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塩化インジウムについての概要、用途、原理などをご説明します。また、塩化インジウムのメーカー13社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
塩化インジウムとは、インジウムの塩化物です。
一般的には塩化インジウム(I) (英: Indium(I) chloride)と塩化インジウム(Ⅲ) (英: Indium(III) chloride) の2種類が存在します。塩化インジウム(I)は組成式InClで表される物質で、CAS登録番号は13465-10-6です。
一塩化インジウムの別名があります。塩化インジウム(Ⅲ)は組成式InCl3で表される物質で、CAS登録番号は10025-82-8です。別名である、三塩化インジウムの名称で呼ばれる場合もあります。一般的には、塩化インジウム(III)の方が、取り扱われたり販売されたりすることが多いです。
塩素インジウムは、有機合成化学においてルイス酸として用いられたり、放射性医薬品・造血骨髄診断薬として医療の現場で使用されたりしている物質です。例えば、化学・物理学分野では、色素増感太陽光電池の光陽極の作製、シリレノールおよびインドールのマイケル付加反応における触媒などに用いられます。
医薬品としては、塩化インジウム111InClが塩素インジウム(111In)注として発売されています。塩素インジウム(111In)注を静脈内に注射して、骨髄シンチグラムをとることによって、骨髄の造血機能の診断が可能です。塩素インジウム(111In)の作用機序は次の通りです。
まず、111Inが血清中のトランスフェリンと結合し、それから、幼若赤血球に取り込まれて111Inが活性骨髄に集積します。この作用を用いて、造血骨髄の分布や機能、造血骨髄疾患の診断が行われています。
図1. 塩化インジウム(I)の基本情報
塩化インジウム(I)は、分子量150.27、融点225℃、沸点608℃であり、常温では暗黄色の粉末です。
図2. 塩化インジウム(III)の基本情報
塩化インジウム(III)は、分子量221.18、融点586℃、沸点655℃であり、常温では白色粉末の固体です。密度は3.46g/mLであり、潮解性を示し、水に溶解します。
塩化インジウムは、主に研究開発用試薬製品や、放射線医薬品塩素インジウム (111In) 注として販売されている物質です。
研究開発用試薬製品としては、塩化インジウム(I)も塩化インジウム(III)も共に製品化されていますが、どちらかというと塩化インジウム(III)の方が市場流通の多い物質です。
無水物の他、塩化インジウム(III)については、四水和物も市販されています。10g、25g、50g、250gなどの容量で販売されており、実験室で取り扱いやすい容量での提供が一般的です。基本的には室温保管可能な試薬製品ですが、塩化インジウム(III)四水和物は冷蔵保管が必要な試薬製品です。
放射線医薬品としては、塩化インジウム(I)の放射性同位体である111InClが製品化されています。剤形は注射液で、骨髄シンチグラムによる造血骨髄の診断などに用いられる薬剤です。
塩化インジウム(III)は、単体のインジウムを塩素と反応させることによって合成が可能です。この反応は直ちに進行する速い反応です。また、塩化インジウム(III)は、メタノール-ベンゼン混合溶媒中、電気化学電池を用いた合成が報告されています。
図3. 塩化インジウム(III)の化学反応
塩化インジウム(III)はルイス酸であり、ドナーリガンドと複合体を形成します。また、ジエチルエーテル溶液中で、塩化インジウム(III)は水素化リチウムLiHと反応してLiInH4を形成します。この物質は、in situで還元剤と反応して、第4級アミンや水素化インジウム(InH3)とリンの複合体などを形成する物質です。
ジエチルエーテル中で塩化インジウム(III)をグリニャール試薬 (MeMgI) またはメチルリチウム (LiMe) などと反応させることにより、トリメチルインジウムInMe3が合成できます。また、ルイス酸触媒としての塩化インジウムは、フリーデル・クラフツ反応やディールス・アルダー反応などに用いられる物質です。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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