スライディングペーパー

監修:あすまる本舗株式会社

スライディングペーパーとは

スライディングペーパーとは、大型機械などの重量物の設置・据付の際、位置を微調整するための紙 (重量物の位置微調整紙) の一般的な名称です。

表面がツルツルとした質感になっており、ペーパーの滑る面同士を2枚重ねて1組とし、重量物の下に敷き、摩擦抵抗を減らすことで、簡単に滑らせることができます。

スライディングペーパーには、片面タイプと両面タイプがありますが、使用用途は同じです。種類によっては、2t以上もの重量物を男性1人で動かした実績があります。

基本、数cm内の位置調整に利用するものであるため、それ以上の距離の移動には適しません。そのため、所定の位置まではコロやチルタンクなどの機材による搬入が必要です。また、スライディングペーパーの抜き差しの際は、重量物をジャッキ等で持ち上げる必要があります。

基材が紙であることから、粗いコンクリートや突起物や小石などがある地面では利用できません。そのような凹凸のある地面で使用したい場合は、平滑な鉄板などを接地面とスライディングペーパーの間に敷くことで利用可能となります。

大変滑るため、必ず傾斜のない平面で使用してください。

スライディングペーパーの使用用途

1. 製造業

製造業において、スライディングペーパーは主に工作機械や製造ライン設備など、工場内の装置の位置調整に利用されます。

製造ラインのレイアウト変更や、設備のメンテナンス時など、重量物の位置の微調整を行うことが可能です。旋盤、フライス盤、研削盤をはじめとする大型工作機械などのほか、一般的な機械製造業に利用される各種機械設備など、幅広く重量物の位置調整が可能です。

2. クリーンルーム

スライディングペーパーの中には、クリーンルーム用(無塵紙タイプ)があります。

半導体製造などの精密機械工場や医薬・製薬・化粧品製造工場また電子機器などクリーンルームでの使用に適しています。

クリーンルーム用のスライディングペーパーは、A4などのカットしたシートで販売されており、そのままの大きさで使用します。

本記事はスライディングペーパーを製造・販売するあすまる本舗株式会社様に監修を頂きました。

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耐熱樹脂

耐熱樹脂とは

耐熱樹脂とは、高温環境においても変形や強度の低下を起こすことなく、機能を維持することができる樹脂素材です。

「高温」の明確な統一的定義はありませんが、通常、150℃もしくは200℃以上の連続使用に耐える樹脂素材を耐熱樹脂と呼ぶことが多いです。耐熱性を比較・評価する指標には、長期耐熱性、短期耐熱性、荷重たわみ温度、ガラス転移点などがあります。

代表的な耐熱樹脂としては、耐熱性の高い方から順に、PBI (ポリベンゾイミダゾール) 、PI (ポリイミド) 、PTFE (フッ素樹脂) 、PAI (ポリアミドイミド) 、PEEK (ポリエーテルエーテルケトン) 、PPS (ポリフェニレンサルファイド) などが挙げられます。最も耐熱性に優れた素材であるPBIは、連続使用温度が310 ℃にも達します。

耐熱樹脂の使用用途

耐熱樹脂は主に、航空宇宙・自動車産業や、電子・精密機器、医療機器などで利用されています。それ以外には、エネルギー分野における発電機器の部材、食品製造や化学処理装置における配管システム、梱包材、ポンプ、コンテナなどが挙げられます。

1. 航空宇宙・自動車産業

航空機や自動車のエンジン周辺は高温環境となります。耐熱樹脂は、従来の金属部品に匹敵する耐熱性を有しながらも金属部品より軽量な素材として、高温となる航空機や自動車のエンジン部材に使用されています。耐熱樹脂への代替により燃費の向上や機体・車体の軽量化が可能です。

具体的には、エンジン周辺部品や配管、内装部品、給排気系、電装部品、バッテリー周辺など様々な部材に利用されています。普段は高温環境ではない内装部材でも、耐熱樹脂を利用することで火災の際に有害ガスなどの発生を抑えることができるという利点があります。

