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塩酸グアニジンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、塩酸グアニジンのメーカー8社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
塩酸グアニジン (英: Guanidine hydrochloride) とは、化学式CH6CIN3であらわされるグアニジンの塩酸塩です。
潮解性を有する白色粉末で、たん白質可溶化剤、合成繊維用の帯電防止剤、医薬品合成用試薬として使用されています。塩酸グアニジンの製造方法としては、ジシアンジアミドとアンモニウム塩酸塩から得る方法などが知られています。
塩酸グアニジンの主な用途はタンパク質可溶化剤 (タンパク質変性剤) です。グアニジン塩酸塩はタンパク質の水素結合に影響して分子構造を不安定化させる、いわゆるカオトロピック剤としての働きを有しています。
この性質を利用し、生化学の分野においてDNA精製などの用途に広く使用されています。また、リボ核酸の分解酵素であるリボヌクレアーゼを失活させる働きがあることからRNAの抽出にも用いられます。
塩酸グアニジンは、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維の帯電防止剤の成分です。
塩酸グアニジンと界面活性剤および陽イオン性高分子を組み合わせた外部用帯電防止剤を用いることで、合成繊維の性能を損なわずに表面を均一に保護することができます。
塩酸グアニジンは医薬品の合成試薬としても重要です。例えば、赤血球の生産を助けるビタミンの一種である葉酸の原料や、抗菌剤であるサルファ剤の合成原料として用いられています。
塩酸グアニジンは以前は、ランバート・イートン症候群という疾病による筋力低下などを改善する経口薬として用いられていました。しかし、消化器系への障害など副作用を有するため、現在では塩酸グアニジンは医薬品用途としてはほとんど使用されていません。
化学式 | CH6CIN3 |
日本語名 | 塩酸グアニジン |
英語名 | Guanidine hydrochloride |
CAS番号 | 50-01-1 |
分子量 | 95.53 g/mol |
融点/凝固点 | 182℃ |
塩酸グアニジンの別名は、塩化グアニジン、グアニジン塩酸塩、塩酸グアニジニウムです。略称としてGdmCl、GndCl、GuHClなどが使用されることがあります。厚生労働省による職場の安全データシートや日本国内の大手試薬メーカーのウェブサイトでは、主に「塩酸グアニジン」の名称が使用されています。
塩酸グアニジンは、水やアルコール類 (エタノールなど) に良く溶ける性質を持っています。空気中の水分にも溶解しやすいため、取り扱いには注意が必要です。
塩酸グアニジンの法規制について、労働安全衛生法、労働基準法、PRTR法、毒物および劇物取締法において、いずれも非該当となっています。しかし、塩酸グアニジンは、GHS分類において急性毒性、皮膚腐食性/刺激性、眼刺激性に区分されています。
塩酸グアニジンは、皮膚や眼に強い刺激を有します。そのため、塩酸グアニジンを使用する場合は、保護手袋、保護メガネ、保護衣を着用し眼と皮膚を保護することが推奨されています。
万が一、塩酸グアニジンが皮膚や眼に触れた場合は、十分に水で洗い流したのち、医師の診断・手当を受けてください。厚生労働省による職場の安全データシートでは、塩酸グアニジン使用時の設備対策について、作業場に洗顔器と安全シャワーを設置すること、防爆タイプの全体換気装置および局所排気装置を設置することが推奨されています。
塩酸グアニジンは室温で安定に保管できます。しかし、潮解性を有しており空気中の水分を吸着して溶解しやすい化合物であるため、容器を密閉して湿気の少ない場所で保管してください。
塩酸グアニジンを輸送する場合、移送者はイエローカードの保持が必要です。また、化学薬品であるため、食品や飼料とは一緒に輸送してはならないと定められています。塩酸グアニジンは環境中に放出してはならない化合物です。塩酸グアニジンを廃棄処分する場合は、各地方自治体の基準にしたがって安全に廃棄処分してください。
参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/50-01-1.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/safety/20/6/20_355/_pdf/-char/ja
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