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アセト酢酸についての概要、用途、原理などをご説明します。また、アセト酢酸のメーカー16社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
図1. アセト酢酸の基本情報
アセト酢酸 (英: Acetoacetic acid) とは、化学式がC4H6O3で表されるカルボン酸化合物の一つです。
3-オキソブタン酸 (英: 3-Oxobutanoic acid) とも呼ばれます。分解しやすいため、アセト酢酸として取り扱うことはまれで、通常アセト酢酸エチルやアセト酢酸メチルとして使用可能です。
一般的に取り扱われているアセト酢酸エチルは、GHS分類で引火性液体、眼刺激性に分類されており、消防法で危険物第4類に指定されています。労働安全衛生法、労働基準法、PRTR法、毒物および劇物取締法では、いずれも非該当です。
アセト酢酸は不安定な化合物であり、通常アセト酢酸として取り扱われません。アセト酢酸はアセト酢酸メチルやアセト酢酸エチルなどのエステル体をけん化して得られ、有機合成の反応中間体として取り扱われます。
またアセト酢酸は、生化学的に観測されることが多いです。具体的には、糖尿病患者や絶食時に激しい運動を行った際などには、血液中のアセト酢酸濃度が高まることが知られています。種々の原因によって、熱量供給が脂肪として賄われるような状態では、脂肪酸が分解されます。そしてアセチルCoAが増加し、結果としてアセト酢酸が形成されるためです。このような状態をケトーシスと呼び、食欲低下、消化管機能の低下症状などが見られる場合があります。
図2. アセト酢酸の反応
アセト酢酸の融点は36.5°Cです。不安定な液状で、長時間の放置や加熱によって、アセトンと炭酸ガスに分解します。
アセト酢酸の酸型の半減期は、37°Cの水中で140分です。その一方で、陰イオンである塩基型の半減期は130時間で、約55倍分解が遅くなります。
アセト酢酸はpKaが3.58の弱酸で、アルキルカルボン酸と似ています。
図3. アセト酢酸の構造
アセト酢酸はケト酸の一種です。ケト酸とは、カルボキシ基とカルボニル基を含む有機酸のことです。アセト酢酸の示性式はCH3COCH2COOHで表されます。モル質量は102.09g/molです。
アセト酢酸は最も単純なβ-ケト酸です。ケト-エノール互変異性 (英: keto-enol tautomerisation) を示し、エノール型は共役と分子内水素結合によって、部分的に安定化されています。この平衡は溶媒に大きく依存します。極性溶媒ではケト型が優勢で、水中では98%です。それに対して非極性溶媒では、エノール型が25~49%です。
ジケテン (英: diketene) の加水分解によって、アセト酢酸が得られます。アセト酢酸エステルは、ジケテンとアルコールの反応によって生成します。アセト酢酸エステルの加水分解でも、アセト酢酸を調製可能です。一般的にアセト酢酸は0°Cで合成され、アセトンと二酸化炭素に分解しやすいため、すぐに使用されます。
アセト酢酸エステルは、アセトアセチル化反応 (英: acetoacetylation reaction) に使用され、アリライドイエロー (英: arylide yellows) やジアリライド (英: diarylide) などの染料の製造に広く利用されています。ジケテンはアルコールやアミンと反応して、対応するアセト酢酸誘導体を生成します。
糖尿病性ケトアシドーシスの確認のため、ケトジェニック・ダイエット中や低炭水化物ダイエット中の糖尿病患者の尿に含まれるアセト酢酸を測定します。この測定ではニトロプルシドや類似の試薬でコーティングされたディップスティックを使用します。アセト酢酸の共役塩基であるアセトアセテートの存在下で、ニトロプルシドはピンク色から紫色に変化するため、目で評価可能です。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0105-0038JGHEJP.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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