2. 精密機器・電子部品

精密機器や電子部品の中には使用時に高熱になる可能性のある部材があり、熱による損傷を防ぐために耐熱樹脂が利用されています。消費電力の高い機器は特に発熱することが多いため、耐熱樹脂が積極的に利用されています。

具体的にはコネクタやケーブル被覆、ハウジング、電子部品の絶縁材として利用されている場合が多いです。耐熱樹脂を用いることで製品の耐久性を高め、安定した動作が可能です。スマートフォンなどの精密機器にも耐熱樹脂が用いられています。また、高温環境で動作するセンサーや半導体製造装置の部品にも適しています。

3. 医療機器

医療機器部品は、オートクレーブなどによる高温の滅菌プロセスに耐えることが必要です。耐熱樹脂は、オートクレーブによる滅菌が可能なため、医療分野で様々な製品に利用されています。

手術器具、器具トレイ、滅菌装置、オートクレーブハウジングへの耐熱樹脂などの器具類のほか、PEEK樹脂などの生体適合性が高い樹脂は人体へ直接使用するインプラントや人工関節、医療用チューブなどにも利用可能です。耐熱樹脂は金属に比べて軽量で成形性が高いというメリットがあります。複雑な形状の部品成形にも対応し、医療機器の小型化・軽量化に貢献します。

食品微生物検査

食品微生物検査とは

食品微生物検査とは、食品の安全性担保のため、衛生指標菌や食中毒に関わる微生物の検出・同定・定量を行うサービスです。

食品中の微生物の繁殖は、食品の腐敗や劣化、食中毒を引き起こす原因となります。そのため、食品の安全性評価の指標として微生物検査が利用されています。食品微生物検査では、微生物汚染の全般的な程度を表す一般生菌数の他、大腸菌群、腸管出血性大腸菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクター、リステリア、ボツリヌス、カビ、酵母など様々な病原性微生物の検出・定量・同定が可能です。

原材料、ロット、季節などの食材に関するデータを蓄積して、原料由来の危険性予測や、製造工程の加熱不足や交差汚染についても分析・フィードバックを行うことができます。検査される食材の具体的な例には、弁当・惣菜・洋菓子・乳製品・アイスクリーム・氷菓・食肉・卵類・魚介類・魚肉ねり製品などがあります。

食品微生物検査の使用用途

1. 原材料・製品の安全確認

食品製造業において、原材料や、製造済みの食品を検体として、安全性を確認するために食品微生物検査が行われています。

一般的な衛生の程度を表す一般生菌数や大腸菌などの衛生指標菌の検査を基本として、その他検体特性によりリスクの高い食中毒菌の検査を必要に応じて組み合わせることが多いです。例えば、卵を含む製品に黄色ブドウ球菌とサルモネラ菌の検査を組み合わせたり、魚介類を含む製品に黄色ブドウ球菌と腸炎ビブリオの検査を組み合わせたりする例などがあります。

2. クレームの原因分析・消費期限の設定

製造販売した食品にクレームや不具合があった場合や、食品が原因と推定される食中毒が発生した場合、原因究明を行うために残っている該当食品を微生物検査にかける場合があります。同一ロットの製品などを比較品として、クレーム品と同時に検査を行う場合もあります。

また、食品を保管・販売する条件で保存した場合の菌数変化を測定する食品微生物検査もあります。このような検査を用いて、弁当や惣菜などの加工品の消費期限を設定することが可能です。リスク管理や品質管理の指標を定めるためのデータの蓄積としても有用です。

3. 製造工程の衛生管理

食品を検体とする微生物検査だけでなく、食品の衛生を管理するために行われる微生物検査全体を食品微生物検査として呼ぶ場合があります。対物検査では、食品製造工場・調理場、調理設備など製造環境の微生物検査や、使用水の検査、輸出入時での衛生検査などが中心です。

