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アゼチジンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、アゼチジンのメーカー5社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
アゼチジン (英: Azetidine) とは、化学式 C3H7Nで表される飽和四員環複素環化合物です。
シクロブタンの炭素原子のうち、1つが窒素原子に置換した構造をしています。CAS登録番号は503-29-7であり、別名はトリメチレンイミン、アザシクロブタン、1,3-プロピレンイミンなどです。
アゼチジンは、GHS分類において引火性液体、皮膚腐食性/刺激性に分類されます。アゼチジンの法規制は、労働安全衛生法において危険物・引火性の物、また消防法において第4類第一石油類に指定されています。
アゼチジンの主な使用用途は、研究開発用試薬製品や有機合成材料などです。アゼチジンは、その合成の段階で四員環の窒素原子部分にさまざまな保護基を導入することが可能であり、その制御によって医薬品の側鎖部分として有用な化合物です。アゼチジンそのもの自体はあまり使用頻度の高くない化合物であると言えますが、その構造を有する誘導体であるアゼチジン系化合物が医薬品として用いられています。
アゼチジン化合物の医薬品としての研究は、1950年代の後半から盛んになり、現在では関節リウマチ、多発性硬化症、骨粗しょう症および骨溶解、がんの予防または治療剤などとしての利用、研究が進められています。アゼチジン及び誘導体は天然でもあまり多く含まれる物質では有りませんが、天然ではムギネ酸やアゼチジン-2-カルボン酸などの誘導体が存在します。
図1. アゼチジンの基本情報
アゼチジンの分子量は57.09、沸点は61-62℃であり、常温での外観は、無色から淡黄色の液体です。特異臭があります。
図2. アゼチジンの窒素原子の孤立電子対
引火点は、密閉式引火点試験で-21℃です。密度は0.847g/mLで、水と混和する性質があります。多くの二級アミンより塩基性が強く、共役酸の酸解離定数pKaは11.29です。
これは、炭素鎖が環状構造になっており、窒素原子の孤立電子対 (lone pair) が立体障害を受けにくく張り出した構造になっているためと考えられます。引火性が強く、皮膚を腐食させる性質がある物質です。
図3. アゼチジンの誘導体
アゼチジンは、一般的に研究開発用試薬製品として販売されている物質です。容量の種類には250mg、1g、5g、25gなどの種類があります。実験室で取り扱いやすい容量での提供ですが、比較的高価な化合物と言えます。通常、冷蔵で保管されることの多い試薬製品です。
また、アゼチジンは、塩酸塩としても販売されています。その他、誘導体では、窒素原子上に置換基が導入された各種化合物のほか、炭素原子上に置換基が導入された化合物ではアゼチジン-2-カルボン酸、アゼチジン-3-カルボン酸、アゼチジン-3-オールなど、が挙げられます。
アゼチジンの合成方法には、3-ブロモプロピルアミンと水酸化カリウムとの反応や、p-トルエンスルホニルアゼチジンを金属ナトリウムで還元する方法などが知られています。p-トルエンスルホニルアゼチジンは、1,3-ジブロモプロパンとp-トルエンスルホンアミドから得ることが可能です。
アゼチジンは、希塩酸中で加熱すると開環し,3-クロロプロピルアミン,3-アミノプロパノールなどが生成します。通常、適切な保管環境においては安定ですが、熱、炎、火花を避けるべきとされています。混触危険物質は、強酸化剤、強酸です。
アゼチジンは、GHS分類において以下に指定されている物質です。
取り扱いの際は、熱、炎、火花を避け、保護手袋・保護衣・保護眼鏡・保護面などの適切な保護具を着用することが必要です。法令では、消防法において、第4類引火性液体、第一石油類, 危険等級II、非水溶性液体に指定されています。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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