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クロロシクロヘキサンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、クロロシクロヘキサンのメーカー7社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。クロロシクロヘキサン関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:東レ株式会社となっています。
クロロシクロヘキサンとは、シクロヘキサンの水素原子1つが塩素に置き換わった有機塩素化合物の1種です。
化学式はC6H11Clです。塩化シクロヘキシルとも呼ばれ、常温では刺激臭のある液体状態として存在します。
クロロシクロヘキサンは、農薬原料用、ゴム原料用、医薬品用などの中間合成物として、様々な用途に使用されます。このうち、ゴム原料向けの合成材料としての用途例を示します。
クロロシクロヘキサンは、N-シクロヘキシルチオフタルイミドという物質の生成に使用されます。ゴムが貯蔵中や成型作業中に硬化してしまい加工が困難になる現象を「スコーチ現象」と呼びますが、N-シクロヘキシルチオフタルイミドは、ゴム加工においてスコーチ現象の防止剤として作用します。
図1. シクロヘキサン、クロロシクロヘキサン、リンダンの構造式
クロロシクロヘキサンは極めて燃えやすく、引火しやすい性質を持っています。火炎や熱、火花で簡単に発火します。クロロシクロヘキサンの組成には塩素が含まれているため、燃えると刺激臭や毒性のある塩素を含むガスを発生させる恐れがあります。
シクロヘキサンも引火性の強い物質で、シクロヘキサンと構造が似ているクロロシクロヘキサンも燃えやすい性質を持っています。クロロシクロヘキサンはシクロヘキサンより燃焼性が低くなっていますが、これは塩素が結合しているためです。実際にシクロヘキサンの水素6つが塩素と置き換わったリンダンは不燃性になっています。
クロロシクロヘキサンはほとんど水に溶けません。定量的な溶解度は水1Lに対して500mlです。エタノールおよびアセトンには非常によく溶けます。
クロロシクロヘキサンは人間を含め、動物および植物に対して毒性を持っています。その性質を利用して農薬や殺虫剤の原料として使われています。
クロロシクロヘキサンは「有機塩素化合物」の一種です。有機塩素化合物とは分子内に塩素を含む有機化合物の総称です。多くの有機塩素化合物は人工的に合成されたもので、自然界にはほとんど存在しません。
有機塩素化合物のほとんどは強い毒性を持ち、毒性のない有機塩素化合物はないと言われています。オゾン層を破壊するフロンや環境問題で注目されているダイオキシン、トリハロメタンなどは法律で使用や排出が規制されています。
図2. いす型配座
シクロヘキサン環は、いす型配座 (英: chair conformation) というひずみのない三次元構造をもちます。背もたれ、座部、足のせ台があるラウンジチェアのような形状であることからいす型と呼ばれます。いす型のシクロヘキサン環ではすべてのC-C-C結合角が111.5°で、最も安定な四面体角の109.5°に近い結合角になっています。
シクロヘキサン環には、いす型の他に船型配座と呼ばれる立体配座があります。この船形配座は角ひずみはありませんが、隣接炭素原子間のC-H結合の電子軌道が重なるためねじれひずみがあります。そのため、いす型配座に比べて不安定です。
図3. アキシアル結合とエクアトリアル結合
シクロヘキサン環についた塩素は2種類の位置、アキシアル位とエクアトリアル位を取ることができます。アキシアル (英: axial) 位は環の軸に並行、すなわち環に垂直であり、エクアトリアル (英: equatorial) 位は環の赤道周りで、おおよそ環と同一平面内にあります。アキシアル位の塩素はアクシアル位の水素との干渉によってねじれひずみがあるため、エクアトリアル位の方が安定しています。
シクロヘキサンの塩素化や、シクロヘキサノールを塩酸と加熱することにより生成されます。
消防法では、第4類引火性液体、第二石油類非水溶性液体に該当します。また、労働安全衛生法法では、危険物・引火性の物に該当しているため、取り扱いには注意が必要です。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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