RPA開発

監修:株式会社日本ユニテック

RPA開発とは

RPA開発とは、業務自動化ツールであるRPAツールの開発、導入支援などを行うサービス全般です。

RPAとは、Robotic Process Automationの略称です。ここで言うロボットとは、コンピュータ内で動作するアプリケーションプロセスを指します。業務効率化、作業の正確性の向上などのメリットが期待されるツールです。RPA開発は、RPAツールの導入、シナリオ作成、導入後の運用などをサポートします。

RPA開発の使用用途

RPA開発は、定型業務を自動化するRPAツールを導入し、自動化のシナリオを作成することで活用されています。RPAが活用されている主な業務には下記のようなものがあります。

  • 請求書作成・発行などの伝票処理
  • 経費処理
  • 発注・納品処理 (受注・在庫確認/発注リスト転記/入金確認/消込)
  • 勤怠集計・通知 (長時間残業者リスト作成とアラートメール送信業務など)
  • 顧客情報のシステム登録
  • Web・SNS上の口コミ収集
  • ECサイトの商品情報更新業務
  • メールの自動配信
  • 問い合わせに対する自動返信対応
  • 広告や日次など各種データ収集とレポート作成
  • 競合の価格調査

これらの業務において、RPAツールは、

  • コスト削減
  • 業務効率の改善
  • ヒューマンエラーの低減
  • 人的リソースの最適化による人材不足の解消
  • 社員のモチベーションアップ

などの効果があります。

RPA開発は、RPAツールを導入する上で、適切な開発と適切な運用を行う用途で使用されています。自社で開発する場合には、ベンダーが行っている講演会や勉強会に参加し、導入するツールに関する知識を身につける必要がありますが、RPA開発サービスを利用することで、速やかに開発導入が可能です。

RPA開発の原理

1. RPAツールとは

RPAツールでは、パソコンで自動化させるために動かすプログラムをロボットと呼び、ロボットを動かす作業手順を予めシナリオとして記録します。

この際の記録方法には、録画開始などのボタンをクリックした後に、実際にロボットに覚えさせたい作業を一通り操作する記録する (レコーディング) 方法と、「ファイルを開く」「メールソフトを立ち上げる」「キーを入力する」などひとつひとつのコマンドを登録する方法とがあります。シナリオの記録が完了したら、ロボットが記録された作業手順に基づき実際にPC動作を実行します。

2. RPA開発の流れ

RPA開発は主に下記のような流れで行われます。

  1. 業務の洗い出し
  2. 要件定義
  3. シナリオ作成
  4. 動作テスト
  5. 運用
  6. メンテナンス

まず、RPAで自動化したい業務内容を洗い出し、手順などを整理します。業務の洗い出しの次は要件定義に進みます。要件定義とは、目的や実装の必要がある機能などについて、プロジェクトを始める前に整理することです。RPA開発の要件定義では、洗い出しをした業務の中で、自動化する業務と、実行するためにどういうロボットを開発するのかを決定します。そして、要件定義で整理された業務のシナリオ作成を行います。

実際の運用の前には動作テストが必要です。業務の洗い出しや要件定義で上がってきたすべてのパターンでの動作テストを繰り返し行います。

運用開始後は、定期的なメンテナンスが必要です。運用開始後のメンテナンスや活用支援もRPA開発のサービスに含まれる場合があります。

RPA開発の種類

RPA開発は様々な企業よりサービス提供されており、多様なサービスがあります。サービスによって、対応しているRPAの種類は異なっており、主なツールはWinActor、UiPath、BizRoboなどです。

導入・運用・運用支援まで一本化サービスになっているもの以外にも、必要なサービスをスポットで利用できる場合もあります。例えば、既に導入したRPAの本格展開や、活用を行うことも可能です。また、教育・トレーニングサービスでは、シナリオのポイント解説、ロボット実行者に向けた教育などを利用することができます。

本記事はRPA開発を提供する株式会社日本ユニテック様に監修を頂きました。

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RPAツール

監修:株式会社インテリジェンスワークス

RPAツールとは

RPAツールとは、パソコン上で行う定型業務・ルーチン作業をロボットを用いて自動化するツールのことです。

RPAとは、Robotic Process Automationの略称です。業務効率化、作業の正確性の向上などのメリットが期待されます。従来のRPAの設定にはプログラミング知識が必要でしたが、現在のRPAツールは、多くの製品でマウス・キーボード操作から普段の業務手順を記憶して再現することが可能です。

RPAツールの使用用途

1. 概要

RPAツールは、PCを使って行う様々な業務を自動化することが可能です。自動化ができるのは手順やルールが決まっている業務であり、主な業務には下記のようなものがあります。

  • 請求書作成・発行などの伝票処理
  • 経費処理
  • 発注・納品処理 (受注・在庫確認/発注リスト転記/入金確認/消込)
  • 勤怠集計・通知
  • 顧客情報のシステム登録
  • Web・SNS上の口コミ収集
  • メールの自動配信
  • 問い合わせに対する自動返信対応
  • 広告や日次など各種データ収集とレポート作成
  • 競合の価格調査

RPAに適している業務の特徴は下記の通りです。

  • 作業手順が単純で判断を伴わない
  • 同じ作業を繰り返す
  • 作業のルール・規則が決まっている
  • 決まったサイクルで実行する
  • 早朝や夜間、休日も作業が必要になる
  • 処理件数が多い

