受託培養サービス

監修:北海道糖業株式会社

受託培養サービスとは

受託培養サービスとは、微生物類、細胞などの培養を行うサービスです。

研究用、産業用を問わず、様々なシーンで微生物類や細胞が必要になる場合がありますが、培養には専用の設備が必要であり、費用・時間・手間がかかるため、本来の業務と並行することが難しいケースがほとんどです。受託培養サービスは、専門の設備・技術者を備えた企業によってお客様の要望に沿った微生物類、細胞等の培養を行います。

企業によって提供サービスの内容は異なりますが、主な培養対象には、各種細胞、乳酸菌、ビフィズス菌、大腸菌、放線菌、麹菌、カビ、酵母、枯草菌(納豆菌)などがあります。
ラボスケールからパイロットスケールの大量培養まで対応可能な場合が多く、培養条件の検討や、スケールアップなどの検討を依頼することが可能です。
培養のみでなく、培養した菌体や培養上清からタンパク質や有効成分の精製を行うことができるサービスもあります。

受託培養サービスの使用用途

1. 食品

乳酸菌、ビフィズス菌、麹菌、乳酸菌、酵母などは、食品用微生物として食品製造の材料に使用されています。各種食品用微生物の製造受託サービスでは、工業生産の一環として大規模なパイロットスケールでの培養が行われることが多いです。

また、培養後に食品原料として利用される特性から、濃縮、造粒・粉末化、包装までが通常一本化して行われます。培養槽、遠心分離装置、濾過装置、凍結乾燥装置などの装置を備えた生産設備で、粉末、液体、生菌、死菌など様々な製品形態での納品に対応可能です。

2. 研究用

研究用の受託培養サービスは、大腸菌や酵母の試験的な培養や、継続的な菌数変化のデータ取得などに利用されることが多いです。微生物の培養からペレット化や粗精製までを一貫して行う受託サービスです。スケールアップに入る前の試験的・試作的な培養、継続的な菌数変化のデータ取得などに活用されます。

また、免疫細胞研究用および再生医療研究用などを行う細胞を十分量調達するために受託培養サービスが利用されることがあります。NK細胞、樹状細胞、腫瘍浸潤リンパ球や、各種幹細胞やiPS細胞などが培養され、サービスによっては薬剤等の投与試験や分化マーカーの確認も可能です。

3. 医薬品・化粧品

医薬品製造の分野では、化学合成困難な化合物を微生物内の代謝生産にて製造する場合があります。遺伝子組み換え大腸菌などを用いた二次代謝産物・酵素などの製造や、酵素法によるグルクロン酸抱合体等の代謝物調製などが主な手法です。受託培養サービスでこれらの微生物の培養・目的物質の生産を行うことができます。

また、乳酸菌や酪酸菌など、微生物そのものを生菌製剤の原料とするために培養が行われる場合もあります。化粧品製造分野においても、酵母などの微生物を培養し、発酵によって化粧品の有効成分を製造する目的で受託培養サービスを利用することが可能です。

本記事は受託培養サービスを提供する北海道糖業株式会社様に監修を頂きました。

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アルマイト印刷サービス

監修:有限会社川島銘板

アルマイト印刷サービスとは

アルマイト印刷サービスとは、アルマイト処理によってできた被膜に染料を吸着させてアルミ板の表面に印刷を行うサービスです。

アルマイト処理とは、アルミニウムの表面を陽極として電解処理を行うことにより、表面に酸化被膜を生成させて保護・防食を行う処理です。アルマイト被膜には無数の微細孔が有りますが、アルマイト印刷ではこの微細孔に染料を流し込み、封孔処理を経て印刷が完了します。印刷部分以外のところには印刷前に感光液を塗って感光させ、感光していない部分にインクを刷り込む仕組みです。

凹凸のない平滑な印刷面と、透明感のある光沢が特徴で、小さい文字や細いラインも鮮明に表現することが可能です。原則として版は1色につき1版必要ですので、色数が多くなる場合は工程数と版数が増えます。

アルマイト印刷サービスの使用用途

アルマイト印刷サービスの使用用途は、主に以下の通りです。

1. 銘板

銘板とは、会社名・製品名・製造番号などの製品情報や用途などを金属板に彫り込み、製品に取り付けるためのプレートです。アルマイト印刷サービスは機械銘板・定格銘板や取説銘板、製造銘板、管理銘板、回路図 (結線図) などの製造に利用されています。様々な装置機器で利用されており、工場内などの機械設備、運搬具、重機や、カメラやオーディオ等の精密機器の製品内部などに取り付けられていることが多いです。