また、対人検査では、食品製造に関わる従業員の衛生検査に食品微生物検査が利用されています。手指に付着している一般生菌や黄色ブドウ球菌などを検査したり、ハンドスタンプ検査によって手洗いの効果を検証したりと、効果的に衛生管理指導に役立てる事が可能です。

微生物検査

微生物検査とは

微生物検査とは、食中毒や各種感染症の原因となる細菌や真菌などの検出・同定・定量を行うサービスです。

検査を行う検体を採取し、液体培地もしくは平板培地に接種して菌数を増やした後に、分析を行う方法が一般的です。専門の設備と技術者を備えた企業・機関にて正確な検査が提供されます。尚、ノロウイルスや新型コロナウイルスの検査も微生物検査の中に含まれる場合がありますが、これらのウイルスは微生物用の培地で増やすことができないため、PCR法などによる検出が行われます。

微生物汚染の全般的な程度を表す一般生菌数の他、大腸菌群、黄色ブドウ球菌、サルモネラなど様々な病原性の菌類の検出・菌数測定・同定が可能です。様々な分野において、衛生・健康を守る目的で利用されています。

微生物検査の使用用途

1. 食品

微生物検査は、食品の汚染指標菌や食中毒菌の有無を確認し、安全・安心を担保する目的で行われています。細菌だけでなく、カビ (真菌) や酵母を調べることもできます。各種規格基準や衛生管理指標などに適合しているかどうかを調べる目的で利用されることも多いです。

原材料や製造工程、製造環境などに常在している微生物の種類をあらかじめ把握し、予防策構築のための資料とすることにも役立ちます。また、クレームや不具合があった場合や、食品が原因と推定される食中毒が発生した場合は、残っている食品を検査することで原因究明が可能です。

2. 医療・健康

臨床治療や労働従事者の健康管理では、ヒトから採取した検体を微生物検査にかけることがあります。医療現場では、喀痰や尿、便、膿、血液、体腔液などの患者検体を用い、感染症等の起因菌を検出する目的で検査が行われます。また、見つけ出した原因菌に対して、有効な薬剤の探索試験を行い、早期診断と治療・回復に役立てることが可能です。

食品事業者は、食中毒事故予防のため、労働従事者の健康管理や腸内細菌検査の実施などを行うことが法令で義務付けられています。無症状の保菌者を早期に発見し、感染拡大や食中毒事故を予防するため、微生物検査が利用されています。

3. 環境・工業

化粧品や化学工業品なども、製造工程などにおける微生物汚染の有無を確認するため、微生物検査が利用されています。建物・設備・機器の表面などに付着する表面付着菌や、空中浮遊菌などを調べることが多いです。クリーンルーム、病院の手術室、食品工場などでも利用されています。

また、土壌における病原性微生物の有無や、環境水の衛生状態を評価し、人間や動物の健康を保護する目的でも微生物検査は有効です。また、公共浴場やプールなど、レジオネラ菌対策が必要な場所でも水質維持のため、微生物検査が活用されています。

受託培養サービス

監修:北海道糖業株式会社

受託培養サービスとは

受託培養サービスとは、微生物類、細胞などの培養を行うサービスです。

研究用、産業用を問わず、様々なシーンで微生物類や細胞が必要になる場合がありますが、培養には専用の設備が必要であり、費用・時間・手間がかかるため、本来の業務と並行することが難しいケースがほとんどです。受託培養サービスは、専門の設備・技術者を備えた企業によってお客様の要望に沿った微生物類、細胞等の培養を行います。

企業によって提供サービスの内容は異なりますが、主な培養対象には、各種細胞、乳酸菌、ビフィズス菌、大腸菌、放線菌、麹菌、カビ、酵母、枯草菌(納豆菌)などがあります。
ラボスケールからパイロットスケールの大量培養まで対応可能な場合が多く、培養条件の検討や、スケールアップなどの検討を依頼することが可能です。
培養のみでなく、培養した菌体や培養上清からタンパク質や有効成分の精製を行うことができるサービスもあります。

