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群青についての概要、用途、原理などをご説明します。また、群青のメーカー6社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。群青関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:キシダ化学株式会社、2位:株式会社尾関、3位:純正化学株式会社となっています。
目次
群青とは、アルミニウムやナトリウムのケイ酸塩、硫化物イオン、硫酸イオンが混じりあって構成される無機物質です。
天然にはラピスラズリの主成分として存在し、深みのある青色が特徴です。ラピスラズリのラピスの語源は、ラテン語で石を表すLapis、ペルシャ語で青や空を表すLazwardだと言われています。
群青は、別名としてウルトラマリン (英: Ultramarine) があります。ヨーロッパでは原料のラピスラズリは産出されず、アフガニスタンから海を越えてやってくることから、この名前が付けられました。画家のフェルメールが、群青顔料を使用して名作を多く残したことから、フェルメールブルーとしても知られています。
群青は高彩度の美しい青色を活かし、顔料として使用されることが一般的です。紺青と共に、水性塗料や印刷インキ、絵の具などに配合される青色無機顔料として多用されてきました。天然の群青はとても高価であったため、ルネッサンス期のヨーロッパの芸術家たちは、聖マリアやキリストのローブでのみこの顔料を使用していました。
現在では、天然顔料はほとんど生産されておらず、合成顔料が大半です。純粋なウルトラマリンの他に、ウルトラマリンバイオレットやウルトラマリンレッド、ウルトラマリンピンクなど、さまざまな色調のウルトラマリンが販売されています。
合成製造物は非常に安価なため、紙やゴム、プラスチックの着色・青みづけ、または壁紙や更紗の染色など、様々な分野の量産製品に使われます。群青は安全性も高く、化粧品にも使用できる塗料です。また、合成ウルトラマリン溶液であるランドリーブルーは、白い服の洗濯洗剤として用いられます。
群青のCAS番号は57455-37-5で登録されています。硫黄を含むアルミノシリケート錯体として知られていますが、分子構造は定義されていません。取りうる分子構造の一例は、Na8(Al6Si6O24)S2~4とされています。
群青は青色の粉末で、水やアルコールにはほとんど溶けません。空気中では、約300℃まで安定です。酸に対して不安定で、硫化水素が発生して分解して退色しますが、塩基や硫化ガスに対しては比較的安定です。
アルミノシリケートの格子内に、ナトリウムイオンと硫黄のラジカル陰イオンが対として存在する構造を取ります。群青の深い青色は、結晶格子内に存在する酸化数の異なるラジカル陰イオン、S3-やS2-の光吸収に起因します。
人工の群青は、ケイ酸アルミニウムナトリウムと硫化ナトリウムの複塩であり、その組成式は、Na10Al6Si6O24・Na4S2です。天然のものと比べ、やや赤みを感じる青色を呈します。色は焼成条件により変化しますが、結晶構造は常に立方晶を示します。なお、消防法や毒物及び劇物取締法などの国内法令には該当しません。
岩群青と呼ばれるものもあり、こちらも顔料として使用されています。天然では藍銅鉱 (アズライト) として産出します。塩基性炭酸銅が主成分で、化学式は2CuCO3・Cu(OH)2です。比重は3.88の青色粉末で、希酸やアンモニア水には溶けますが、水には溶けません。
同じく塩基性炭酸銅である孔雀石 (マカライト) との混合物として採掘されることが多いため、精製の困難さから比較的高価な顔料です。孔雀石は、化学式CuCO3・Cu(OH)2で表され、緑色を呈する、比重3.85、単斜晶系の粉末です。酸やアンモニア水には溶けますが、水やエタノールには溶けません。
中世ごろから、ラピスラズリという天然鉱石を粉砕して作られていました。天然のものは、中央アジアや中近東で産出されます。
群青は、合成によっても製造可能です。カオリンと珪藻土、ソーダ灰、硫黄に、還元剤として木炭または石灰を加え、るつぼに密閉します。750〜850℃の高温で40〜50時間加熱した後、副生成物の硫酸ナトリウムを水洗いにより取り除くことで得られます。
取り扱い時の対策
強酸化剤は混触危険物質です。取り扱い時や保管時に、近づけないでください。
火災の場合
熱分解で、一酸化炭素や二酸化炭素、硫黄酸化物 (SOx) 、金属酸化物を放出するおそれがあります。消火には、水噴霧や二酸化炭素、泡、粉末消火剤、消火砂を使用してください。
保管する場合
ポリエチレン製容器に密閉し、直射日光を避け、換気の良いなるべく涼しい場所に保管してください。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0121-0001JGHEJP.pdf
https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Ultramarine-Blue
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
2024年10月の注目ランキングベスト6
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | キシダ化学株式会社 |
25.0%
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2 | 株式会社尾関 |
25.0%
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3 | 純正化学株式会社 |
20.0%
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4 | 太洋株式会社 |
15.0%
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5 | 株式会社テツタニ |
10.0%
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6 | 富士フイルム和光純薬株式会社 |
5.0%
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注目ランキング導出方法について
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