定型化されている作業や、勤務時間外に行う作業などがRPAに向いている業務といえるでしょう。

2. RPAツールの効果

RPAツールを導入することで、業務において下記のような効果が期待されます。

  • 自動化による業務効率向上と作業時間短縮
  • ヒューマンエラーがなくなることによる業務品質向上
  • 人的リソースの最適化と総合的なコストの削減

RPAツールは、定型作業を自動的に行うため、業務の効率化が行われ、作業時間短縮が可能です。工数を減らすことで、人的リソースを、判断を伴う業務やクリエイティブな業務に集中させることが可能です。作業時間短縮により、残業時間が削減できるなどのメリットも有り、従業員のワークライフバランスの改善にも貢献します。

RPAツールの原理

RPAツールの動作には、大きく分けて「記録」と「実行」の2ステップがあります。

まず、RPAツールを用いて、あらかじめ作業手順をシナリオとして記録します。この際の記録方法には、録画開始などのボタンをクリックした後に、実際にロボットに覚えさせたい作業を一通り操作する記録する (レコーディング) 方法と、「ファイルを開く」「メールソフトを立ち上げる」「キーを入力する」などひとつひとつのコマンドを登録する方法とがあります。

シナリオの記録が完了したら、記録された作業手順に基づきPC動作を実行します。RPAツールではこの記録された一連の実行作業をロボットと呼びます。ロボットは、人間の代わりに画面を操作して自動的に作業を進めます。手動実行の他に、スケジューリングを行うことで指定の日時になったら自動で起動させることも可能です。

RPAツールの種類

RPAツールには、大きく分けてデスクトップ型とサーバー型とクラウド型があります。導入する際は、それぞれの特徴を理解して適切なものを選択することが必要です。

1. デスクトップ型

デスクトップ型RPAとは、個々のパソコンに直接インストールしてロボットを稼動させるRPAツールです。RDA (Robotic Desktop Automation) とも呼ばれます。デスクトップ型RPAは、インストールしたPCでしか利用できませんが、サーバーに接続しなくても簡単に稼働できます。また、管理コストが安価であることも特徴です。ただし、場合によってはロボットの稼動中は、ほかのパソコン作業ができないため、時間を工夫する必要があります。RPAツールをスモールスタートで導入したい場合や、RPAツールを使う予定の従業員が少ない場合に適しています。

2. サーバー型

サーバー型RPAは、企業のサーバー内に構築します。サーバーにインストールし、パソコンと接続してロボットを稼動させます。サーバー上で複数のロボットを管理でき、複数の業務を横断的に管理することが可能です。大規模な組織における、大量のデータを素早く処理することに適しています。一方で、デスクトップ型やクラウド型と比べてコストが非常に高い傾向にあります。

3. クラウド型

クラウド型は、クラウドベンダーが自社サーバー内で構築・管理運用して提供しているサービスです。インターネットに接続していれば、デバイスを問わずアクセスして利用することができます。リモートワークや複数OSでの利用にも柔軟に対応でき、リモートワークや複数OSでの利用にも柔軟に対応でき、費用も比較的安価です。

本記事はRPAツールを製造・販売する株式会社インテリジェンスワークス様に監修を頂きました。

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ポータブル電源

ポータブル電源とは

ポータブル電源とは、内蔵されているバッテリーに電気を蓄え、様々な電化製品・電気機器に給電するために使用される電源装置です。

AC電源コンセントの差込口を複数備えており、携帯電話や身の回りの一通りの電化製品など、普通の壁付けコンセントと同じ感覚で給電することが可能です。災害時などの非常時に使用される他、キャンプやアウトドアなど、壁付けコンセントのない場所で使用されます。感覚的にはモバイルバッテリーと同様の仕組みですが、モバイルバッテリーよりも大きく、遥かに容量の大きい製品です。発電機と異なり、充電/放電で動作するため、発電機能はありません。

ポータブル電源の使用用途

ポータブル電源の主な用途には下記のようなものがあります。

  • 停電時の非常用電源として電力を確保する
  • 災害時の避難生活で電源として使用する
  • キャンプやアウトドアで電源として使用する
  • 車中泊で電源として使用し、電気を使う
  • 太陽光発電から充電した電源として使用し、節電に活用する

主には、電源のない場所で安定した電源を確保するために使用されます。例えば、停電時には、暖房器具 (冬) や、扇風機やポータブルクーラー (夏) などを稼働させたり、電気ケトルや電子レンジなどで簡易的に調理を行ったりすることが可能です。

また、キャンプ・アウトドアシーンでは、

  • スマートフォンを充電する
  • 照明器具で灯りをとる
  • 調理を行う
  • DIY機器を稼働させる
  • ポータブルクーラーを稼働させる

などにより、便利に使用することができます。

ポータブル電源の原理

ポータブル電源には現在主に下記の2種類のリチウムイオン電池が使用されています。

  • コバルト系・三元系 (NCM) のリチウムイオン電池
  • リン酸鉄リチウムイオン電池 (LiFeP04)

通常、概ね200Wh/20Ah (20,000mAh) 以上の容量があります。これは、モバイルバッテリーの数倍から数十倍です。 大型であり、モバイルバッテリーのようにポケットやカバンに入れて持ち運ぶことは難しくなっています。

