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グリセリン酸についての概要、用途、原理などをご説明します。また、グリセリン酸のメーカー4社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。グリセリン酸関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:シグマアルドリッチジャパン合同会社となっています。
グリセリン酸 (英: glyceric acid) は、分子量が106.08の分子式C3H6O4で表される有機化合物です。
2,3-ジヒドロキシプロピオン酸 (英: 2,3-dihydroxypropionic acid) の別名で、ヒドロキシカルボン酸の一つです。
D-グリセリン酸は天然の植物に見出された有機酸の一種で、タバコやアーティチョーク、リンゴ、ナッツなど、様々な植物に微量含まれている化合物です。D-グリセリン酸のリン酸エステル誘導体は糖質代謝の中間体として重要です。
加えて、グリセリン酸は肝機能の改善効果やエタノール代謝の促進効果など、複数の生物活性が報告されています。しかし、機能や用途に関する研究は不足しています。近年の研究によって、以下のようなポリマー原料や有機材料の原料として期待されています。
グリセリン酸のヒドロキシル基をアシル化し、例えば、リノレン酸やパルミチン酸を導入したジアシルグリセリン酸は、化粧品やスキンケア用の組成物として期待されています。また、モノアシルグリセリン酸は皮膚刺激の少ない界面活性剤であることが明らかにされています。
グリセリン酸と糖を反応させて得られるグリコシルグリセリン酸は、皮膚細胞への刺激性が低い、外的ストレスに対して保護作用を示すといった特徴が見出されており、スキンケア・ヘアケア製品類へ応用可能な新素材として期待されています。
上記の通り、グリセリン酸のアシル、及び、グルコシル誘導体には優れた界面活性剤としての機能、生体分子の保護機能があることが報告されています。一方、誘導体化しないグリセリン酸塩単独でも、細胞賦活化機能があることが明らかにされており (エタノール損傷を受けた胃細胞をグリセリン酸カルシウムが賦活化) 、サプリメントへの展開などが期待されています。
その他、グリセリン酸は反応性の異なる2つのヒドロキシル基とカルボキシル基を有するために重合しやすく、生分解性ポリマーとしても展開が期待されています。
グリセリン酸はヒドロキシカルボン酸の一つで、化学式ではHOCH2(OH)COOHと表しますが、不斉炭素を持っているため、光学異性体のD体とL体が存在します。
D体とL体は、右手と左手のように互いに重ね合わせられない鏡像の関係にあります。D-グリセリン酸とL-グリセリン酸は化学的性質は同じですが、生物学的作用は異なります。
D-グリセリン酸とL-グリセリン酸が混合したDL-グリセリン酸はシロップ状の液体で、水やエタノール、アセトンには溶けますが、エーテルやベンゼンには不溶です。グリセリン酸水溶液として販売されていることが多いです。
グリセリン酸は上記のように重要な原料ですが、工業的生産方法が確立されておらず高価です。そこで、安価なグリセリンからグリセリン酸を製造する技術開発が行われています。
グリセリンを化学法、あるいは生物法による酸化でDL-グリセリン酸が製造できることが、広く知られています。しかし、分子内にある複数のヒドロキシル基の酸化を制御する必要があります。そこで、様々な方法で高選択的に酸化する技術開発が行われています。
微生物などを上手く利用して、DL-グリセリン酸のラセミ分割を行うと、D-グリセリン酸、L-グリセリン酸をそれぞれ選択的に得られることが知られています。しかし、工程数が多くなってしまうため、微生物を利用して直接D体を得る方法も研究されています。
グリセリンの酸化以外の製造方法として、2,3-ジブロモプロピオン酸の加水分解による方法も知られています。
発酵生産で得られるグリセリン酸は D体であるのに対し、L-グリセリン酸は医薬品等に応用可能な L-糖誘導体の合成原料として有望です。そこで、新たなプロセスによるL体生産技術の開発も進められています。グリセリン酸の光学異性体を制御可能な微生物プロセスの開発により、L体含有量の多いD-グリセリン酸が得られるようになってきています。
参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/oleoscience/12/5/12_203/_pdf/-char/ja
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2009/pr20090325/pr20090325.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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