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水素化アルミニウムリチウムについての概要、用途、原理などをご説明します。また、水素化アルミニウムリチウムのメーカー4社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。水素化アルミニウムリチウム関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:富士フイルム和光純薬株式会社となっています。
図1. 水素化アルミニウムリチウムの基本情報
水素化アルミニウムリチウムとは、化学式がLiAlH4で表される強力な還元作用を有する無機化合物です。
通称、LAHとも呼ばれます。還元剤として知られる水素化ホウ素ナトリウム (NaBH4) よりも還元作用が強く、カルボン酸やアミドも還元可能です。消防法で「危険物第三類 金属の水素化物」に該当します。
発火しやすく、水との接触により爆発的に反応するため、取り扱いには注意が必要です。
水素化アルミニウムリチウムは強力な還元作用を有し、有機化学で還元剤として使用されます。具体例を挙げると、「エステル、ケトン、アルデヒドからアルコール」「アミド、ニトリル、ニトロ化合物からアミン」「ハロゲン化合物から脱ハロゲン化したアルカン」など、さまざまな化学物質を還元可能です。
反応性の高さから大量には使用されませんが、小規模な実験で使用されることが多いです。
水素化アルミニウムリチウムは粉末状の強い還元剤です。還元剤のNaBH4よりはるかに強い理由は、B-H結合と比較してAl-H結合が弱いからです。
水素化アルミニウムリチウムと水は、激しく反応して水素を生じます。そのため、使用する際は、ジエチルエーテルのような脱水溶媒が必要です。
150°Cで分解し、モル質量は37.954g/mol、密度は0.917g/cm3です。
水素化アルミニウムリチウムはアルミニウムの水素化合物であり、水素化アルミニウムイオン (AlH4−) とリチウムイオン (Li+) のイオン結晶を構成しています。結晶構造は単斜晶系に属します。AlH4−は四面体型構造を取っており、結晶中のAl−Hの結合距離はおよそ1.55Åです。
塩化アルミニウム (AlCl3) と水素化リチウム (LiH) の反応によって、水素化アルミニウムリチウムを合成可能です。重量で収率は97%です。反応混合物をエーテルに溶かし、ろ過によって残った固体の塩化リチウム (LiCl) を取り除けます。
図2. 水素化アルミニウムリチウムの分解
水素化アルミニウムリチウムは塩基性が強く、アルコールのようなプロトン性溶媒と一気に反応して分解します。室温で水素化アルミニウムリチウムは準安定です。
長期間保存する場合には、少しずつLiHやLi3AlH6などに分解します。鉄、チタン、バナジウムなどが存在すると、分解は加速します。
水素化アルミニウムリチウムはTHF中で水素化ナトリウムと反応し、水素化アルミニウムナトリウム (NaAlH4) が生じます。同様に水素化アルミニウムカリウム (KAlH4) も、90%の収率で合成可能です。
THFやジエチルエーテルを溶媒に使用して、LiClによって、NaAlH4やKAlH4から水素化アルミニウムリチウムへの逆反応も進行します。
それ以外にも、水素化アルミニウムリチウムは臭化マグネシウム (MgBr2) と反応すると、水素化アルミニウムマグネシウム (Mg(AlH4)2) になります。
図3. 水素化アルミニウムリチウムの反応機構
水素化アルミニウムリチウムは非常に反応性が高く、有機化学で強力な還元剤として利用可能です。特に、エステルやカルボン酸を1級アルコールに還元する反応が、幅広く知られています。
この反応では、AlH4−の分解と同時に、誘起効果 (英: inductive effect) とメソメリー効果 (英: mesomeric effect) によって、電子密度が低い有機化合物の活性中心に、ヒドリドイオン (H−) が反応します。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0112-0109JGHEJP.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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