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酸化インジウムについての概要、用途、原理などをご説明します。また、酸化インジウムのメーカー15社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
酸化インジウムとは、半導体材料やディスプレイ材料として主に用いられているインジウムを酸化した無機化合物です。
化学式In2O3、分子量277.63、CAS登録番号1312-43-2で、酸に溶け、水には溶けない性質を有しています。国内法規上で酸化インジウムは、安衛法で「名称等を表示すべき危険物および有害物」「名称等を通知すべき危険物および有害物」に指定されています。
その他、PRTR法で「第1種指定化学物質・第1種No. 44」、大気汚染防止法で「有害大気汚染物質」にも指定されています。
酸化インジウムは、酸化スズを添加して作られる「酸化インジウムスズ (英: Indium Tin Oxide, ITO) による透明導電膜の原料としてよく知られています。酸化インジウムを使ったITO膜は、次のような用途に用いられます。
ITO膜は透明で電気を通す性質があるため、透明導電膜として使用されます。透明導電膜は、スマートフォンやタブレットなどのタッチパネルや液晶ディスプレイ、有機ELパネルなどの表示装置で使用されます。
ITO膜は、太陽電池の電極としても使用されます。太陽電池の光吸収層となるシリコンなどの半導体素材が光を吸収することで発生した電子が、ITO電極に集められます。
ITO膜は、液晶ディスプレイのバックライトや発光ダイオード (LED) の電極など、電子材料の製造にも使用されます。また、半導体材料の製造にも使用されます。
酸化インジウムは、インジウムと酸素からなる化合物で、化学式はIn2O3と表されます。酸化インジウム単体や酸化インジウムに微量の金属元素をドーピングした素材は、以下に示すような特殊な性質を有します。酸化インジウムは、半導体産業やディスプレイ産業など、性質を活かしてさまざまな分野で使用されています。
可視光線に対して高い透明性を示します。特に、紫外線から近赤外線までの波長域において、高い透過率を示します。
導電性から半導電性があります。透明でありながら電気を通すことが可能で、透明導電膜の素材として広く用いられています。
高温下でも安定した性質を持ちます。そのため、高温プロセスが必要な製造工程においても使用されます。
空気中で安定した性質を持ちます。酸化物であるため、酸やアルカリに対しても化学的に安定です。
常磁性体であり、磁場によって磁化しない性質を持ちます。
1. 熱酸化法
金属インジウムを高温で燃焼させ、生成した酸化物を回収する方法です。酸化反応を促進するために、酸素や空気を供給します。酸素供給量や反応温度を調整することで、製品の品質や収率を制御できます。
2. 水熱法
水とインジウムの塩を混合して、高温・高圧の水中で反応させる方法です。この反応によって生成する酸化物は、粒子の大きさや形状が均一で、高い結晶性を持つことが特徴です。また、反応条件を調整することで、異なる形状の酸化物を得ることができます。
3. 沈殿法
インジウムイオンを含む水溶液に、アンモニアや炭酸ナトリウムなどのアルカリ剤を加え、pHを上げて反応させる方法です。反応によって生成した沈殿物を遠心分離や濾過などの方法で回収し、乾燥して酸化インジウムを得ます。この方法は、反応容器の設備が比較的簡単であることや製品の品質を均一に保つことができることから、工業的にも広く用いられています。
透明導電膜の被膜形成は、スパッタリングという不活性ガス中での高電圧印加による蒸着技術を使用することで、薄くかつ均一な膜形成を可能としています。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0109-0298JGHEJP.pdf
https://www.nite.go.jp/
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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