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フロログルシノールについての概要、用途、原理などをご説明します。また、フロログルシノールのメーカー8社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。フロログルシノール関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:太洋株式会社、2位:富士フイルム和光純薬株式会社となっています。
フロログルシノールとは、化学式C6H6O3の天然に存在する有機化合物の1つです。
フロログルシノール類は、細菌や植物によって生合成され、さまざまな植物内の成分中に配糖体として存在します。アシル誘導体はオシダ属のドリオプテリス・アルグタ (英: Dryopteris arguta) の葉状体に含まれます。
褐藻類からフロログルシノール類が単離でき、タンニンの1種であるフロロタンニン (英: Phlorotannin) を合成可能です。また、フロレチンヒドロラーゼによるフェノン誘導体の加水分解でも得られます。
化学式 | C6H6O3 |
英語名 | Phloroglucinol |
分子量 | 126.11 |
融点 | 216 ~ 219℃ |
多官能性であるフロログルシノールは、有機合成の中間体として有用です。主に医薬品や爆薬の合成原料などに使用されます。
例えば、フロプロピオンの合成原料に利用されます。ジアゾ染料と結合して速やかに黒色になるため、印刷のカップリング剤としても使用可能です。リグニンと呈色反応を示し、分析試薬に用いられます。ペントースなどの検出や定量 (トレンス反応) にも有用で、フロログルシノール反応と呼ばれています。
図1. フロログルシノールの反応
フロログルシノールの分子量は126.11で、融点は216〜219°Cです。常圧でのフロログルシノール2水和物の融点は116〜117°Cです。フロログルシノールは昇華性を有します。弱い三塩基酸で、最初の2つのpKaは8.5と8.9です。
ヒドロキシルアミンと反応して、オキシムを形成します。フロログルシノールはエノールのように、ケト互変異性体と平衡状態で存在しているためです。
フロログルシノールはベンゼントリオールのようにも振る舞い、3つのヒドロキシル基がメチル化されると、1,3,5-トリメトキシベンゼンが得られます。
図2. フロログルシノールの構造
フロログルシノールは1,3,5-ベンゼントリオールとも呼ばれます。ベンゼン環に3個のヒドロキシ基が置換したポリフェノールであり、ベンゼントリオール (英: benzenetriols) またはトリヒドロキシベンゼン (英: trihydroxybenzenes) の1種です。
フロログルシノールは、pHに依存した化学平衡の関係にあります。フェノール型の1,3,5-トリヒドロキシベンゼンとケトン型の1,3,5-シクロヘキサトリオンの2種の互変異性体が存在します。分光学的に中性化合物のケト互変異性体は検出できません。ただし、脱プロトン化した場合には、ケト互変異性体が優勢です。
図3. フロログルシノールの合成
有機合成では、1,3,5-トリニトロベンゼンの還元によりトリアミノベンゼンが生じ、得られた塩酸塩を水と煮沸して加水分解すると得られます。通常のアニリン誘導体は水酸化物イオンに不活性ですが、トリアミノベンゼンが互変異性によりイミン体になるため、加水分解を起こしやすいです。
フロログルシノールのヘッシュ反応 (英: Hoesch reaction) によって、1-(2,4,6-トリヒドロキシフェニル)エタノンを合成可能です。塩化亜鉛触媒の存在下で、フロログルシノールとイソバレロイルニトリルが反応すると、レプトスペルモンが生成します。
低温のアンモニア水とフロログルシノールは容易に反応して、5-アミノレゾルシノール (フロラミン) を合成可能です。フロログルシノールとフロレチン酸の反応では、フロレチンが30%の収率で得られます。
ヒドロキシ基の位置によって異性体が3種類存在します。1,2,4-ベンゼントリオールと1,2,3-ベンゼントリオールです。1,2,4-ベンゼントリオールはヒドロキシキノール、1,2,3-ベンゼントリオールはピロガロールとも呼ばれています。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0232-5650JGHEJP.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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