固定資産や備品を管理する管理番号のプレートに利用される場合もあり、医療機関、オフィス、学校などでも利用されています。アルマイト印刷で製造された銘板は、特にアルマイト銘板と呼ばれる場合があります。

2. 目盛板、操作盤

アルマイト印刷の優れた耐擦過性を活かし、様々な計器・装置の目盛板や操作盤などにも利用されています。正確な目盛間隔の印刷が可能です。製造業やプラント設備などにおける大型の装置機器から比較的小さな電子機器や計測機器まで、様々な製品に利用することができます。特に操作パネルでは、印刷後の加工により、パネルに操作スイッチ用の穴を開けて利用されることが多いです。

シルク印刷などに比べて、アルマイト印刷は初期費用が比較的安く、更に数量がまとまると単価が安くなる傾向があるため好んで利用されています。

3. 案内板、ネームプレート

アルマイト印刷サービスは、広く一般的な各種案内板、ネームプレート、装飾プレートなどにも利用されています。ビルや公共施設の施設内の案内板、会社などの社名板、
学校などの室銘板、戸建住宅や集合住宅の表札などにも使用されます。

装飾的印刷が可能であることから、表彰板や楯などの記念品やノベルティ、装飾品製作などにも使われています。印刷色は黒以外にも赤・青・黄をはじめとするカラー印刷が可能ですが、技術的に3色程度までとされることが多いです。ヘアライン、つや消し、光沢など、アルミプレート自体の装飾的加工が併用される場合もあります。

本記事はアルマイト印刷サービスを提供する有限会社川島銘板様に監修を頂きました。

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熱中症対策バンド

熱中症対策バンドとは

熱中症対策バンドとは、身に着けて皮膚温度などを測定し、熱中症のリスクを音・光・振動などのアラームで知らせるウェアラブルデバイスです。

腕時計のような形状をしていることが多く、手首に装着して利用する製品が多いです。熱中症は深部体温の上昇が起点となって発症するため、熱中症対策バンドはそれぞれ独自のアルゴリズムで深部体温を計算・推定します。

外気温度・皮膚温度を測定するセンサーや、体表から放出される熱の移動を計測する技術などを用いるものが主流です。体内の深部体温のほか、周囲温度の異常昇温を知らせる仕組みを備えた製品もあります。

産業用として過酷な作業現場で活用されることを想定し、防塵・防水性能、耐衝撃、防爆仕様を備えた製品も多く製造されています。

熱中症対策バンドの使用用途

熱中症対策バンドの使用用途は、主に以下の通りです。

1. 屋外の作業現場

建設業、道路工事、車両誘導、警備、インフラ点検、農業など屋外の作業をメインとする業務は、熱中症のリスクが高い産業シーンです。熱中症対策バンドは、本人申告に頼らない方法で客観的にモニタリングを行うことができ、熱中症予防に効果的です。

また、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する取り組みは「健康経営」と呼ばれています。熱中症対策バンドなどを用いて従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上などの効果をもたらし、更には企業の業績向上や株価向上に寄与すると期待されます。

2. 高温環境になりやすい屋内の作業現場

工場などの製造現場や、飲食業における厨房などは、屋内の作業であっても高温になりやすく、熱中症のリスクが高い場所です。特に石油・ガスプラント、化学工場、金属加工、製鉄などの分野の工場は高温多湿になりやすく、危険性が高まります。熱中症対策バンドを活用することで、このような産業シーンでの熱中症リスクを早期に把握し、アラートによる注意喚起によって、重症化を防ぎます。

また、クラウド対応している製品では、デバイスの装着者に警告を与えるだけでなく、作業現場から離れた事務所などで遠隔モニタリング・体調管理を行うことも可能です。

3. サービス業、教育機関

サービス業や教育機関などにおいても熱中症の危険性が高まる業務シーンがあり、熱中症対策バンドは効果的です。例えば、エアコンのない場所で業務を行ったりする訪問介護サービスの従事者が利用する場合や、学校の部活動の安全管理のため生徒に利用させる場合などがあります。訪問介護をはじめ、多くの訪問サービス、配送サービスなどは炎天下を自転車やバイクで移動する場合があり、熱中症対策バンドを利用することが効果的です。

