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インダンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、インダンのメーカー4社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
図1. インダンの基本情報
インダンとは、二環性炭化水素の一種で、特異臭のある有機化合物です。
無色~うすい黄色の澄明 (ちょうめい) な液体で、CAS登録番号は496-11-7です。メタロセン (英: metallocene) 触媒を代表として、有機合成化学の中間体になっています。
引火性液体および蒸気として消防法で「危険物第四類・第二石油類・危険等級Ⅲ」に指定されているほか、安衛法で「危険物・引火性の物」、危規則で「引火性液体類」、航空法でも「引火性液体」に指定されています。
インダンは、医薬をはじめ農薬や染料の原料、光機能材料や機能性樹脂の原料として使われています。光機能材料とは、光の照射でその性質が変化したり、通常と異なる動きをする材料のことです。身近な応用例は、蛍光体としての白色LED (英: Light Emitting Diode) です。
白色LEDとする方法は、いくつか考えられています。なかでも主流といわれているのは、構造が簡単で発光効率が一番良い「青色LEDと黄色蛍光体の組み合わせ」で、この黄色蛍光体に光機能材料が使われています。
インダンの融点は-51℃、沸点は176℃で、引火点は47℃です。エタノールやアセトンに混和します。ただし、水にはほとんど溶けません。
また、インダンは二環性の炭化水素です。インデン (英: indene) と構造が似ていますが、インダンには五員環中に二重結合がありません。化学式はC9H10で表され、分子量は118.18g/molです。触媒を用いることで、キシレン (英: xylene) のような他の芳香族化合物へ、インダンから変えることも可能です。
図2. インダンの誘導体
インダンの誘導体である多種多様なメチルインダンやジメチルインダンは、医薬品原料などに利用されています。インダンの誘導体は、触媒に金属ナトリウムとエタノールを使用して、酢酸エチルとフタル酸ジエチル (英: Diethyl phthalate) の反応によって、間接的に得ることが可能です。
具体的にメチルインダンには、五員環にメチル基が結合した1-メチルインダン (英: 1-Methylindane) や2-メチルインダン (英: 2-Methylindane) があります。それ以外にも、ベンゼン環にメチル基が結合した4-メチルインダン (英: 4-Methylindane) や5-メチルインダン (英: 5-Methylindane) も存在します。
図3. インダンの関連化合物
インデンは、インダンに構造が似た化合物です。インデンは五員環中に二重結合を持っており、分子式はC9H8です。インデンは容易に重合反応を起こすため、工業的に熱可塑性を有するクマロン-インデン樹脂 (英: coumarone‐indene resin) の原料でもあります。
テトラリン (英: tetralin) もインダンと構造が似ていますが、テトラリンは飽和した六員環を持っています。テトラリンは1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン (英: 1,2,3,4-tetrahydronaphthalene) とも呼ばれ、化学式はC10H12です。
インダンのその他の誘導体には、1,3-インダンジオン (英: 1,3-indandione) などが知られています。1,3-インダンジオンはインダン骨格を有するβ-ジケトンであり、分子式はC9H6O2です。
水素化インジウム (英: Indium trihydride) も、インダンと呼ばれます。ただし、綴りや読みが同一の水素化インジウムはインジガン (Indigane) とも呼ばれています。水素化インジウムの化学式はInH3です。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0109-0003JGHEJP.pdf
https://www.nite.go.jp/chem/chrip/chrip_search/dt/html/GI_10_001/GI_10_001_496-11-7.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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