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ヘミンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ヘミンのメーカー3社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ヘミン関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:ナカライテスク株式会社となっています。
図1. ヘミンの基本情報
ヘミンとは、青紫色もしくは黒紫色の結晶あるいは粉末の有機化合物です。
現在では多くの場合、プロトヘミン (英: protohemin) を指します。プロトヘミンとは、フェリプロトポルフィリンⅨクロリド (英: ferriprotoporphyrin Ⅸ chloride) またはフェリヘムクロリド (英: ferrihem chloride)のことです。
ヘミンのCAS登録番号は16009-13-5で、国内法令上の規制は特にありません。
ヘミンはヘモグロビンといった血液への活性に関わる分野で、医薬の中間体として使われています。ヘミンは医療において、赤血球系の細胞の「分化誘導」活性を有することがわかっていました。
ヘミン自体が化学式の示す通り、塩素イオンを1つ有するポルフィリンの3価鉄錯体です。血液中のヘモグロビンを作るのに重要な鉄分と相関があります。そのため、人体に対して早くから貢献していた物質と言えます。
ヘミンはジメチルスルホキシドにやや溶けますが、エタノールには極めて溶けにくく、水にはほとんど溶けません。ヘミンは光によって変質する恐れがあるため、ガラスが安全な容器包装材料とされています。
保管する際は、遮光して2~10℃の冷蔵庫に密封する必要があります。
図2. ポルフィンの基本情報
ヘミンは塩素イオン (Cl) 1個がイオン結合しているポルフィリン (英: porphyrin) の三価鉄錯体の慣用名です。ヘミンは錯化合物であり、基本構造はポルフィリンの正方形の平面に対し、垂直に1つの配位子を有するピラミッド型を取っています。
塩化物などのハロゲン化物の陰イオンは、鉄と配位結合をしています。ヘミンの化学式はC34H32ClFeN4O4、分子量は651.94です。
詳細に解説すると、ヘミンはポルフィリンの三価鉄錯体です。ポルフィリンとは4つのピロール環が4つの炭素によって結合しており、閉環したポルフィン (英: porphine) に側鎖が付いた化合物の総称です。
ポルフィンの化学式はC20H14N4、分子量は310.35で、ポルフィリン系物質の前駆体でもあります。ポルフィリンやその他類似化合物の金属錯体は、生体内で重要な役割を担っています。色素や触媒として、人工的にも広く使用可能です。
ヘミンは血液に氷酢酸と食塩を加えて加熱後、放冷することで容易に結晶として生成します。1個の陽荷電を有し、通常は塩化物として得られ、クロロヘミン (英: chlorohemin) とも呼ばれています。
遊離のヘムは不安定です。そのため、すぐに酸化されてヘミンになります。
酵素の一種であるカタラーゼ (英: catalase) やペルオキシダーゼ (英: peroxidase) の色素部分はヘミンです。チトクロム (英: cytochrome) やチトクロムオキシダーゼ (英: cytochrome oxidase) の色素部分も類似のものだと考えられています。
ヘモグロビンの検出に使用するベンジジン染色 (英: benzidine staining) に対して、ヘミンは陽性です。マウス赤白血病細胞 (MEL細胞) とヒト慢性骨髄性白血病K562細胞に対して、赤血球への細胞分化誘導活性を有することも知られています。
図3. プロトポルフィリンⅨの基本情報
ヘミンはフェリプロトポルフィリンⅨクロリドとも呼ばれ、プロトポルフィリンⅨの化学式はC34H34N4O4、モル質量は562.658です。プロトポルフィリンⅨはポルフィン環にメチル基が4つ、ビニル基が2つ、プロピオン酸基が2つ結合しています。ポルフィリン類の分類に使用されているローマ数字は、置換基の種類や位置によって決められています。
参考文献
https://labchem-wako.fujifilm.com/sds/W01W0108-1032JGHEJP.pdf
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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