その他に、多くの人が集まるイベントや屋外活動の運営業務において、参加者の安全管理に活用することも可能です。スポーツイベント、フェスティバル、清掃活動など様々な活動シーンが挙げられます。

乾燥炉

乾燥炉とは

乾燥炉とは、水分や塗料、溶媒などを乾燥させるために用いられる加熱装置の一種です。

使用される熱源には様々な種類があります。電気式の乾燥炉で利用される主な熱源は、セラミックヒーター、遠赤外線ヒーター、近赤外線ヒーター、波長制御ヒーターなどです。燃焼式では、都市ガスや、液体燃料、気体燃料などを燃焼させて熱を発生させるものが主流です。

装置によって、主に輻射熱を照射させて熱を加える場合と、熱風による加熱を行う場合とに分かれます。電磁誘導によって直接ワークに熱を生じさせる仕組みが用いられている製品もあります。運転方式には、連続運転式やバッチ式などがあります。

塗装関係で利用される乾燥炉の場合、特に塗装前処理ラインで利用する製品を水切乾燥炉、塗装ラインで利用する製品を焼付乾燥炉と呼ぶ場合があります。

乾燥炉の使用用途

乾燥炉の使用用途は、主に以下の通りです。

1. 塗装

各種工業生産で利用される熱硬化型塗料や二液性塗料は、温度・時間を適切に制御して加熱・乾燥させることが必要です。印刷塗装業の他、電化製品や自動車で利用される樹脂部品の塗装乾燥、自動車車体の塗装乾燥工程などでも利用されることが多いです。このような用途では、樹脂部品の変形温度付近での焼き付け乾燥が必要となる場合も多く、正確な温度・時間の制御を目的として乾燥炉が利用されます。

2. 工業

塗装の乾燥以外では、樹脂のアニーリング、各種素材の硬化など、加熱を必要とする様々な工業シーンで乾燥炉が利用されています。例えば、化学関連ではプラスチック原料や樹脂レンズ、機能性フィルムなどの加熱乾燥が中心です。電子部品や電池材料、セラミックス、半導体装置部品の分野では、リチウムイオン二次電池材料、全固体電池、電解セルなどの乾燥が用途として挙げられます。その他、食器、タイル、瓦など所謂オールドセラミックスと呼ばれる素材でも、乾燥炉を用いることが可能です。

3. 食品・医薬品・化成品

乾燥炉は、食品業界では、野菜や果物、魚の干物、ビーフジャーキー、ナッツ類、香辛料、お茶など、様々な食材を乾燥させて製品化する用途で用いられています。医薬品製造における乾燥炉の主な役割は、原薬を乾燥させて薬剤の結晶化・凝固を促進することです。

また、医薬品製造の類似分野として、化成品 (化学品) 製造があります。樹脂や化学肥料、繊維状材料、凝集性材料、チクソトロピック剤などの製造工程では、乾燥炉を用いることがあります。製品に含まれている水分を乾燥炉で蒸発させ、乾燥させることで、品質の安定化を図ることが可能です。

石英ボート

石英ボートとは

石英ボートとは、石英ガラスで製造されたボート型の容器です。

石英ガラスは、一般的なガラスに比べて高温への優れた耐性を持ちます。これは、軟化点が約1,700℃と非常に高く、熱膨張係数も小さいためです。広い温度帯で強度を保つことができ、変形を起こしにくい材質です。また、化学的にも各種薬品に対して安定性が高く、耐摩耗性、透明性にも優れています。そのため、石英ボートは試料や製品材料を入れて、高温の炉で処理する用途で用いられることが多いです。

特に、半導体製造用の石英ボートはウエハを保持する溝が設けられており、縦型、横型などの形状の種類があります。一般的に小径のウエハに用いられる石英ボートは横型が多く、口径の大きいウエハーでは縦型が多く使われています。

石英ボートの使用用途

石英ボートが使用される主な分野は、半導体・液晶製造装置関連や、理化学実験・試験分析です。

1. 半導体製造

半導体製造分野では、石英ボートは蒸着プロセスやエッチングプロセスで利用されています。

蒸着プロセスとは、ウェハの表面にCVDなどの方法で酸化膜などの薄膜を形成し、電気的な特性を持たせるプロセスです。一般的には1,000℃付近の高温の電気炉で処理を行いますが、蒸着を行うウエハの保持容器として耐熱性の高い石英ボートが利用されます。また、エッチングプロセスでは薬液や反応ガスなど腐食性反応剤が利用されますが、このような薬品へ耐性のある容器として石英ボートが適しています。

