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ジイソプロピルエーテルについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ジイソプロピルエーテルのメーカー11社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ジイソプロピルエーテル関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:三協化学株式会社、2位:東洋合成工業株式会社となっています。
図1. ジイソプロピルエーテルの基本情報
ジイソプロピルエーテル (英: Diisopropyl ether, DIPE) とは、分子式C6H14Oで表される有機化合物です。
イソプロピルエーテルの名称で呼ばれることもあります。示性式は(CH3)2CH2Oと表記され、二級エーテルに分類される化合物です。CAS登録番号108-20-3の有機化合物です。
分子量102.17、融点-60℃、沸点68℃であり、常温では無色の澄明な液体です。特異臭を呈します。密度は0.725g/mLです。エタノール・ジエチルエーテルに極めて溶けやすく、水に溶けにくい性質があります。
ジイソプロピルエーテルは、引火点が-6.7℃と低く、引火性の高い液体及び蒸気です。このため、消防法では「危険物第四類・第一石油類・危険等級Ⅱ」に指定されており、労働安全衛生法では「名称等を表示すべき危険有害物」「危険物・引火性の物」に指定されています。
ジイソプロピルエーテルは、抽出溶剤、一般溶剤、合成化学原料などの用途で広く使用されています。抽出溶剤としては、動植物油、鉱油、ろう、樹脂などを溶解するために用いられます。それ以外にも、医薬、抗生物質等の抽出溶剤として用いられる他、タバコからニコチンを抽出したり、魚の肝臓からビタミンAを抽出したりするなどの用途があります。香料の抽出や、希薄水溶液から酢酸、乳酸、石炭酸などを回収する際にも利用されている物質です。
一般溶剤としては、アルコールとの混合溶液は硝化綿を溶解してコロジオン液をつくることが知られており、帽体原糸、タイプ原紙などに用いられます。また無煙火薬、ラバーセメントの製造などの用途もある他、ペイントワニス類のはく離剤、レンズ、金属部品の清拭剤としても使用される物質です。
合成原料としては、染料の製造などの用途があります。アルキル化剤として用いられることの多い物質です。また、イソオクタンとの混合液はアンチノッキング剤としてガソリンに添加されています。
図2. ジイソプロピルエーテルの合成
ジイソプロピルエーテルは、イソプロピルアルコールから合成されます。無機酸によるイソプロピルアルコール同士の合成反応の他、ウィリアムソンエーテル合成反応などの方法があります。
また、プロピレンの水和反応によるイソプロパノールの合成の際、副生成物として生成する化合物でもあります。
図3. ジイソプロピルエーテルの関連物質
ジイソプロピルエーテルは、光により変質するおそれがあります。保管時には、高温と直射日光を避けることが必要です。
また、年単位の長期間に渡って空気中で放置した場合には爆発性の過酸化物 (ペルオキシド) を生成する恐れのある物質です。安定剤として、重合禁止剤であるヒドロキノンが利用されることもあります。ヒドロキノンは、ラジカル捕捉剤としての効果があります。この理由により、ジイソプロピルエーテルの代替物としてしばしばメチルターシャリーブチルエーテルが利用されます。
市販されているジイソプロピルエーテルの種類には、主に研究開発用試薬や、工業用薬品などがあります。
研究開発用試薬製品は、100mL、500mL、1L、2.5L、12kgなどの容量の種類で提供されています。実験室で取り扱いやすい容量規格です。通常、室温保管可能な試薬製品として取り扱われます。安定剤としてヒドロキノンを含む場合があります。
工業用薬品の荷姿の種類には、石油缶 (12kg) 、ドラム (143kg) 、コンテナ (1000L) 、ローリーなどがあります。工場などでの大スケール需要に合わせた容量規格です。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0116-0951JGHEJP.pdf
https://www.nite.go.jp/chem/chrip/chrip_search/dt/html/GI_10_001/GI_10_001_108-20-3.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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