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ヘキサノンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ヘキサノンのメーカー4社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
図1. 2-ヘキサノンと3-ヘキサノン
ヘキサノンとは、有機化合物の1種で化学式C6H12Oで表されるケトンです。
2-ヘキサノン (2-Hexanone) と3-ヘキサノン (3-Hexanone) の2つの異性体があります。これらは直鎖状の炭素鎖ヘキサンの2位もしくは3位のどちらかの部位にCOカルボニル基が置換した有機化合物です。
CAS登録番号は、それぞれ591-78-6 (2-ヘキサノン)、589-38-8 (3-ヘキサノン) です。その他の異性体には1位にカルボニル基が置換した有機化合物があり、この物質はアルデヒドに分類され、ヘキサナールと呼ばれています。
2-ヘキサノンは、主に溶剤や塗料などに多く使用される物質です。特に硝酸セルロース、ビニルポリマー、コポリマー、天然樹脂、合成樹脂などをよく溶解することが知られています。また、2-ヘキサノン自体は光化学的に不活性であるため、上記天然物由来の化合物や、光学的に活性な有機化合物の合成時の溶媒として有用であり、推奨されています。
3-ヘキサノンも、2-ヘキサノンと同様に有機合成における溶媒として用いられる物質です。また、2-ヘキサノン、3-ヘキサノンともに、有機合成における中間体としても使用されます。
図1. 2-ヘキサノンの基本情報
2-ヘキサノンは、メチルブチルケトンなどの別名があります。分子量100.16、融点-55.5℃、沸点127.6℃であり、常温での外観は無色から淡黄色の透明な液体です。激しいアセトン臭と形容される臭いを有します。密度は0.8113g/mLです。
エタノール及びアセトンに溶けやすく、水にわずかに溶ける性質を有します。引火点は35℃、発火点は530℃です。
図3. 3-ヘキサノンの基本情報
3-ヘキサノンは、エチルプロピルケトンなどの別名を有します。分子量100.16、融点-55℃、沸点123℃であり、常温での外観は無色から微黄色の透明な液体です。密度は0.814g/mL、水に溶ける性質があります。水への溶解度は、14g/Lです。引火点は14℃と低く、引火性の高い性質を示します。
2-ヘキサノンや3-ヘキサノンは、主に研究開発用試薬製品として販売されている物質です。容量の種類には5mLや25mLなどがあり、実験室で取り扱いやすい小容量で販売されています。通常、室温で取り扱い・保管可能な試薬製品として扱われる物質です。
2-ヘキサノン、3-ヘキサノンは共に推奨保管条件下では安定な物質と考えられています。2-ヘキサノンの蒸気/空気混合物は強く温めると爆発性となるため、2-ヘキサノンの保管に際しては高温条件を避けることが必要です。
どちらの化合物も燃焼によって炭素酸化物を生じるため、火や火花などの着火源から離すことが推奨されます。混触危険物質は、酸化剤、強塩基類です。
2-ヘキサノン、3-ヘキサノンは、前述の通り、共に引火性液体及び蒸気として危険性の高い物質です。また、人体への有害性では、特に2-ヘキサノンは、肺や経口、真皮を介して吸収され、神経毒性のある代謝生成物2,5-ヘキサンジオンへ代謝される性質があります。指摘される具体的な有害性は下記のとおりです。
2-ヘキサノン、3-ヘキサノンは前述の有害性から、共に法令によって規制を受ける物質です。2-ヘキサノンは消防法によって危険物第四類、第二石油類、危険等級Ⅲに指定されており、3-ヘキサノンは、危険物第四類、第一石油類、危険等級Ⅱに指定されています。
また、2-ヘキサノンは、労働安全衛生法において、名称等を表示すべき危険物及び有害物、名称等を通知すべき危険物及び有害物、第2種有機溶剤等、危険物・引火性の物、作業環境評価基準に指定されています。法令を遵守して正しく取り扱うことが必要です。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0113-0405JGHEJP.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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