2. 理化学機器

石英ボートは、理化学実験の分野で加熱や燃焼実験、焼結などに利用されています。

優れた耐熱性と耐薬品性を生かして、種々の化学反応や化学処理に対して容器として利用することが可能です。多くの薬品や溶剤に対して耐性がありますが、アルカリ溶液やフッ酸、300℃以上のリン酸には侵される可能性があるため注意が必要です。最高使用温度は約1,100℃、常時使用温度は約900℃まで耐えることができ、高温での合成反応にも利用することができます。その他、実験系を応用した化学工業プロセスや、薬品処理や洗浄工程でも利用することが可能です。

3. 分析化学

石英ボートは、分析化学における各種の試験・分析において試料を保持する用途でも利用されています。特に、蒸発や乾燥プロセスなど、加熱を伴うプロセスにおいて石英ボートは正確な分析結果を得るのに有用です。高温などの試験条件によって溶融したり侵食されたりすることがないため、試験結果に影響を与えることなく、試料を安定して保持することができます。

具体的な事例としては、魚に含まれる水銀の微量分析における試料の燃焼分解、新規開発材料や既存材料の特性評価などが挙げられます。

路面用ラインテープ

路面用ラインテープ

路面用ラインテープとは、区画整理や注意喚起などを目的として、アスファルト・コンクリートなどの路面に貼付されるテープです。

ガラスビーズが表面に散布された合成ゴムシートと、ゴム系粘着剤から構成されており、ガラスビーズが夜間に車のライト等に反射します。白・黄色や、黄色と黒の縞模様などがあり、様々な場所の安全管理に活用されています。塗料を用いるライン施工と異なり、ラインテープは剥離紙をはがして貼るだけなので、作業が簡便です。

耐久性があり、屋内外の様々な現場への施工が可能です。路面のゴミや汚れを除去した後に貼り付け、ゴムハンマーなどで圧着することで施工が完了します。一般的なアスファルトなどは細かな凹凸があるため、製品によっては、プライマー塗布や、前加熱・後加熱を必要とする場合もあります。

路面用ラインテープの使用用途

路面用ラインテープの使用用途は、主に以下の通りです。

1. 駐車場の区画線

路面用ラインテープは、駐車場や駐輪場などの区画線や区分線の敷設に利用されています。

駐車位置を明示したり、停止線の標示、通路と駐車区画を安全に区分分けしたりする用途が中心です。大きな駐車場にも勿論施工可能ですが、小規模な月極駐車場や、部分的なラインの修繕をするシーンでも重宝されています。

2. 工場内・構内舗装

工場や倉庫、各種構内舗装に活用される路面用ラインテープは、主に危険区域の区画表示、通行区分線の標示、順路などの用途があります。

作業エリアと通路を明確に区別することで、作業環境が整然とし、業務の安全性が高まります。ラインテープのガラスビーズが反射するため、夜間や暗い場所でも安全です。黄色と白線を使い分けて効果的な区分分けに利用されています。

3. 文字表示・位置表示

路面用ラインテープは、道路・路面の文字やマークの表示にも利用が可能です。具体的な用途には、消火栓のマークや文字、一旦停止などの路面標示、スクールゾーンマーク、歩道や自転車道のマークの標示などがあります。また、文字標示と合わせて、消火栓周囲に貼り付けて消火栓の位置を強調する用途などにも利用されます。

道路・駐車場など、屋内外を問わず様々な利用シーンがあります。

アスファルト補修材

アスファルト補修材とは

アスファルト補修材とは、アスファルトに生じるひび割れやくぼみなどを補修するために用いられる種々の資材です。

アスファルトや樹脂の合材を流し固めるシール材や、貼り付けて使用するシート状の製品などがあります。

充填施工するタイプの合材には、常温で使用するもの、加熱融解させて使用するもの、散水で固化するものなどがあります。製品には砕石、セメント、珪砂、混和材などが含まれます。

