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酢酸プロピルについての概要、用途、原理などをご説明します。また、酢酸プロピルのメーカー13社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
酢酸プロピルとは、化学式CH3COOCH2CH2CH3で表される有機化合物です。
無色透明な液体で、洋ナシによく似た独特な芳香があり、天然には、リンゴやバナナ、ラズベリーといった果実に多く含まれている物質です。香りの特徴から、香料に利用される他、溶剤などの工業用用途にも利用されています。
酢酸プロピルは、酢酸と1-プロパノールのエステル化 (縮合反応) により製造され、年間約3万トンが輸入されています (経産省2018) 。
酢酸プロピルは、洋ナシのような芳香の特徴から、食品のフレーバーや香水に使用されています。また、有機溶媒との混和性が高い特徴を活かし、溶剤としても有用です。
具体的には、各種プラスチックの溶剤や、塗料用剤、印刷インキ用溶剤、医薬用抽出溶剤などへの利用が挙げられます。
酢酸プロピルは、分子量102.13、CAS番号 109-60-4の無色の液体です。酢酸n-プロピルとも呼ばれます。
凝固点−95℃、融点は−92℃、引火点14℃、沸点、初留点及び沸騰範囲101.6℃、自然発火温度450℃、爆発範囲の下限2 vol%、上限8 vol%の引火性液体です。製造メーカーによって熱的性質が異なるため、使用前にメーカーSDSを確認する必要があります。
蒸気圧は3,300Pa (20℃) 、蒸気密度は 3.5g/cm3 (空気=1) のため、空気よりも重いです。
水への溶解度は1.6mL/100mL (16℃) とわずかに溶解し、アルコール、エーテル、炭化水素、エステルに可溶です。
強酸化剤、強塩基、強酸、強酸塩と反応し、火災や、爆発の危険性があります。また、水の存在下で、加水分解し酢酸を生じ、各種金属、プラスチックを侵す性質があります。
混触危険物質は、強酸化剤、強塩基、強酸、硝酸塩です。燃焼により、一酸化炭素、ニ酸化炭素などの危険有害性のある分解物を生成するため、高温を避ける必要があります。
引火性の高い液体および蒸気であり、蒸気を吸引すると有害です。また軽度の皮膚刺激性、眼刺激性がある他、中枢神経系、肝臓障害の危険性があります。
吸引、経口摂取による眠気またはめまい、呼吸器への刺激のおそれがあることから人体に接触、吸引しないよう注意して作業する必要があります。
また、水生生物に対しても有害であることから、環境へ流出を避け、廃時時は、都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託し処理を行うことが必要です。
作業場は防爆型の電気機器、換気装置、照明機器を使用し、静電気放電や火花による引火を防止します。また、屋外や換気の良い区域を選びます。
作業者は、適切な 保護手袋、保護眼鏡、保護面の着用が必要です。作業時は、飲食又は喫煙を避け、作業後はよく手を洗います。
引火性が高いため、熱、火花、裸火、高温のもののような着火源から遠ざけ、混触危険物質との接触しない場所での取扱いが必要です。
保管場所には危険物を貯蔵、または取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設け、熱、火花、裸火のような着火源から離して保管を行います。冷所、換気の良い場所で貯蔵し、酸化剤、直射日光、火気を避け、密閉し施錠することが重要です。
消火剤には、 小火災の場合は、二酸化炭素、粉末消火剤、散水、耐アルコール性泡消火剤を使用し、大火災の場合は、散水、噴霧水、耐アルコール性泡消火剤を使用します。
棒状注水を消火剤に使用すると危険です。また、火災により、刺激性、毒性、又は腐食性のガスが発生するおそれがあるため、消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用します。
大規模火災時には、泡消火剤を用いて空気を遮断することが有効です。
労働安全衛生法では、名称等を通知すべき有害物、名称等を表示すべき有害物、第2種有機溶剤等、危険物・引火性の物質に指定されています。
消防法では、 第4類引火性液体、第一石油類非水溶性液体に分類され、船舶安全法では引火性液体類、航空法で引火性液体に指定されています。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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