受託培養サービスの使用用途

1. 食品

乳酸菌、ビフィズス菌、麹菌、乳酸菌、酵母などは、食品用微生物として食品製造の材料に使用されています。各種食品用微生物の製造受託サービスでは、工業生産の一環として大規模なパイロットスケールでの培養が行われることが多いです。

また、培養後に食品原料として利用される特性から、濃縮、造粒・粉末化、包装までが通常一本化して行われます。培養槽、遠心分離装置、濾過装置、凍結乾燥装置などの装置を備えた生産設備で、粉末、液体、生菌、死菌など様々な製品形態での納品に対応可能です。

2. 研究用

研究用の受託培養サービスは、大腸菌や酵母の試験的な培養や、継続的な菌数変化のデータ取得などに利用されることが多いです。微生物の培養からペレット化や粗精製までを一貫して行う受託サービスです。スケールアップに入る前の試験的・試作的な培養、継続的な菌数変化のデータ取得などに活用されます。

また、免疫細胞研究用および再生医療研究用などを行う細胞を十分量調達するために受託培養サービスが利用されることがあります。NK細胞、樹状細胞、腫瘍浸潤リンパ球や、各種幹細胞やiPS細胞などが培養され、サービスによっては薬剤等の投与試験や分化マーカーの確認も可能です。

3. 医薬品・化粧品

医薬品製造の分野では、化学合成困難な化合物を微生物内の代謝生産にて製造する場合があります。遺伝子組み換え大腸菌などを用いた二次代謝産物・酵素などの製造や、酵素法によるグルクロン酸抱合体等の代謝物調製などが主な手法です。受託培養サービスでこれらの微生物の培養・目的物質の生産を行うことができます。

また、乳酸菌や酪酸菌など、微生物そのものを生菌製剤の原料とするために培養が行われる場合もあります。化粧品製造分野においても、酵母などの微生物を培養し、発酵によって化粧品の有効成分を製造する目的で受託培養サービスを利用することが可能です。

本記事は受託培養サービスを提供する北海道糖業株式会社様に監修を頂きました。

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アルマイト印刷サービス

監修:有限会社川島銘板

アルマイト印刷サービスとは

アルマイト印刷サービスとは、アルマイト処理によってできた被膜に染料を吸着させてアルミ板の表面に印刷を行うサービスです。

アルマイト処理とは、アルミニウムの表面を陽極として電解処理を行うことにより、表面に酸化被膜を生成させて保護・防食を行う処理です。アルマイト被膜には無数の微細孔が有りますが、アルマイト印刷ではこの微細孔に染料を流し込み、封孔処理を経て印刷が完了します。印刷部分以外のところには印刷前に感光液を塗って感光させ、感光していない部分にインクを刷り込む仕組みです。

凹凸のない平滑な印刷面と、透明感のある光沢が特徴で、小さい文字や細いラインも鮮明に表現することが可能です。原則として版は1色につき1版必要ですので、色数が多くなる場合は工程数と版数が増えます。

アルマイト印刷サービスの使用用途

アルマイト印刷サービスの使用用途は、主に以下の通りです。

1. 銘板

銘板とは、会社名・製品名・製造番号などの製品情報や用途などを金属板に彫り込み、製品に取り付けるためのプレートです。アルマイト印刷サービスは機械銘板・定格銘板や取説銘板、製造銘板、管理銘板、回路図 (結線図) などの製造に利用されています。様々な装置機器で利用されており、工場内などの機械設備、運搬具、重機や、カメラやオーディオ等の精密機器の製品内部などに取り付けられていることが多いです。

固定資産や備品を管理する管理番号のプレートに利用される場合もあり、医療機関、オフィス、学校などでも利用されています。アルマイト印刷で製造された銘板は、特にアルマイト銘板と呼ばれる場合があります。

