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メチルプロピルエーテルについての概要、用途、原理などをご説明します。また、メチルプロピルエーテルのメーカー3社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
メチルプロピルエーテルとは、常温で液体のエーテル化合物です。
メトキシプロパン、メチルn-プロピルエーテル等の別名や、「Metopryl」「Neothyl」等の商品名でも呼ばれています。常温 (20℃付近) では無色透明の液体で、エーテル臭があり、水に可溶です。
沸点は38.8℃と低く、加熱によって容易に気化するため、冷暗所で保管する必要があります。引火性の高い液体で、消防法ではジエチルエーテルや二硫化炭素と同じ「危険物第4類 特殊引火物 危険等級Ⅰ」に該当します。また、労働安全衛生法でも「危険物 4. 引火性のもの」に指定されています。
メチルプロピルエーテルの主な使用用途は、有機溶媒や合成原料です。抽出や精製に用いる溶媒や、水素化アルミニウムを製造する際の原料として、工場や実験室で用いられます。
エーテル系の溶媒としてはジエチルエーテルが代表的ですが、メチルプロピルエーテルはジエチルエーテルよりも水への溶解性が低い等の違いがあります。そのため、抽出や分液操作で用いると物質がジエチルエーテルとは異なる挙動を示し、使い分けられる可能性があります。
蒸気を吸引すると麻酔作用があるため、かつては麻酔薬として使われていました。しかし、引火性が高く保管や使用に危険が伴うため、現在はより可燃性の低いハロゲン化エーテルが麻酔薬に使用されています。
なお、メチルプロピルエーテル以前は、さらに引火性の高いジエチルエーテルが麻酔薬に使われていました。より引火性が低く安全に扱える物質へと変遷してきた歴史があります。
メチルプロピルエーテルは、メチル基とプロピル基を持つ非対称エーテルであり、化学式はC4H100で表されます。メチルプロピルエーテルの基本的な特性 (分子量、比重、溶解性) は以下の通りです。
代表的なエーテルであるジエチルエーテル (分子量74.12、密度0.71 g/cm3、水への溶解度9.7mL/100mL) と比べると、密度がわずかに大きく、水への溶解度がやや低いという特徴があります。
メチルプロピルエーテルは引火生の液体です。引火点 (大気圧において燃焼範囲下限の可燃性蒸気を発生させる温度) が-20℃より低く、室温でも容易に引火する恐れがあります。そのため、危険物の中でも特に危険性の高い「特殊引火物」に分類されています。
メチルプロピルエーテルの蒸気が残っているだけでも引火の恐れがあるため、ドラフトや局所排気による換気が必要です。蒸気密度が空気よりも高く、漏洩した場合は床に滞留する可能性があります。
可燃範囲の蒸気は静電気等の火花でも引火するため、保管や使用に用いる施設では照明や電気機器も防爆構造にします。さらに沸点が38.8℃であるため、夏場の高温で蒸発が進まないよう、冷暗所に保管する等の対策が必要です。
メチルプロピルエーテルには麻酔作用があるため、使用時は吸引しないよう対策が必要です。工場等で多量に用いる場合は、作業員に送気マスク等の保護具を着用させ、室内を換気します。さらに、吸引しないようにように風上で作業を行います。
誤ってメチルプロピルエーテルを吸引した場合は、直ちに空気の新鮮な場所に移動させ、呼吸しやすい体勢で休息させます。意識が無い場合や気分が悪い場合は、医療機関での処置が必要です。
吸引事故が起きた場合に処置や医療機関への連絡を直ちに行うために、必ず2人以上で作業するよう作業手順を組むことも重要です。
他のエーテル類と同様、紫外線等で酸化が進み爆発性のある酸化物を生じることがあります。爆発性酸化物が蓄積した状態では、加熱や衝撃により爆発するおそれがあります。
酸化物が蓄積しないための対策としては、酸化防止剤 (ハイドロキノン等) の添加、酸素や紫外線からの遮蔽等が有効です。また、長期保存していたメチルプロピルエーテルを使用する際には、酸化物が蓄積していないかを試験紙で確認するとより安全です。
参考文献
https://www.tcichemicals.com/JP/ja/p/M0510
https://www.chemicalbook.com/ChemicalProductProperty_JP_CB6355953.htm
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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