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ピリドキシンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ピリドキシンのメーカー4社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
ピリドキシンとは、水溶性のビタミンB群の一種です。
熱や酸性では比較的安定ですが、中性やアルカリ性では光により分解されやすいので、一般に安定性を高めたピリドキシン塩酸塩として取り扱われています。ピリドキシン塩酸塩はや塩酸ピリドキシンともいわれる物質です。化粧品分野では他に誘導体が登録されています。本品は、白色~微黄色の結晶性の粉末で、水に溶けやすくエタノールに溶けにくい性質を持っています。融点は約206℃です。
ピリドキシンは主に下記の3つにおいて使用されています。
ピリドキシンは、医薬品としてビタミンB6欠乏症の予防及び治療の他以下のような場合に用いられます。
ピリドキシンは、塩酸ピリドキシンとして食品添加物としても使用されます。調整粉乳や小麦粉に、ビタミンB6の強化のために加えられたり、健康的なイメージを付加した菓子や飲料などの食品に使用されたりしています。
化粧品の用途には、塩酸ピリドキシンやトリスヘキシルデカン酸ピリドキシンが使用され、それぞれ用途が違います。
塩酸ピリドキシン
塩酸ピリドキシンは、皮脂抑制作用を期待されて化粧品に配合されています。過剰な皮脂分泌を抑制することから毛髪用のコンディショニング剤などや、皮膚のテカリを防止する目的で、スキンケア製品などに使用されています。
トリスヘキシルデカン酸ピリドキシン
トリスヘキシルデカン酸ピリドキシンは、ピリドキシンの3個のヒドロキシ基にイソパルミチン酸が結合したビタミンB6誘導体です。液状の油溶性の物質で、皮膚への浸透力が高いです。
フィラグリンとは角質層にあるたんぱく質ですが、皮膚に水分が不足すると、角質層の骨格となるたんぱく質「ケラチン」を集め、保湿力のある角質層をつくるはたらきの中心的役割を果たしています。トリスヘキシルデカン酸ピリドキシンはフィラグリンの産生を促進し、皮膚の保湿へ作用していると考えられています。
ピリドキシンは、動物細胞中に含まれているときには、リン酸化したピリドキサールリン酸 (PLP) やピリドキサミンリン酸 (PMP) として酵素たんぱく質と結合した状態で存在しています。調理や加工の過程や、食品として胃に入ってから、ほとんどの PLPと PMP遊離したのちに加水分解されて、消化管から吸収されます。
一方、植物の生細胞中にはピリドキシン 5ʼβ‒グルコシド(PNG) のかたちで存在しており、消化管内で一部が加水分解を受け、そのまま加水分解された形で吸収されます。吸収されたピリドキシンは、様々な体内反応の補酵素として使われます。主な役割を以下にあげます。
日本人の食事摂取基準 (2020年版) によると、ピリドキシンの摂取量は、18歳以上で男性1.4mg/日、女性1.1mg/日です。
ピリドキシンを、1日数グラムを数カ月摂取すると、感覚性ニューロパシーという明確な悪影響が観察されることが知られています。 体や内臓の感覚を伝える神経の感覚障害です。
ピリドキシンを含む食品は多く、動物性の食品では赤身の魚や肉類、レバーなど。植物性の食品にはバナナやトウガラシ、海苔、ゴマなどに含まれています。
通常の食事をしていて、ピリドキシンが 欠乏することは、まれです。しかし、結核治療薬や抗うつ病薬のなかには、ピリドキシンの吸収を阻害する作用を持つものがあります。
ピリドキシンが欠乏すると、皮膚炎やけいれん、免疫の低下、貧血などがあらわれることがあります。重くなると舌炎や口内炎、精神的な錯乱が起こる場合があります。
参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/KAG_DET.aspx?joho_no=37784
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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