本体にはインバータが内蔵されており、直流電力から交流電力へ変換することで電気を供給する仕組みとなっています。家庭用のACコンセントや車のシガーソケット、ソーラーパネルで充電が可能です。蓄えられた電力は、AC出力、シガーソケットのDC出力、USB-A・USB-Cなどの端子により、中小規模な電化製品と接続して給電することが可能です。

ポータブル電源の選び方

1. 容量

ポータブル電源は、様々な容量の製品があります。容量が大きくなるほど、サイズ・重さ・価格が上がるため、用途に合った適切なものを選択する事が必要です。用途別の主な目安は下記の通りです。

  • 日帰りのアウトドア: 200Wh~
  • 宿泊するキャンプ:  500Wh~
  • 災害や停電時における非常用電源:  1,000Wh~

2. 充電

主には、ACコンセントや、ソーラーパネルからの充電が可能です。それ以外では、シガーソケットやUSBポートからの充電に対応したモデルもあります。車中泊など、車内での充電や、屋外での充電を利用シーンとしているかなどが選定要素となります。

3. 消費電力

ポータブル電源に接続して使用する電化製品の消費電力が、ポータブル電源の定格出力を超えると、電化製品の運転が止まってしまいます。ポータブル電源を選定する際は、使いたい機器の消費電力を確認することが必要です。接続機器の上振れ幅を見越して、ポータブル電源は1ランク上の出力製品を選ぶことが良いとされます。例えば、接続機器側消費電力が1,000Wの場合、ポータブル電源側は出力1,500W以上のものが適切です。

4. 出力数・安全性

出力ポートは、AC100Vコンセント、USB、シガーソケットなど必要なものが備わっているかどうか、必要な数が足りているか、確認することが必要です。特に、災害時の使用を想定している場合、人数分のスマートフォンが充電できるかや、暖房器具を使いながら電気ケトルが使用できるか、など具体的な使用シーンを想定しながら適切なものを選択することが必要となります。

安全性の上では、電気用品安全法 (PSE) マークがあるか、防災製品等推奨品認証を取得しているかなどが目安になります。充電可能回数も事前に確認しておくと安心です。

和紙壁紙

和紙壁紙とは

和紙壁紙とは、伝統的な製法で作られた和紙を用いて製造された壁紙 (クロス) 製品です。

やわらかな風合いに優れており、天然素材を漉き込んだり、伝統的な土壁風の意匠を用いたりと、製品によってそれぞれ個性ある雰囲気づくりが可能です。また、機能性にも優れており、調湿作用、調光効果、吸音効果などを期待することができます。

和紙壁紙の使用用途

和紙壁紙は、インテリアに和風の風合いを持たせたい場合に使用されることが多いです。全体的に光の反射も明るくなり、柔らかい印象になります。

和室に使用すると、襖や障子、調度品と統一性の取れた、美しい空間を演出することができます。また、吸音性や調湿作用があるため、寝室にも適しています。リビングをはじめとするフローリング貼りの洋室に使用すると、和洋折衷のモダンな印象の空間づくりが可能です。アクセントクロスのように色を切り替えて使用する方法も効果的です。天井に施工することで、照明の光を柔らかく反射させる使用方法もあります。

ただし、和紙壁紙は水には弱く、水性汚れや油汚れはシミになります。そのため、水回り全般や、ペットのいるお部屋や子供部屋などの汚れやすいお部屋にもあまり適していません。トイレなどの匂いがこもりやすい場所も、壁紙が匂いを吸着してしまうので避けたほうが良いとされています。

和紙壁紙の原理

1. 原料

代表的な伝統的和紙の原料は、楮 (コウゾ) 、三椏 (ミツマタ) 、雁皮 (ガンピ)です。コウゾは、クワ科の植物で1年に約2~3メートルにもなり、毎年収穫できる素材です。維が長くて太く、丈夫な紙ができます。ガンビは栽培が難しいため、自然のものが原料にされています。繊維が細く、強くて粘りがある素材です。ミツマタは、原料として収穫できるまでに3年ほどかかりますが、繊維が丈夫で細くつやがあります。

また、ケナフや亜麻など非木材紙を原料としたクロスも製造されています。ケナフは、成長が非常に早く短期間で多くの収穫が可能です。木の5倍以上の炭酸ガスを大量に吸収して固定する環境改善作物でもあります。上質で強く、風合いの良い紙を作ることができます。

その他、麻、イネワラ、オクラ、竹幹、熊笹、竹皮、炭などが原料として使用されることがあります。

2. 性質

和紙には和紙の繊維が手触りの優しさや絶妙な色合いがあり、独自の質感による美しさがあります。自然素材であることから、燃やしても有害ガスが出ることがなく、土に埋めればそのまま自然に還ります。また、化学的な処理を最小限に抑えた製造工程により、ホルムアルデヒドをはじめとする化学物質の放散も無く、シックハウス症候群の恐れがありません。

機能面では、

  • 調湿作用
  • 調光効果
  • 保温効果
  • 吸音効果

などの効果が期待できます。調湿作用により結露やカビが発生しにくく、夏は涼しく冬は暖かく過ごすことができ、 繊維が光を乱反射させるため照明の灯りや太陽光も柔らかく感じられます。

和紙壁紙の種類

1. 概要

和紙壁紙には様々な種類の和紙が使用されます。前述の通り様々な原料が用いられている他、色合いも白系、茶色系、灰色系、緑系、青系など様々なものがあります。また、金箔入や熊笹入りなど、異素材を漉き込んだものを選択することも可能です。

