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エタンチオールについての概要、用途、原理などをご説明します。また、エタンチオールのメーカー3社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
エタンチオールとは、化学式C2H6Sで示される有機硫黄化合物です。
その分子量は62.14です。また、液体状態での密度は0.86g/cm3です。エタンの水素の1つがチオール基に置換されているような構造をしています。
エタンチオールは、別名でエチルメルカプタンやエチルチオアルコールとも呼ばれています。エタンチオールの融点と沸点は、それぞれ-144 ℃、35 ℃です。そのため、エタンチオールは常温では、液体として存在します。
化学式 | C2H6S もしくは C2zH5SH |
英語名 | Ethanethiol |
分子量 | 62.14 |
融点 | -144.4°C |
エタンチオールは都市ガスに添加することで、都市ガスに臭いをつけることができます。上記のようにエタンチオールは悪臭をもち、その臭いはタマネギやニラの臭いに近い強い刺激臭です。
このエタンチオールの性質を利用して、ガスに添加することで、ガス漏れした時にいち早く気づくことができます。エタンチオールがガスの付臭剤として使われるようになった理由は、アメリカの石油会社従業員が偶然にガス漏れをしている部分にヒメコンドルが集まっていることを発見したからです。
このヒメコンドルは、のちにエタンチオールの臭いに集まっていることが判明しました。それ以降、ガス中のエタンチオールの濃度を高くして、人間にも臭いが感知できるようにすることで、ガス漏れの検知にエタンチオールが使われるようになりました。
エタンチオールは、有機合成における試薬としても使用されます。エタンチオールは非常に反応性の高いチオール基を持っているため、スルフィド構造をもつ化合物やチオエステル構造を持っている化合物を合成する際に利用できます。ただし、高すぎる反応性を持つことによって副反応が起きる可能性もあるので、保護基をうまく導入するなどの工夫を行うことが必要です。
しかし、この化合物は沸点が36℃と低いことや、強い刺激臭を持っていることから、取り扱いには注意が必要です。
エタンチオールの色は無色で、非常に強い刺激臭を持ち、かなり遠くからでも認識できるほどの悪臭を呈します。この化合物は、世界で最も臭い化合物としてギネス世界記録にも認定されています。
エタンチオールは、硫酸エチルカリウムに硫化水素カリウムを反応させることでエタンチオールを得ることが可能です。また、その他のエタンチオールは、ハロエタンに硫化水素カリウムを反応させることでも、エタンチオールを製造することができます。
エタンチオールは極めて引火性が高く、また体内に吸入してしまうと人体に有害です。この化合物は消防法に定める「第4類危険物特殊引火物」に該当しており、取り扱う際にはドラフト内で取り扱うことや、近くに高温のものを置かないなどといったことを徹底する必要があります。また、皮膚や目への刺激を回避するために、白衣や保護メガネを着用することが重要です。
1,1-エタンジチオールは、エタンチオールのチオール基が結合する炭素に、さらにチオール基が1つ結合した化合物です。この物質はエタンチオールに類似した構造を持ちますが、性質も類似しており非常に強い悪臭を持ちます。
この化合物を含む有名が、果物の王と呼ばれているドリアンです。この物質が含まれていることを同定した方法としては、まずドリアンの果肉にジクロロメタンを分散させて有機物を溶解し、硫酸ナトリウムで脱水を行います。この抽出液を40℃で蒸留を行い、揮発性の匂いを持つ化合物を分離します。これらの化合物をガスクロマトグラフィーで保持時間および分子量を分析することによって、化合物が決定されました。
参考文献
https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/6343
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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