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ブテンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ブテンのメーカー10社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
図1. ブテンの構造
ブテンとは、分子式がC4H8で表される、1個の二重結合を有する不飽和炭化水素です。
1-ブテン、2-ブテン、イソブテンの3種類の異性体があります。2-ブテンにはシス-2-ブテンとトランス-2-ブテンの2種類が存在します。いずれもオレフィンガス特有の臭いのある無色の気体で、分子量は56.10g/molです。
ブテンはナフサ分解プロセスのC4留分、または石油の接触分解の副産ガスC4留分などに存在し、蒸留などで分離できます。1-ブテンと2-ブテンは、液化石油ガスとして混合したまま利用されることが多いです。
ブテンの異性体の主な用途は下記の通りです。
1-ブテンの融点は-185.3°Cで、沸点は-6.3°Cであり、発火点は384°Cです。エタノール、ベンゼン、ジエチルエーテルに溶解します。
シス-2-ブテンの融点は-138.9°Cで、沸点は3.7°Cであり、トランス-2-ブテンの融点は-105.5°Cで、沸点は0.9°Cです。沸点が非常に近いため、蒸留による異性体の分離は難しいですが、似た反応性を示すため、分離する必要がない場合も多いです。一般的に2-ブテンは、シス体が70%とトランス体が30%の混合物として市販されています。
イソブテンの融点は−140.3°Cで、沸点は-6.9°Cです。
1-ブテンは直鎖状のα-アルケンです。示性式はCH3CH2CH=CH2で、密度は0.62g/cm3です。
2-ブテンは幾何異性体を有する最も単純なアルケンで、示性式はCH3CH=CHCH3と表されます。3.7°Cでのシス-2-ブテンの密度は0.641g/cm3であり、0.9°Cでのトランス-2-ブテンの密度は0.626g/cm3です。シス-2-ブテンはシス-β-ブチレン、トランス-2-ブテンはトランス-β-ブチレンとも呼ばれます。
イソブテンはエチレンの片方の炭素原子に、2個のメチル基が結合した構造を持っています。示性式はCH2=C(CH3)2で、密度は0.5879g/cm3です。
図2. ブテンの合成
原油C4留分の分離によって、1-ブテンと2-ブテンの混合物が得られます。エチレンの二量化では、末端アルケンのみ生成します。蒸留により高純度で精製可能です。
イソブテンは石油精製ストリームで硫酸と反応させると単離できます。通常、触媒を用いたイソブタンの脱水素化で製造可能です。アセトン、セルロース、キシロースなどからも製造できます。ネオヘキセンを合成する際に、ジイソブチレンのエテノリシス (英: ethenolysis) の副産物としてもイソブテンが生じます。
図3. ブテンの反応
1-ブテンは重合しやすく、ポリブテンが生成します。リニアポリエチレンなどの製造原料で、ポリプロピレン樹脂、メチルエチルケトン、エポキシブタンなどの前駆体に使用可能です。
2-ブテンからブタジエンを製造可能です。水和反応で2-ブタノールになり、酸化してメチルエチルケトンが生じます。
イソブテンはメタクロレインの原料です。イソブテンにメタノールやエタノールが付加すると、メチルtert-ブチルエーテルやエチルtert-ブチルエーテルが得られます。商業的にtert-ブチルアミンも、ゼオライト触媒を使ったイソブチレンのアミノ化で製造されています。イソブテンが重合するとポリイソブチレンが生成し、イソブテンのアルキル化によってイソオクタンを合成可能です。フェノールや4-メトキシフェノールとのフリーデル・クラフツ反応で、イソブテンからジブチルヒドロキシトルエンやブチルヒドロキシアニソールが得られます。
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