和紙壁紙で用いられている代表的な種類には、土佐和紙、柿渋和紙、漆和紙などがあります。

2. 土佐和紙

土佐和紙とは、高知県土佐市で作られる伝統的な和紙です。古い起源を持ち、平安時代より作られてきたと言われています。日本の伝統工芸品として指定を受けており、土佐和紙を代表する「土佐典具紙 (とさてんぐし) 」と「清帳紙 (せいちょうし) 」は国の無形文化財にも指定されています。

和紙壁紙としては様々な色が用意されており、麻や藁などを漉き込んだものも選択することが可能です。

3. 柿渋和紙

柿渋和紙は、柿渋を塗った和紙素材です。柿渋とは、未熟な青柿の汁を発酵させて作られた液で、古い柿渋は塗料に適しており、色が濃く艶のある仕上がりになります。

和紙に柿渋を塗ることで、耐久性を高めることが可能です。 また、松煙墨や、赤色顔料のベンガラを混ぜる場合もあります。柿渋には、防虫、抗菌、防腐、消臭、防水など、様々な効果があり、柿渋和紙にもこれらの効果が発揮されます。

4. 漆和紙

漆和紙とは、コウゾを主原料とした和紙に、漆を塗ったものです。非常に強い和紙を作ることができます。

漆和紙の壁紙は、濃い目の色が多く、華やかで重厚な雰囲気をも演出することが可能です。また、表面が立体的になっているため、明かりが当たると陰影を楽しむこともできます。

特殊ばね

監修:株式会社スガワラ

特殊ばねとは

特殊ばねとは、通常の量産型のばねとは異なる形状や材質、機能を持った特殊なばねのことです。

形状面では、JIS規格から外れるばねや自動機で生産できないばねを特殊ばねと呼ぶことが多いです。特定の製品や装置に合わせてカスタマイズされたり、特殊な用途に応じて設計されたりします。また、材質・機能面では、過酷な環境に耐える耐熱・耐食ばねも特殊ばねに含まれます。航空、医療、発電など、精密性が求められる産業分野で活用されていることが多いです。

特殊ばねの使用用途

特殊ばねは、通常の規格品では対応できない特殊形状が必要な場合や、一見規格品と同様の形状でも規格品とは別次元の精密さが必要な場合などで使用されます。例えば、

  • 極端に全長が長い場合
  • 一つのばねのなかでピッチ形状を細かく変える必要がある用途
  • 四角などの特殊形状
  • 純チタンや真鍮など通常とは異なる素材が必要となる用途

などが挙げられます。主な使用分野は下記の通りです。

  • 一般的機械器具・産業機械 (オイルシール、電気抵抗器)
  • 撹拌・送り装置
  • バルブ
  • ガス管
  • 自動車産業 (ドア、シート、エンジンなど)
  • 医療機器 (カテーテル治療に用いるガイドワイヤ用のばねなど)
  • 航空宇宙工学

また、火力・原子力発電機器や、蒸気、ガスタービン発電機など発電用途に使用されるばねは、過酷な環境に耐える耐熱性・耐食性が必要であり、特殊ばねが使用されます。

特殊ばねの原理

1. 概要

特殊ばねは、特定の製品や装置に合わせてカスタマイズされたり、特殊な用途に応じて設計されたりする製品です。ばねの規格には、JIS規格 (日本産業規格) とJSMA規格 (日本ばね工業会規格) があり、これらから外れるばねは特殊ばねと言えます。

また、自動機で生産できないばねを特殊ばねと呼ぶ場合もあります。様々な自動機がありますが、一般的にはD/d (ばね指数) が3~22の範囲、縦横比が0.8~4、有効巻き数3以上、ピッチが0.5D以内、などの条件が一般的に自動機で生産できる汎用的なばねです。巻きピッチが粗い、公差がきついなどのばねは、特殊ばねに分類され、個別に製造されています。

2. 加工

特殊ばねには部分的に自動機を用いて生産される場合と、手加工で生産される場合とがあります。また、自動機では多少のばらつきが出てしまうため、自動機で生じる誤差が許容できない場合にも手加工での生産が行われます。主な加工種類は下記の通りです。

  • 手巻き
  • 旋盤巻き
  • 異形線縦巻きコバ巻き
  • 両絞り、別フック挿入
  • 脱線巻き
  • コイル部の間際での腕曲げ加工

3. 材質

特殊ばねは、基本的に通常のばねと同様の材質の他、その他特殊材質まで含めて様々な材質が使用されます。主な種類には下記のようなものがあります。

  • ステンレス鋼線
  • 硬鋼線
  • ピアノ線
  • オイルテンパー線
  • リン青銅
  • チタン
  • めっき線
  • 洋白
  • 撚線
  • 真鍮
  • アルミ
  • 三価クロメート被膜付鋼線
  • 亜鉛メッキ鋼線

