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メントンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、メントンのメーカー5社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。メントン関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:東京化成工業株式会社、2位:シグマアルドリッチジャパン合同会社、3位:富士フイルム和光純薬株式会社となっています。
図1. l-メントンの基本情報
メントンとは、飽和環状テルペンケトンの1種で、植物精油中に含まれる、無色透明の液体です。
ペパーミント油やハッカ脱脳油に含まれています。主に含まれているのは「l-メントン」で、IUPAC名では(2S,5R)-trans-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサン-1-オンです。
l-メントンは、ハッカ特有の香りがします。ハッカ脱脳油を分留することによって得られます。消防法にて「危険物第四類」に指定されており、取り扱いには注意が必要です。
メントンの主要な用途として、ミント等の合成香料原料が挙げられます。また、ラベンダー・ローズ・ゼラニウム等の調合香料や食品香料、化粧品などとしても広く用いられています。
ゼラニウム油は、ローズ油に似た特有の香りを有し、高級調合香料として用いられている他、一般香粧品や石鹸香料、ロジノールの製造原料としても利用可能です。ペパーミントの主成分の1つとして、アロマテラピーなどでも利用されており、血圧を下げる効果などがあるとされています。
そのほか、害虫を忌避する効果もあるため、農薬の製造にも使用可能です。さらに、有機合成の原料としても利用されています。
メントンは水には微溶ですが、アルコールやベンゼン等の有機溶媒には可溶です。密度は0.893g/cm3、融点は-6°C、沸点は207-210°Cです。
分子式はC10H18Oで、分子量は154.25です。カルボニル基を持つモノテルペンであり、構造はメントール (英: menthol) に類似しています。メントールのヒドロキシ基をカルボニル基へ変換した構造、もしくはp-メンタン (英: p-menthane) にカルボニル基が付加した構造です。
幾何異性体と光学異性体を考えると、合計4種の異性体が存在します。分子内に2個の不斉炭素があるため、「d-メントン」と「l-メントン」という光学異性体 (鏡像異性体) が存在し、「メントン(トランス体)」と「イソメントン(シス体)という幾何異性体 (シス・トランス異性体) も存在します。
ペパーミント油やはっか脱脳油などに、多く含まれているのはl-メントンであり、d-イソメントンは少量です。ただし熱によってイソメントンに異性化するため、それぞれの異性体が共存しています。
図2. メントンの合成法
クロム酸とともにメントールを加熱すると、メントールの酸化反応によって、メントンを合成できます。メントールは普通の2級アルコールと同様に、多種多様な反応に適用可能です。
図3. メントンの異性体の構造
l-メントンは(-)-メントンとも呼ばれています。l-メントンの光学異性体であるd-メントンは、(+)-メントンや(2R,5S)-trans-2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサン-1-オンとも呼ばれます。
(-)-イソメントンと(+)-イソメントンは、l-メントンやd-メントンの幾何異性体です。(-)-イソメントンはl-イソメントン、(+)-イソメントンはd-イソメントンとも呼ばれています。
有機化学においてメントンは、これまでに重要な役割を果たしてきました。エルンスト・オットー・ベックマン (英: Ernst Otto Beckmann) によって、濃硫酸にメントンを溶かすと別のケトン化合物が生成し、原料と生成物は同じ大きさですが、旋光度が逆向きであることが明らかなりました。
そして、エノール型互変異性体を中間体として経由して、不斉炭素原子上の立体反転が起きたという機構を提唱しています。これは、ほとんど検出ができない中間体を反応機構中に置くことで、生成物の形成過程を説明する理論における初期の例です。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0113-0097JGHEJP.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
2024年10月の注目ランキングベスト3
注目ランキング導出方法順位 | 会社名 | クリックシェア |
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1 | 東京化成工業株式会社 |
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2 | シグマアルドリッチジャパン合同会社 |
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3 | 富士フイルム和光純薬株式会社 |
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