2. 目盛板、操作盤

アルマイト印刷の優れた耐擦過性を活かし、様々な計器・装置の目盛板や操作盤などにも利用されています。正確な目盛間隔の印刷が可能です。製造業やプラント設備などにおける大型の装置機器から比較的小さな電子機器や計測機器まで、様々な製品に利用することができます。特に操作パネルでは、印刷後の加工により、パネルに操作スイッチ用の穴を開けて利用されることが多いです。

シルク印刷などに比べて、アルマイト印刷は初期費用が比較的安く、更に数量がまとまると単価が安くなる傾向があるため好んで利用されています。

3. 案内板、ネームプレート

アルマイト印刷サービスは、広く一般的な各種案内板、ネームプレート、装飾プレートなどにも利用されています。ビルや公共施設の施設内の案内板、会社などの社名板、
学校などの室銘板、戸建住宅や集合住宅の表札などにも使用されます。

装飾的印刷が可能であることから、表彰板や楯などの記念品やノベルティ、装飾品製作などにも使われています。印刷色は黒以外にも赤・青・黄をはじめとするカラー印刷が可能ですが、技術的に3色程度までとされることが多いです。ヘアライン、つや消し、光沢など、アルミプレート自体の装飾的加工が併用される場合もあります。

本記事はアルマイト印刷サービスを提供する有限会社川島銘板様に監修を頂きました。

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熱中症対策バンド

熱中症対策バンドとは

熱中症対策バンドとは、身に着けて皮膚温度などを測定し、熱中症のリスクを音・光・振動などのアラームで知らせるウェアラブルデバイスです。

腕時計のような形状をしていることが多く、手首に装着して利用する製品が多いです。熱中症は深部体温の上昇が起点となって発症するため、熱中症対策バンドはそれぞれ独自のアルゴリズムで深部体温を計算・推定します。

外気温度・皮膚温度を測定するセンサーや、体表から放出される熱の移動を計測する技術などを用いるものが主流です。体内の深部体温のほか、周囲温度の異常昇温を知らせる仕組みを備えた製品もあります。

産業用として過酷な作業現場で活用されることを想定し、防塵・防水性能、耐衝撃、防爆仕様を備えた製品も多く製造されています。

熱中症対策バンドの使用用途

熱中症対策バンドの使用用途は、主に以下の通りです。

1. 屋外の作業現場

建設業、道路工事、車両誘導、警備、インフラ点検、農業など屋外の作業をメインとする業務は、熱中症のリスクが高い産業シーンです。熱中症対策バンドは、本人申告に頼らない方法で客観的にモニタリングを行うことができ、熱中症予防に効果的です。

また、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する取り組みは「健康経営」と呼ばれています。熱中症対策バンドなどを用いて従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上などの効果をもたらし、更には企業の業績向上や株価向上に寄与すると期待されます。

2. 高温環境になりやすい屋内の作業現場

工場などの製造現場や、飲食業における厨房などは、屋内の作業であっても高温になりやすく、熱中症のリスクが高い場所です。特に石油・ガスプラント、化学工場、金属加工、製鉄などの分野の工場は高温多湿になりやすく、危険性が高まります。熱中症対策バンドを活用することで、このような産業シーンでの熱中症リスクを早期に把握し、アラートによる注意喚起によって、重症化を防ぎます。

また、クラウド対応している製品では、デバイスの装着者に警告を与えるだけでなく、作業現場から離れた事務所などで遠隔モニタリング・体調管理を行うことも可能です。

3. サービス業、教育機関

サービス業や教育機関などにおいても熱中症の危険性が高まる業務シーンがあり、熱中症対策バンドは効果的です。例えば、エアコンのない場所で業務を行ったりする訪問介護サービスの従事者が利用する場合や、学校の部活動の安全管理のため生徒に利用させる場合などがあります。訪問介護をはじめ、多くの訪問サービス、配送サービスなどは炎天下を自転車やバイクで移動する場合があり、熱中症対策バンドを利用することが効果的です。