特殊ばねに使用される材質の、主な特性の例は下記のとおりです。

  • 弾性エネルギーが強い
  • 耐疲労性
  • 耐熱、耐寒性
  • 耐食性
  • 電気伝導性が低い
  • 熱膨張性が低い

特殊ばねの種類

特殊ばねは、基本的に個々の用途・製品に合わせて製造されるため、多様なものがあります。主には、

  • 線径が規格品に比べて極端に細い
  • 全長が規格品に比べて極端に長い
  • 線径に対してコイル径が小さい
  • ばね指数が小さい

のような特徴を持つばねである場合が多いです。

また、個々の特殊形状・製品としては、

  • ジョイント部分が特殊なばね
  • 腕の形状やフック形状が特殊なばね
  • 異形線を用いたばね
  • 圧縮ばねの中にフックを設け、引っ張りばねとして使用するばね
  • ぜんまいばね
  • ヒューズのクリップ用板ばね
  • 耐食耐熱超合金皿ばね
  • タービン用板ばね
  • 耐食耐熱超合金コイルばね

などがあります。

その他、真鍮 (柔らかく傷つきやすいため製造が難しい) や、純チタン、銅など、通常とは異なる特殊素材を用いたばねなども特殊ばねに分類されます。

本記事は特殊ばねを製造・販売する株式会社スガワラ様に監修を頂きました。

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発券機

監修:株式会社アプレコ

発券機とは

発券機とは、順番待ちが発生する状況などにおいて、整理券や番号札を発券する機械です。

店舗において順番待ちの顧客を呼び出す際や、クリニックや薬局で順番待ちの患者を呼び出す場合などにおいて、呼び出しシステムは使用されます。列に並ぶ必要がなくなるため、行列や混雑の解消に貢献可能です。発券機にはシンプルなボタン式の発券機や、タブレット端末一体型の多機能発券機など様々な製品があります。店舗、飲食店、医療機関、商業施設、イベント会場など、多様なシーンで活用されている機械です。

発券機の使用用途

1. 概要

順番待ちの番号札を発券する発券機は、順番待ちが発生する小売店・飲食店・官公庁・病院・クリニック・薬局などで使用されています。呼び出しシステムなどと合わせて、使用されることも多いです。

発券機の活用は、事業者側と顧客・患者側の両方にとって下記のようなメリットがあります。

  • 行列や混雑を解消できる
  • 受付・順番管理を行うスタッフの負担を削減できる
  • 待機者の呼び出しを正確に行うことができる
  • 待機者からの問い合わせが減る
  • 顧客・患者満足度が上がる
  • WEB状況確認サービス等に対応している呼び出しシステムと連動した活用法では、その場に居なくても待ち時間が確認できるため、待ち時間を有効活用できる

2. 活用シーン

呼び出しシステムが活用されている主なシーンは下記の通りです。

  • 小売店: 家電量販店、ホームセンター、カー用品店、携帯電話ショップなどの相談窓口受付、修理受付
  • 飲食店: 席の順番待ち、注文の受け渡し
  • 病院・クリニック: 外来受付、検査受付、会計などの順番待ち
  • 薬局: 調剤の受付・調剤完了時の呼出しに関わる発券、お薬引換券などの発行
  • 官公庁: 諸手続き、確定申告などの受付
  • 公共施設: ワクチン接種会場受付など
  • 金融機関: 銀行
  • 各種イベント・催し物・美術館・博物館: 入場整理券、入場制限・混雑整理など
  • アミューズメント施設: 時間制入場券、アトラクション順番整理券、会計時の精算券

発券機の原理

発券機は、利用施設において利用者が、ボタン・もしくはタッチレスやタブレット端末などを用いて発券を行います。最もシンプルなものでは、利用者用とスタッフ用の1対の番号札が発行されます。スタッフ側端末を備えたものでは、スタッフ側の端末で受付管理を行うことが可能です。

発券後の受付には、自動受付タイプと手動受付タイプとがあります。自動受付タイプは、番号発見と同時に自動で順番待ち受付が行われるタイプです。手動受付タイプは発券機で発券した券面をバーコードで読み取ることで別途受付処理を行う必要があります。また、発券した番号札にQRコードを印刷することで、LINEでの呼び出しやメールでの呼び出し、Web待ち状況確認サービスに対応しているシステムもあります。

発券機の種類

1. 概要

発券機は、様々なメーカーから多様な製品が販売されており、用途に合わせて使い分けることが可能です。

発券方法には、ボタン式やタッチレス式、タブレット一体型などの種類があります。製品によっては医療機関、クリニック、商業施設、イベント会場、飲食店など幅広い用途に合わせた整理券発行が可能です。

スタンドアロン式の最もシンプルなものでは、利用者用とスタッフ用の1対の番号札が発行されます。タブレット一体型は一般に高機能であり、1つの発券機で複数部門に対応して複数ボタンの発券が可能なものもあります。

2. IoT化システム

券売機の中でもWebサービスと連動してIoT化されているシステムでは、

  • 混雑予測の提供
  • リアルタイムの混雑状況を可視化した混雑MAPなどの提供
  • LINE・SNS・メールなどで順番が近づいたことを通知する機能の提供
  • 各種レポートの集計 (待ち状況や待ち時間、予約受付の種類、窓口での対応時間など)

などが可能です。業務効率化、顧客満足度の改善などに貢献することができます。

本記事は発券機を製造・販売する株式会社アプレコ様に監修を頂きました。

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呼び出しシステム

監修:株式会社アプレコ

呼び出しシステムとは

呼び出しシステムとは、飲食店や小売店、クリニックや薬局などにおいて順番待ちの際に使用される、発券から番号呼出表示までを包括的に管理するシステムです。

店舗において順番待ちの顧客を呼び出す際や、クリニックや薬局で順番待ちの患者を呼び出す場合などにおいて、呼び出しシステムは使用されます。発券機と連動して使用するものや、専用受信機を配って利用するもの、スマートフォンを利用するものなど様々な運用方法の呼び出しシステムがあります。