シート状の製品には、バーナー加熱で接着するもののほか、合成ゴム系の自着層で簡単に貼り付けるのみで作業が完了するものもあります。アスファルトの損傷が深い場合は、合材の充填と併用することが必要になりますが、シート状の製品は比較的少ない労力で施工を行うことに便利です。

アスファルト補修材の使用用途

アスファルトに生じる不具合には、穴、段差、亀甲割れ、クラック、くぼみなど、様々なものがあります。アスファルトの状態に合わせて適切な補修材を使用することが重要です。

アスファルト補修材の使用用途は、主に以下の通りです。

1. 一般道路

道路のアスファルトは、交通荷重による負荷によってわだちが発生しやすく、大型車の通過量が多くなると、その傾向は更に強くなります。また、夏期の気温や、地震などもアスファルトの劣化・破損につながります。

アスファルト補修材はこうした道路の路面劣化の補修に用いられる他、ガス管や水道管などのインフラ埋設工事後の路面復旧にも利用されています。

2. 作業道・駐車場

一般道以外では、車両通過の多い私有地の作業道・耕作道の舗装・補修にアスファルト補修材は利用されています。特に多いのは、ゴルフ場、遊園地、果樹園、耕作地などです。

また、駐車場も車両の通行が多いため、道路に次いでアスファルト補修材が多く用いられています。剥離や、わだちによるくぼみ、穴など、敷地の規模の大小を問わず、修繕に利用されます。

3. 施設内舗装補修

アスファルト補修材は、様々な施設・敷地における舗装補修にも利用可能です。車両通行による負荷がそれほどない場所でも、路床・路盤の圧縮変形、塑性変形、摩耗、舗装構造などによってアスファルトの劣化によるひび割れ、穴が発生する場合があります。

主な用途には、鉄道、学校、病院、公園、工場、その他種々の公共施設などの施設敷地の修繕、段差補正などが挙げられます。

スライディングウォール

監修:ステップライン株式会社

スライディングウォールとは

スライディングウォールとは、上階の床コンクリートから吊りボルトを下ろしレールを設置するタイプと、天井下地をして吊る、可動型のパーテーション (仕切壁) のことです。

天井に設置したレールを用いた軽い力でパネルを動かせるようになっているため、利用者自身で空間のレイアウトを変えることが可能です。通常のパーテーションと異なり、頻繁にレイアウト変更を行うような空間に適しています。

スライディングウォールに使用されている素材の種類は鋼板、木製、ガラスやアクリルなど様々であり、厚みにも5mm程度から15cm程度まで多様な種類があります。機能性を高めた製品には、遮音性、不燃性、操作性、走行性、静音性、採光性、気密性などに対応しています。

スライディングウォールの使用用途

スライディングウォールの使用用途は、主に以下の通りです。

1. オフィス・公共施設

スライディングウォールで仕切った空間を、会議室やセミナールームなどに利用することがあります。ミーティングの人数に合わせて空間を有効活用することが可能です。このような用途では、パネル自体の遮音性が高く、更に床や天井へ圧接して音漏れを防ぐ機構のものが一般的です。

また、オフィス、公共施設のエントランスにも利用される他、学校、保育園、高齢者施設などで活動の規模に合わせて、部屋を分割したり統合したりするのに活用されます。

2. 飲食店・宴会場

スライディングウォールは、大規模な宴会場や結婚式場、飲食店、旅館などで部屋を分割する用途で利用されます。スライディングウォールを用いることで、団体の人数が多い場合は収納して部屋を広くし、人数が少ない場合は部屋を分割することで、効率よい営業を行うことが可能です。

ホールやホテルの大型宴会場は、天井が高いため、最大で7mの高さにも及ぶスライディングウォールが利用されます。また、音漏れを防ぐため、防音・遮音機能の高い重量型のものが利用されることも多いです。ランニングウォールと呼ばれる大型の移動壁もあります。

3. 展示場・イベント

スライディングウォールは、美術館や博物館、催事場などにも利用されます。このような用途の場合、レールを格子状に隅々まで設置しておくことで、テーマやイベントに合わせて自由なレイアウトを作ることが可能です。また、絵画など作品を展示するだけでなく、来場者の動線・鑑賞順路を作る役割としても効果的です。