その他に、多くの人が集まるイベントや屋外活動の運営業務において、参加者の安全管理に活用することも可能です。スポーツイベント、フェスティバル、清掃活動など様々な活動シーンが挙げられます。

乾燥炉

乾燥炉とは

乾燥炉とは、水分や塗料、溶媒などを乾燥させるために用いられる加熱装置の一種です。

使用される熱源には様々な種類があります。電気式の乾燥炉で利用される主な熱源は、セラミックヒーター、遠赤外線ヒーター、近赤外線ヒーター、波長制御ヒーターなどです。燃焼式では、都市ガスや、液体燃料、気体燃料などを燃焼させて熱を発生させるものが主流です。

装置によって、主に輻射熱を照射させて熱を加える場合と、熱風による加熱を行う場合とに分かれます。電磁誘導によって直接ワークに熱を生じさせる仕組みが用いられている製品もあります。運転方式には、連続運転式やバッチ式などがあります。

塗装関係で利用される乾燥炉の場合、特に塗装前処理ラインで利用する製品を水切乾燥炉、塗装ラインで利用する製品を焼付乾燥炉と呼ぶ場合があります。

乾燥炉の使用用途

乾燥炉の使用用途は、主に以下の通りです。

1. 塗装

各種工業生産で利用される熱硬化型塗料や二液性塗料は、温度・時間を適切に制御して加熱・乾燥させることが必要です。印刷塗装業の他、電化製品や自動車で利用される樹脂部品の塗装乾燥、自動車車体の塗装乾燥工程などでも利用されることが多いです。このような用途では、樹脂部品の変形温度付近での焼き付け乾燥が必要となる場合も多く、正確な温度・時間の制御を目的として乾燥炉が利用されます。

2. 工業

塗装の乾燥以外では、樹脂のアニーリング、各種素材の硬化など、加熱を必要とする様々な工業シーンで乾燥炉が利用されています。例えば、化学関連ではプラスチック原料や樹脂レンズ、機能性フィルムなどの加熱乾燥が中心です。電子部品や電池材料、セラミックス、半導体装置部品の分野では、リチウムイオン二次電池材料、全固体電池、電解セルなどの乾燥が用途として挙げられます。その他、食器、タイル、瓦など所謂オールドセラミックスと呼ばれる素材でも、乾燥炉を用いることが可能です。

3. 食品・医薬品・化成品

乾燥炉は、食品業界では、野菜や果物、魚の干物、ビーフジャーキー、ナッツ類、香辛料、お茶など、様々な食材を乾燥させて製品化する用途で用いられています。医薬品製造における乾燥炉の主な役割は、原薬を乾燥させて薬剤の結晶化・凝固を促進することです。

また、医薬品製造の類似分野として、化成品 (化学品) 製造があります。樹脂や化学肥料、繊維状材料、凝集性材料、チクソトロピック剤などの製造工程では、乾燥炉を用いることがあります。製品に含まれている水分を乾燥炉で蒸発させ、乾燥させることで、品質の安定化を図ることが可能です。

石英ボート

石英ボートとは

石英ボートとは、石英ガラスで製造されたボート型の容器です。

石英ガラスは、一般的なガラスに比べて高温への優れた耐性を持ちます。これは、軟化点が約1,700℃と非常に高く、熱膨張係数も小さいためです。広い温度帯で強度を保つことができ、変形を起こしにくい材質です。また、化学的にも各種薬品に対して安定性が高く、耐摩耗性、透明性にも優れています。そのため、石英ボートは試料や製品材料を入れて、高温の炉で処理する用途で用いられることが多いです。

特に、半導体製造用の石英ボートはウエハを保持する溝が設けられており、縦型、横型などの形状の種類があります。一般的に小径のウエハに用いられる石英ボートは横型が多く、口径の大きいウエハーでは縦型が多く使われています。