呼び出しシステムの使用用途

1. 概要

呼び出しシステムは、順番待ちが発生する小売店・飲食店・官公庁・病院・クリニック・薬局などで使用されています。呼び出しシステムは、事業者側と顧客・患者側の両方にとって下記のようなメリットがあります。

  • 行列や混雑を解消できる
  • 受付・順番管理を行うスタッフの負担を削減
  • 顧客・患者満足度が上がる
  • WEB状況確認サービス等に対応しているシステムでは、その場に居なくても待ち時間が確認できるため、待ち時間を有効活用できる

2. 活用シーン

呼び出しシステムが活用されている主なシーンは下記の通りです。

  • 小売店: 家電量販店、ホームセンター、カー用品店などの相談窓口受付、修理受付
  • 飲食店: 席の順番待ち、注文の受け渡し
  • 病院・クリニック: 外来受付、検査受付、会計などの順番待ち
  • 薬局: 調剤の受付、調剤完了時の呼出し、お薬引換券など
  • 官公庁: 諸手続き、確定申告などの受付
  • 公共施設: ワクチン接種会場受付など
  • 各種イベント・催し物・美術館・博物館: 入場整理券、入場制限・混雑整理など
  • アミューズメント施設: 時間制入場券、アトラクション順番整理券、会計時の精算券

呼び出しシステムの原理

呼び出しシステムは、利用施設において利用者が、スマホ・タブレットなどの受付端末から受付を行います。受付を行うと受付番号が発行され、その情報がハブを通じて送信されると、スタッフ側のモニターに対応中の顧客と、順番待ちをしている顧客の人数・番号が表示される仕組みです。スタッフの側で呼び出しを行うと、表示用ディスプレイに呼出中の番号が表示され、顧客側に通知されます。

受付には発券機と連動して券を発券するものや、利用者のスマートフォンやタブレットを使うアプリ型などがあります。アプリ型では、顧客リストと連動してメルマガやクーポン配信などを行うことも可能です。基本的なシステム構成は下記の通りです。

  • 発券機、もしくは発券用タブレットPC+プリンター (顧客側端末)
  • 受付・呼出用タブレットPC (スタッフ側端末)
  • 無線接続機器
  • 表示用ディスプレイ

或いは、受信機を顧客に渡すシステムで運用されている呼び出しシステムもあります。この場合のシステム構成は下記の通りです。

  • 受信機: 顧客に渡す無線式ベル
  • 送信機: 店舗側が操作する受信機を呼び出すための機械
  • 充電器: 受信機を充電するための機械
  • 中継機: 通信距離を拡大し、より広い範囲での利用を可能にするための機器

呼び出しシステムの種類

呼び出しシステムは上記の通り、券などを発行する方式や、専用受信機を渡す方式、顧客・患者が持っているスマートフォンなどに呼び出し通知を送信するものなどの種類があります。

番号札を発券する方式のシステムには、自動受付タイプと手動受付タイプとがあります。自動受付タイプは、番号発見と同時に自動で順番待ち受付が行われるタイプです。手動受付タイプは発券機で発券した券面をバーコードで読み取ることで別途受付処理を行う必要があります。また、発券した番号札にQRコードを印刷することで、LINEでの呼び出しやメールでの呼び出し、Web待ち状況確認サービスに対応しているシステムもあります。

スマートフォンなどを活用した会員登録制の呼び出しシステムでは、スタッフ側管理画面で顧客性別、年齢、保有ポイント、使用したクーポンや来店履歴などの詳細が確認でき、販促活動に生かすことも可能です。多様なシステム製品が提供されているため、用途に合わせて選定することが必要です。

本記事は呼び出しシステムを製造・販売する株式会社アプレコ様に監修を頂きました。

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チタン3Dプリンター

チタン3Dプリンターとは

チタン3Dプリンターとは、チタンを造形材料として使用する金属3Dプリンターの一種です。

チタンは、チタンは軽量で強度が強く、高耐食性、耐熱性、生体適合性などに優れることから、航空・医療用途を中心に様々な産業分野で3Dプリントに使用されています。チタンの3Dプリントは、チタン対応の一般の金属3Dプリンターが用いられる場合と、チタン専用の3Dプリンターが用いられる場合とがあります。

チタン3Dプリンターの使用用途

チタンは、強度と耐蝕性、耐熱性に優れ、軽量で生体適合性のある金属です。そのため、様々な産業で3Dプリンターに使用されています。主な用途には下記のようなものがあります。

  • 航空宇宙産業: ジェットエンジン部品
  • 自動車製造: サスペンション部品、ブレーキペダル、マニホールドなどの各種部品、レースカーフレーム
  • 自転車製造: クランク、ブレーキハンドル、ステム、ディレイラーハンガー、フレーム
  • 医療: 人工関節・プレート・インプラント (脊椎、股関節、膝、四肢) や外科用具
  • 歯科用インプラント
  • 精密製品、電子部品: 時計ケース、スマートフォン部品
  • 治具・各種カスタム部品
  • ホビー・工芸品

工業製品においては、各種部品をチタン製にすることで製品の軽量化を図ることが可能です。また、医療業界においては、チタンの生体整合性を活かして患者一人ひとりに合ったチタン製インプラント・人工関節をプリントすることが可能です。脊椎、股関節、膝、四肢などの様々な分野で利用されています。3Dプリントによる多孔質構造によって骨との統合を可能とする特徴があります。