作品を飾る目的に特化したスライディングウォールには、2枚が連なっているダブルパネルの製品があります。

本記事はスライディングウォールを製造・販売するステップライン株式会社様に監修を頂きました。

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パーテーション

パーテーションとは

パーテーションとは、店舗やオフィスなどにおいて空間を仕切るために利用される間仕切り壁です。

一般的に、ハイパーテーションと呼ばれる大型の製品は床から天井までを塞ぐ、施工工事が必要なものであり、それよりも背が低い置き型の製品はローパーテーションと呼ばれています。

最も一般的な素材はアルミパーテーションやスチールパーテーションです。アルミパーテーションはアルミフレームにアクリルやガラスのパネルを嵌め込んだ構造で、比較的リーズナブルです。スチールパーテーションはスチールと石膏ボードで構成された意匠性が高い製品で、耐火性、防音性、遮音性に優れます。

その他、機能性を高めた製品には、スライディングウォールなどの移動式パーテーションや、音の反響を抑える吸音パーテーションなどがあります。

パーテーションの使用用途

パーテーションの使用用途は、主に以下の通りです。

1. 個室空間の設置

ハイパーテーションを利用して四方を囲むことにより、個室空間を設置することが可能です。例えば、オフィスにおいて集中して作業を行うための防音性の高い独立空間としての個室や、機密性の高い打ち合わせを行うための会議室を設置するために利用されます。

敢えてガラスパーテーションを利用することで、空間を広く感じさせる会議室のレイアウトなども可能です。

2. プライバシーの保護

パーテーションは、少ない枚数で簡易的に視線を遮ることにより、部屋を分割することはしないまでもプライバシーを保護する目的で利用することが可能です。

店舗や商業施設、薬局などでは、他の座席・顧客・利用者からの視線を遮るゾーニングに利用される他、オフィスにおいては、対面・隣接しているデスクの間に設置して集中力を高めることができます。また、業務空間で緩やかなセクション分けをすることによりコミュニケーションを促進する効果も期待されます。

3. 工場・倉庫

製造業や運送業における工場・倉庫などもパーテーションの利用用途の一つです。自動車部品製造・金属部品製造・各種機器製造・物流など、様々な事業分野で活用されています。

このような用途で利用される特殊なパーテーションには、防塵クリーンルーム仕様や防水シャワーブース用パーテーション、防音・吸音パーテーションなどがあります。これらの特殊パーテーションを用い、埃や騒音などに考慮した独立スペースを工場内に設けることが可能です。

クラフトボックス

クラフトボックスとは

クラフトボックスとは、クラフト紙や段ボール素材を利用した、梱包・包装用の箱です。

クラフトボックスは主に印刷会社に依頼して作成することができます。一般的にはクラフト紙や段ボールのそのままの色合いを生かした茶色であることが多いですが、白や黒をはじめとするカラー製品も製造されています。

一般的には厚紙製の箱よりも丈夫で、形状には蓋を差し込むタイプや、かぶせ蓋タイプなどがあります。特に意匠性が必要なシーンでは、エンボス加工や特殊紙が使用されたものを選択することも可能です。

業務上において、包装・梱包が必要な様々なシーンで利用されています。クラフトボックスは、複数の種類があるため、用途に合わせて適切なものを選ぶことが大切です。

クラフトボックスの使用用途

クラフトボックスの使用用途は、主に以下の通りです。

1. 製品・商品の包装

クラフトボックスの第一の用途は、製品製造時や商品販売時における包装です。強度を生かして商品を損傷から守り、配送・販売に耐える保護を行うことが可能です。意匠性の高いものはラッピング包装としても利用することができ、内側に耐油加工やラミネート加工などを施した製品は、食品のテイクアウト販売容器としての利用が想定されています。

2. 配送用梱包

クラフトボックスは、配送用梱包箱としても利用することが可能です。各種の宅配用サイズ規格に合わせたクラフトボックス製品や、クリックポスト、ゆうパケット、定形外郵便に対応したポスト投函可能なサイズの製品などがあります。所謂みかん箱と呼ばれる大型の段ボール箱ほどの重量耐久はありませんが、小型から中型の様々な製品・商品の梱包に利用することが可能です。

3. 収納

クラフトボックスの中には、物品保管用の収納ボックスとして製造されているものもあります。オフィスにおける書類収納から、備品ストック、様々な雑貨・小物の収納まで幅広く対応可能です。かぶせ蓋タイプの形状であることが一般的で、クラフト素材製の仕切り板などが付属する場合もあります。また、変形版のクラフトボックスの中には、店頭什器として提供される製品もあります。