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ヒドロキシプロリンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ヒドロキシプロリンのメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
ヒドロキシプロリンとは、二級環状アミノ酸の1つです。
一般的に、生体に存在する4-ヒドロキシ-L-プロリンを指します。3文字略号は、Hypです。かつてはイミノ酸の1つに分類されており、現在も広義のイミノ酸に含む場合があります。
ビタミンCの存在下で、アミノ酸のプロリンの水酸化によって生成されます。ヒドロキシプロリンは、プロリンProのγ炭素にヒドロキシ基が付加した構造です。精製したものは、白色の六角板状結晶であり、水に易溶、エタノールに微溶です。
ヒドロキシプロリンは、皮膚組織のコラーゲンの構成成分です。また、肌のコラーゲン構造の安定化にも寄与しています。ヒドロキシプロリンを摂ることによって、コラーゲンの合成促進、線維芽細胞および表皮細胞の増殖促進が報告されています。
高い経皮吸収性と保湿性をもつことから、皮膚のハリ、弾力性を増加させ、皮膚の柔軟性を改善させるなど、皮膚の老化防止に非常に効果的な化粧品原料です。なお、消化や異化反応を経るため、ヒドロキシプロリンを経口摂取しても、コラーゲンに直接作用して肌がきれいになるわけではありません。
ヒドロキシプロリンは、コラーゲンに特異的に存在するため、検査マーカーとして利用されます。ヒドロキシプロリン量を測定し、検体中のコラーゲンやゼラチン量を定量することができます。
コラーゲンの破壊を伴う疾患の診断材料とすることが可能です。コラーゲン量の増加は、骨ページェット病の血清中で測定されます。
また、ヒドロキシプロリン量の増加は、前立腺癌の骨転移、肝線維症、ならびにメラミンおよびシアヌル酸誘発性の腎毒性と相関しています。
ゼラチン、肉類 (すじ肉) に多く含まれており、人の体内でも特に皮膚、腱、骨に多く存在しています。食品添加物や、日常生活で不足した栄養成分を補うことを目的とした健康補助食品などに利用されています。
ヒドロキシプロリンは、化学式C5H9NO3、分子量131.13、CAS番号51-35-4で表される白色の結晶~結晶性粉末です。融点、沸点などのデータはありません。
水に溶けやすく、エタノール、エーテルには難溶です。通常の状態において安定な物質ですが、高温と直射日光は避けます。
混触危険物質は、強酸化剤です。危険有害な分解生成物として、一酸化炭素 (CO) 、二酸化炭素 (CO2) 、窒素酸化物 (NOx) を発生させる可能性があります。
GHS分類基準に該当せず、危険有害性は報告されていません。また、消防法、毒物及び劇物取締法において非該当物質です。
直射日光を避け、 換気のよいなるべく涼しい場所に密閉して保管を行います。容器はガラスを用い、強酸化剤と離れた場所で保管します。適切な保管条件下では安定な物質です。
屋内作業場で使用する場合は発生源を密閉化、または局所排気装置を設置します。取扱い場所の近くには安全シャ ワー、 手洗い・洗眼設備を設け、その位置の明瞭な表示が必要です。
作業者は、防塵マスク、保護手袋、側板付き保護眼鏡 (必要によりゴーグル型または全面保護眼鏡) 、長袖作業衣を着用します。
取扱い時は、飲食、喫煙を避け、取扱い後は手、顔をよく洗い、うがいが必要です。作業場所以外に、手袋その他汚染した保護具を持ち込まないよう注意します。
ヒドロキシプロリンは、タンパク質の翻訳後修飾として、プロリンヒドロキシラーゼによるプロリンのヒドロキシ化によって生成します。ヒドロキシプロリンは、コラーゲンの主要な成分です。ポリペプチド鎖に含まれることで、コラーゲンのらせん構造にきつく巻きつくことが可能となり、水素結合によってコラーゲンの三重らせんを安定化させています。
プロリンのヒドロキシ化にはアスコルビン酸 (ビタミンC) が必要でることから、ビタミンCが不足するとコラーゲン中のヒドロキシプロリンが欠乏し、安定性が低下することで、壊血病を引き起こします。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0108-0164JGHEJP.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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