チタン3Dプリンターの原理

1. チタンとは

チタンは下記のような特徴のある金属です。

  • 軽量: 比重4.7g/cm3
  • 高強度
  • 高耐食性: 海水や塩水に強く錆びにくい
  • 耐熱性材料: 溶融温度1,660℃
  • 熱伝導率が小さい
  • 非磁性体
  • 生体適合性

このような特徴から、チタンは実用に耐える強度を持った金属部品として、様々な分野で活用されています。

2. チタンの3Dプリントの方法

チタンの3Dプリントは、主にレーザーパウダーベッド (粉末焼結) 、電子ビームパウダーベッドなどの方法で行われます。レーザーパウダーベッド融合 (LPBF) は、高出力レーザーを使用して金属粉末を加工する方法です。10μm〜60μm程度の小さな球状の粉末を敷き詰め、敷き詰めた粉末に電子ビームやレーザーを照射し、必要な部分のみを溶かして固めていき、形を造形します。

電子ビームパウダーベッド融合 (EB PBF) は、電子ビーム溶解 (EBM) とも呼ばれます。レーザーの代わりに、より高出力の電子ビームを使用します。

航空機部品や医療用インプラントの製造おいて、これらのパウダーベッド方式が使用されます。一方でバインダージェット (結合剤噴射) は、より小さな医療器具の製造に使用される方法です。

その他のプリント方法には、直接エネルギー堆積 (DED) 、迅速プラズマ堆積 (RPD) 、などの方法があります。

チタン3Dプリンターの種類

1. 概要

チタン3Dプリンターには複数のプリント種類の製品があります。代表的なものは下記の通りです。

  • 粉末焼結  (パウダーベッド融合)
  • 結合剤噴射 (バインダージェット) 
  • 電子ビームパウダーベッド融合 (EB PBF)
  • コールドフージョン
  • 材料押出方式

また、それ以外にも金属粉末射出成形方式を応用した独自技術の製品などもあります。また、医療用にインプラントを造形するには、規制当局による承認を受けたものを使用することが必要です。

2. チタン合金の種類

チタン合金には様々な種類があるため、用途に合わせて選択し、対応しているプリンターを選択することが必要です。主なチタン合金の種類は下記の通りです。

  • チタン6Al-4V、グレード5: 最も一般的なチタン合金3Dプリント材料です。航空宇宙や自動車分野などでの使用に適しています。
  • チタン6Al-4V、グレード23: 生体整合性があり医療用インプラントや義肢に一般的に使用されます。
  • チタンベータ21S: 強度、酸化抵抗性、クリープ抵抗性に優れています。医療用インプラントや航空機エンジン用途に最適です。
  • Cp-Ti (純チタン)、グレード1、2: 人体との生体適合性が高いため、医療分野での使用が一般的です。
  • TA15: アルミニウムとジルコニウムを添加した近アルファチタン合金です。高い比強度、耐荷重性と耐温性により、航空機やエンジン製造などに用いられます。

遠赤外線ヒーター

監修:ササキテック株式会社

遠赤外線ヒーターとは

遠赤外線ヒーターとは、遠赤外線による放射伝熱を利用して対象物を加熱する装置です。様々な産業・工業分野において、各種加熱・乾燥工程に広く使用されています。暖房器具として家庭用に使用されることもあります。

ヒーターから放出された遠赤外線は、空気中を透過して直接対象物に吸収され、物体中の分子を振動させることにより加熱します。プラスチック、ゴム、塗料、樹脂、食品など、様々な素材の物質・製品を加熱することができます。

遠赤外線ヒーターの使用用途

遠赤外線ヒーターは、様々な産業・工業分野の各種加熱・乾燥工程に広く使用されています。

主要な各産業における主な用途は下記の通りです。

  • 電気・電子工業: 液晶ガラスの印刷後の加熱・乾燥、洗浄後の乾燥、太陽電池の製造工程の加熱・乾燥、抵抗および導電ペースト、蛍光膜、プリント基板の乾燥
  • 情報産業: 半導体製造における加熱・焼成・乾燥、デバイス・磁気テープなどの製品の加熱
  • 機械・金属産業: 鋳型の乾燥、機械工具および部品などの塗装乾燥、カラー鋼鈑の焼付け
  • プラスチック工業: インフレーションフィルムの加熱、フィルムのコーティング乾燥、原料粉末、ペレットの乾燥、成型前予熱、塗装乾燥
  • バイオテクノロジー工業: 医療容器の洗浄乾燥、医療機器の硬化剤加熱
  • 自動車産業: 車体、部品の塗装焼付け、金属部品の接着塗装乾燥
  • 印刷・紙産業: 各種印刷の乾燥、紙の水分乾燥、刷板のバーニング処理
  • 食品産業: 食品の乾燥、焼付

遠赤外線ヒーターの原理

1. 遠赤外線の加熱の仕組み

赤外線は電波や可視光線などと同じ電磁波の一種で、可視光線よりも波長が長い目で見ることのできない電磁波です。赤外線の波長範囲である0.8μm 〜 1,000μm のうち、波長が3μm より長い範囲を遠赤外線と呼びます。

