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キノキサリンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、キノキサリンのメーカー5社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
図1. キノキサリンと異性体
キノキサリン (英: Quinoxaline) とは、化学式C8H6N2で表され、ベンゼン環とピラジン環が縮合した構造を持つ複素環化合物です。
別名はベンゾピラジンで、CAS登録番号は91-19-0です。異性体として、キナゾリン、シンノリン、フタラジンの3つの化合物があります。キノキサリンは、GHS分類において、いずれの分類にも該当しません。
また、法規制についても労働安全衛生法、労働基準法、PRTR法、毒物および劇物取締法においては、いずれも非該当です。
キノキサリンは、主に染料としての使用が一般的です。キノキサリンのような有機色素は、顔料としてはもちろんのこと、電子写真用感光体などを代表とする機能性材料としても注目されています。
そのほかの用途としては、医薬品や農薬の中間体、出発原料としての使用が挙げられます。種々の官能基を導入したキノキサリン骨格を有する化合物は、代謝過程で触媒的に働く金属イオンを捕獲し、酵素活性を阻害する作用があると考えられています。
この作用を応用し、キノキサリンは、殺菌剤、殺ダニ剤、抗生物質などに利用されている物質です。キノキサリンから合成される抗生物質には、エチノマイシン、レボマイシン、アクチノロイチンなどがあります。
図2. キノキサリンの基本情報
キノキサリンは、分子量130.15、融点29-32℃、沸点220-223℃であり、常温では白色若しくは黄色の結晶または塊です。
密度1.124g/mLであり、引火点98℃です。水や、エタノールに溶ける性質があります。
キノキサリンは、主に研究開発用試薬製品として販売されています。容量は25gなど、実験室で取り扱いやすい容量で提供されています。融点が低いため、0-10℃の冷蔵で保管されることが多い物質です。
図3. キノキサリンの合成例
キノキサリン骨格は、o-ジアミンとジケトンとの反応によって合成する方法が一般的に知られています。無置換のキノキサリンは、o-フェニレンジアミンとグリオキサールとの反応で得ることが可能です。その他には、2-ヨードキシ安息香酸 (IBX) を触媒として、o-フェニレンジアミンとベンジルからキノキサリン誘導体を簡便に合成する反応も開発されています。
また、置換基を導入した出発物質を用いることで、種々の官能基を有するキノキサリン骨格を合成することもできます。例えば、ジケトンとしてα-ケト酸、α-クロロケトン、α-アルデヒドアルコールそしてα-ケトンアルコールなどを用いる方法があります。
キノキサリンは、通常の保管条件では安定と考えられている物質です。ただし、可燃性有機物質及び製剤に概ね該当するとされています。微細に分散し、舞い上がった場合、粉じん爆発を起こす可能性が考えられます。混触危険物質は特に指定されていません。
キノキサリンの誘導体で市販されているものには、キノキサリン-2,3-ジチオール、キノキサリン-2,3-ジオール、キノキサリン-2-カルボキシアルデヒド、キノキサリン-5-オール、キノキサリン-6-カルボン酸メチル、カルボン酸-6-アミンなどがあります。どれも、研究開発用試薬製品として販売されている物質です。
キノキサリンは、GHS分類では特に指定を受けていない物質ですが、皮膚刺激や強い眼刺激などの危険性が指摘されており、取り扱いに注意が必要な物質です。
まず、適切な個人用保護具 (保護手袋/保護眼鏡/保護面を着用し、取扱い後は皮膚をよく洗うことが必要です。また、皮膚に付着した場合には多量の水で洗い、眼に入った場合には水で数分間注意深く洗う必要があります。
次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外し、その後も洗浄を続けることが必要です。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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