石英ボートの使用用途

石英ボートが使用される主な分野は、半導体・液晶製造装置関連や、理化学実験・試験分析です。

1. 半導体製造

半導体製造分野では、石英ボートは蒸着プロセスやエッチングプロセスで利用されています。

蒸着プロセスとは、ウェハの表面にCVDなどの方法で酸化膜などの薄膜を形成し、電気的な特性を持たせるプロセスです。一般的には1,000℃付近の高温の電気炉で処理を行いますが、蒸着を行うウエハの保持容器として耐熱性の高い石英ボートが利用されます。また、エッチングプロセスでは薬液や反応ガスなど腐食性反応剤が利用されますが、このような薬品へ耐性のある容器として石英ボートが適しています。

2. 理化学機器

石英ボートは、理化学実験の分野で加熱や燃焼実験、焼結などに利用されています。

優れた耐熱性と耐薬品性を生かして、種々の化学反応や化学処理に対して容器として利用することが可能です。多くの薬品や溶剤に対して耐性がありますが、アルカリ溶液やフッ酸、300℃以上のリン酸には侵される可能性があるため注意が必要です。最高使用温度は約1,100℃、常時使用温度は約900℃まで耐えることができ、高温での合成反応にも利用することができます。その他、実験系を応用した化学工業プロセスや、薬品処理や洗浄工程でも利用することが可能です。

3. 分析化学

石英ボートは、分析化学における各種の試験・分析において試料を保持する用途でも利用されています。特に、蒸発や乾燥プロセスなど、加熱を伴うプロセスにおいて石英ボートは正確な分析結果を得るのに有用です。高温などの試験条件によって溶融したり侵食されたりすることがないため、試験結果に影響を与えることなく、試料を安定して保持することができます。

具体的な事例としては、魚に含まれる水銀の微量分析における試料の燃焼分解、新規開発材料や既存材料の特性評価などが挙げられます。

路面用ラインテープ

路面用ラインテープ

路面用ラインテープとは、区画整理や注意喚起などを目的として、アスファルト・コンクリートなどの路面に貼付されるテープです。

ガラスビーズが表面に散布された合成ゴムシートと、ゴム系粘着剤から構成されており、ガラスビーズが夜間に車のライト等に反射します。白・黄色や、黄色と黒の縞模様などがあり、様々な場所の安全管理に活用されています。塗料を用いるライン施工と異なり、ラインテープは剥離紙をはがして貼るだけなので、作業が簡便です。

耐久性があり、屋内外の様々な現場への施工が可能です。路面のゴミや汚れを除去した後に貼り付け、ゴムハンマーなどで圧着することで施工が完了します。一般的なアスファルトなどは細かな凹凸があるため、製品によっては、プライマー塗布や、前加熱・後加熱を必要とする場合もあります。

路面用ラインテープの使用用途

路面用ラインテープの使用用途は、主に以下の通りです。

1. 駐車場の区画線

路面用ラインテープは、駐車場や駐輪場などの区画線や区分線の敷設に利用されています。

駐車位置を明示したり、停止線の標示、通路と駐車区画を安全に区分分けしたりする用途が中心です。大きな駐車場にも勿論施工可能ですが、小規模な月極駐車場や、部分的なラインの修繕をするシーンでも重宝されています。

2. 工場内・構内舗装

工場や倉庫、各種構内舗装に活用される路面用ラインテープは、主に危険区域の区画表示、通行区分線の標示、順路などの用途があります。

作業エリアと通路を明確に区別することで、作業環境が整然とし、業務の安全性が高まります。ラインテープのガラスビーズが反射するため、夜間や暗い場所でも安全です。黄色と白線を使い分けて効果的な区分分けに利用されています。

3. 文字表示・位置表示

路面用ラインテープは、道路・路面の文字やマークの表示にも利用が可能です。具体的な用途には、消火栓のマークや文字、一旦停止などの路面標示、スクールゾーンマーク、歩道や自転車道のマークの標示などがあります。また、文字標示と合わせて、消火栓周囲に貼り付けて消火栓の位置を強調する用途などにも利用されます。

道路・駐車場など、屋内外を問わず様々な利用シーンがあります。