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水酸化クロムについての概要、用途、原理などをご説明します。また、水酸化クロムのメーカー4社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。水酸化クロム関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:富士フイルム和光純薬株式会社となっています。
水酸化クロム (英: Chromium hydroxide) とは、クロムの水酸化物ですが、二価の水酸化クロム(II) Cr(OH)2と三価の水酸化クロム(III) Cr(OH)3があります。
一般的に販売・使用されているのは、主に三価の水酸化クロムであり、水酸化クロム(III)のCAS登録番号は、1308-14-1です。水酸化クロム(III)は、形式上Cr(OH)3と表記されますが、正確な構造は定まっておらず、実際の組成は酸化クロム (III) 水和物 Cr2O3・nH2Oであるとされます。
水酸化クロムは、顔料や媒染剤として広く利用されており、耐光性、耐酸性、耐アルカリ性に優れているとされます。水酸化クロムの青緑色は、酸化クロムよりも明るい緑色がでるため、化粧品、特にメイクアップ製品に使用されます。化粧品分野での他の用途は、ヘアカラー剤、ネイル塗料、スキンケア用品などです。
水酸化クロムは、木材の水溶性防腐剤の一部としても使われている物質です。定着性、防腐・防蟻効果など優れた性能があり、かつては一番多く使用されていました。しかし、クロム化合物の毒性を懸念する環境への配慮から、現在はあまり使用されていません。
水酸化クロム(III)は、酸化クロム(Ⅲ)や他の可溶性クロム(Ⅲ)塩の製造中間体としても用いられます。化学反応への用途としては、アルコール、パラフィンの脱水素反応の触媒などの用途が挙げられます。
図1. 水酸化クロム(II)の基本情報
水酸化クロム(II)は、分子量86.01の物質であり、空気遮断下でクロム(Ⅱ)塩水溶液にアルカリを加えることで黄色沈殿として得られる物質です。乾燥すると褐色粉末になります。
水および希酸に不溶ですが濃酸には若干溶解し、強い還元作用を持ちます。また、加熱により酸化クロム(III)Cr2O3を生じます。
図2. 水酸化クロム(III)の基本情報
水酸化クロム(III)は、分子量103.02、密度は3.11g/mLであり、常温での外観は青色、または緑色の粉末固体です。
図3. 水酸化クロム(III)の両性水酸化物としての溶解
水や希酸には、不溶ですが、強酸性溶液、強塩基性溶液のどちらにも溶解する両性水酸化物です。ただし、生成してから時間のたったものは酸に溶けにくくなります。水酸化クロム自体は、不燃性ですが、加熱すると分解して、酸化クロムを生じます。
水酸化クロム(II)は、ほぼ一般に販売されていませんが、水酸化クロム(III)は研究開発用試薬製品や工業用無機化合物などとして販売されています。通常、形式上の構造式Cr(OH)3で表記されるか、酸化クロム(III)n水和物Cr2O3・nH2Oとして表記されています。
水酸化クロム(III)は、1g、5g、25g、100g、500gなど、比較的小容量単位で販売されている物質です。室温で保管可能な物質として取り扱われます。
水酸化クロム(III)は、クロム塩の水溶液中に水酸化アンモニウムなどのアルカリを加えることにより、青色の沈殿として得られます。
水酸化クロム(III)は、アレルギー性皮膚反応や、
吸入によるアレルギー、喘息又は呼吸困難などの危険性が指摘されています。GHS分類では、健康に対する有害性において、「呼吸器感作性: 区分1」「皮膚感作性: 区分1」に分類される物質です。
上記の有害性から、水酸化クロム(III)は、各種法令による規制を受けています。労働安全衛生法では、 名称等を表示すべき危険有害物、名称等を通知すべき危険有害物、リスクアセスメントを実施すべき危険有害物に指定されている物質です。
また、労働基準法では疾病化学物質であり、化学物質排出把握管理促進法 (PRTR法) では、第1種指定化学物質です。法令を遵守して正しく取り扱うことが必要とされています。
参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/1308-14-1.html
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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