遠赤外線による物体の加熱とは、すなわち遠赤外線の吸収によって物体を構成する分子を振動させることを指します。私たちの身の回りの多くの物体(プラスチック、ゴム、塗料、繊維、食品などの高分子物質)は、2.5μm 〜 30μm の波長領域に吸収帯を持つため遠赤外線はこれらを効率よく加熱することができます。なお、金属の加熱には適していません。

2. 遠赤外線ヒーターの機構

遠赤外線ヒーターは内部に電熱線などの発熱体を封入し、表面にセラミックス物質などの遠赤外線放射素材を用いることが一般的です。電熱線に通電するとセラミックス表面温度が数百度に高まり、遠赤外線を放射します。

遠赤外線ヒーターの種類

業務用遠赤外線ヒーターには様々な形状の製品があります。面状ヒーター(パネルヒーター)のほか、棒状ヒーター (シーズヒーター) 、ランプ状ヒーターなど、用途に合わせて様々なものを選択することが可能です。

また、クリーンルームでの使用を想定した、特殊表面加工セラミックスによって発塵しない高機能製品もあります。

本記事は遠赤外線ヒーターを製造・販売するササキテック株式会社様に監修を頂きました。

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電子機器ケース

電子機器ケースとは

電子機器ケースとは、電圧測定機や照度計などをはじめとする様々な機器・計器を収納するためのケース・鞄類です。

電子機器を持ち運ぶために使用される鞄製品は、保護性や堅牢性など、一般の鞄とは異なる次元の機能性を有している必要があります。そのため、電子機器ケースは、一般のカジュアルバッグなどとは異なり、専門のノウハウを用いて製造することが必要です。合成樹脂や傷や水に強い合成繊維など、丈夫な素材を用いて製造されます。また、広義には、電子機器を格納する、プラスチック製・金属製のケース、基板ケース、アクリルケース、透明ケースなども電子機器ケースと呼ばれる場合があります。

電子機器ケースの使用用途

1. 鞄型

鞄型の電子機器ケースは、主に下記のような電子機器を格納・携帯するために用いられます。

  • 電圧測定器
  • 振動計測装置
  • 照度計・検査機・検針機
  • 免震機材
  • 自動車用故障診断機
  • 発破器
  • 携帯無線機
  • 医療用小型酸素ボンベ
  • ケーブル
  • 各種小型端末・タブレット端末

これらの製品は、電気計測器メーカー、電子機器メーカー、バルブメーカーなどの依頼によりOEM・ODMなどで製造されている場合が多いです。その他、消防局・消防団、設備保全コンサルタント会社、 鉄工会社、倉庫会社などの利用者側の需要により製造される場合があります。また、リモコンカバーや、ウェラブル端末を携帯して使用する、ウェアラブルスキャナグローブなども製造されています。

2. プラスチックケース・メタルケースなど

電子機器ケースとされているもののうち、プラスチックケースやメタルケースには基板ケースとして使用されるものや、据え置き型の機器ケース、携帯用ケースなどがあります。

下記は使用される機器の主な例です。

  • リモコン
  • 計測器
  • 通信機器
  • 情報収集端末
  • 各種実験・医療機器

防塵・防水用途でアルミダイカストボックスが使用される場合もあります。

電子機器ケースの原理

1. 概要

電子機器ケースは、保護性能や堅牢性能の付加、RoHS指令への対応などが必要です。

中の機器を損傷しないよう、外部には硬質で堅牢な素材が用いられ、内部には、機器を保護するためのクッション材などが使用されます。内装は、機器が動かないよう、機器の形状に合わせてクッション材を型抜きしたり、収納物を固定するための中仕切りを取り付けることなどが必要です。機器を固定するためのベルトが取り付けられる場合もあります。小物や説明書などを収納するためのポケットが取り付けられる場合もあります。

多くの品質項目や工場監査などをクリアする必要があり、非常に高い品質基準が必要です。通常の鞄とは全く異なる製造プロセスで製造されます。

2. 素材

電子機器ケースは、様々な素材が使用されます。

鞄タイプの場合、

  • ナイロン
  • ウレタンフォーム
  • 耐衝撃性コーポリマー
  • ナイロンパイル
  • ポリエチレンフォーム

などの合成素材が中心です。

また、鞄ではなく「ケース」という分類になる製品の場合、プラスチックやメタルなどが使用されます。産業用工業用には特にアルミニウム押出形材、鉄板を用いたメタルケースなどが使用されることも多いです。

電子機器ケースの種類

電子機器ケースは、格納するものに合わせた形状で製造される製品です。そのため、基本的には格納する機器ごとに種類が異なります。

また、ケースが機器の持ち運びを目的としているか、そうでないかにもよって、持ち手の有無や素材など、種類が異なっています。

持ち運びを目的としたケースは軽くて丈夫な合成樹脂・合成繊維などが用いられる方が多いです。表面にポリプロピレン生地などの堅牢な合成繊維を使用したセミハードタイプや、合成樹脂製のハードタイプなどの種類があります。また、ハンドル型の持ち手がついた鞄型の他に、ショルダーベルトがついている場合もあります。計測器など、ケースに入れたまま使用されることが想定される製品は、操作用に透明な窓がついています。

また、通常の機器の保護の他に、防水・防塵機能を付加したタイプでは、更に強固・機密性の高い仕様です。産業用・工業用の据え置き型のケースは重量のある金属が使用される場合もあります。

収納するものや利用シーンに合わせて、適切な仕様の製品が使用されます。