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フッ化セシウムについての概要、用途、原理などをご説明します。また、フッ化セシウムのメーカー11社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。フッ化セシウム関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:株式会社高純度化学研究所となっています。
フッ化セシウム (英: Cesium fluoride) とは、組成式CsFで表されるイオン化合物で、フッ化物イオンとセシウムイオンから成る無機化合物です。
CAS登録番号は、13400-13-0です。吸湿性のある物質ですが、減圧下で加熱することで容易に水分を除去することができます。フッ化物イオンの発生源として反応したり、塩基として用いられたりする物質です。
フッ化セシウムは労働安全衛生法で名称等を表示・通知すべき有害物質に指定されている他、PRTR法で第一種指定化学物質に指定されています。
フッ化セシウムは、化学分野において種々の反応に用いられる物質です。例えば、有機フッ素化学ではフッ素化物イオン源として利用され、有機合成においては求核性の低い有用な塩基として用いられます。
また、フッ化セシウムは赤外線を透過する性質があるため、分析化学の分野では赤外分光法に利用されることがあります。赤外分光法とは、物体に赤外線を照射し、反射光や透過光をスペクトル分析する分析法のことです。フッ化セシウムは、赤外分光法において物体を挟む「窓板」という部分に用いられています。
図1. フッ化セシウムの基本情報
フッ化セシウムの式量は151.90であり、沸点は1,251℃、融点は682℃です。常温常圧での外観は白色固体または粉末です。密度は4.115g/mLであり、吸湿性があります。フッ化セシウムを空気中に放置すると水分を吸収してしまいますが、減圧下で 100 ℃に加熱することによって簡単に乾燥することができます。
メタノールに溶解しますが (溶解度: 191g/100g (15℃) ) 、ジオキサン、ピリジンには不溶です。水には可溶で(溶解度: 366.5g/100g (25℃) ) 、フッ酸には容易に溶解します。
フッ化セシウムは、研究開発用試薬製品や、工業用マテリアル製品などとして一般的に販売されています。研究開発用試薬製品としては、5g、25g、100g、500g、1kgなどの、実験室で取り扱いやすい小容量を中心に販売されています。冷蔵保管が必要な試薬製品です。
工業用マテリアル製品としては、主にフラックス原料、医薬中間体などの用途を想定して販売されています。こちらは業務用容量を中心に販売されているため、サプライヤーへの個別問い合わせが必要です。
図2. フッ化セシウムの合成
フッ化セシウムは、フッ化水素と水酸化セシウム或いは炭酸セシウムを反応させ、水を除去することによって合成が可能です。
図3. フッ化セシウムの化学反応の例 (脱シリル化反応)
フッ化セシウムは、非水性溶液中でもほぼ完全に解離する物質です。そのため反応性が高く、溶液は弱塩基性を示します。また、フッ化物イオンは求核性が低いので有機合成において有用な塩基であり、例えば、クネーフェナーゲル縮合に用いた場合、KFやNaFよりも良い結果を与えます。
フッ化物イオンの発生源としても反応性を有しており、特にフッ化物イオンはケイ素置換基と容易に反応します。これは、ケイ素−フッ素結合が生成しやすいためです。有機合成で脱シリル化反応や、シリルエーテルの脱保護に用いられます。
THFやDMF溶媒中で様々な有機ケイ素化合物と反応し、ケイ素フッ化物とカルバニオンを発生させます。このカルバニオンは求電子剤と反応させることが可能です。フッ化セシウムは吸湿性が低いため、水に敏感な中間体を含む反応を収率良く進行させることができるところが長所です。
フッ化セシウムは、一般的なフッ化物と同様に、中程度の毒性があります。酸と混合することにより、毒性・腐食性の高いフッ化水素が発生します。冷蔵庫 (2~10°C) に密閉し て保管することが推奨され、この推奨保管条件では安定と考えられますが、高温・直射日光などの条件や、酸・強酸化剤との混触を避けることが必要です。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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