) 、12本撚り (12打ロープ) などがあります。8打ロープは2本のストランドを1組にして合計4組を撚り合わせて製造され、12打ロープは2本のストランド6組を撚り合わせて製造されます。
最も一般的なロープである3打ロープ (3本のストランドを撚り合わせて1本のロープとする) に比べて、キンク (よじれ) が起こりにくく、しなやかでショックを吸収しやすいことが特徴です。8打ロープの強度自体は3打とあまり変わりませんが、12打ロープは強度がより高く、耐久性にも優れています。
使用される素材には、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ビニロン、スーパー繊維などがあり、混撚りで製造される場合もあります。
クロスロープの使用用途
クロスロープは強度が高く、耐摩耗性、耐候性などに優れているため、各種現場において重量物の牽引に利用されています。
1. 船舶・水上利用
船舶で利用するロープは、安全性の観点から強度の高いものが必要です。クロスロープは頑丈で耐摩擦性、耐候性などに優れることから様々な用途で船舶で利用されています。具体的な用途は、係留用ロープ、アンカーロープ、もやいロープ (もやい結びの加工をしたロープ) 、タグロープ、作業船用各種ロープ、ヨットロープなどです。
その他の水上利用では、山や川におけるレジャー利用・安全帯や、レインジャーロープ (水上救助用) 、海洋事業におけるウインチロープなどが挙げられます。
2. 漁業
クロスロープは頑丈さを生かして漁業・水産業においても利用されています。
定置網、底曳網、延縄、刺網、カゴ漁、養殖定置漁業などの用途があります。クロスロープを漁業に利用する場合は、専用のロープを利用することが必要です。
3. 陸上
地上においてもクロスロープは各種現場において牽引の役割を果たしています。主な用途は、電設工事や車両牽引、遊具、林業や建設業における汎用作業、各種安全帯です。
電設工事では特にケーブルの通線作業、リードロープ (架線工事の策張り作業) に利用されることが多いです。
本記事はクロスロープを製造・販売する岡成株式会社様に監修を頂きました。
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